双極性障害を抱える優秀な諜報員キャリーがテロと闘う姿を描いた社会派スパイ・スリラードラマ『HOMELAND/ホームランド』。
タイトルの『HOMELAND』とは「国土、自国」という意味で、テロの脅威からアメリカを守るため 9.11後に創設された国土安全保障省(the Department of Homeland Security)を連想させる言葉だそう。
アメリカではケーブルテレビ局SHOWTIMEで2011年~2020年、計96エピソード、シーズン8まで放送される予定。
『HOMELAND/ホームランド』はシーズン8がファイナルシーズンに。 シーズン8ではタリバンとの和平交渉が描かれています。
シーズン8で終了することは以前から決まっていたそうで、アメリカでは『HOMELAND/ホームランド』の最終回は2020年4月26日に放送される予定となっています。
『HOMELAND』はなぜシーズン8で終わるのか?「利益は大きいが支出も大きい」 (2020年2月10日) - エキサイトニュース
『HOMELAND』のファイナルとなるシーズン8の放送が、いよいよ米Showtimeで2月9日(日)より始まった。その終幕時期は実は何年も前から決まっていた。その理由と、シーズン8の放送開始が遅れた原因についてシリーズのクリエイターが米TV Lineのインタビューで語っている。 実は『HOMELAND』は以前から何度も シーズン8で終了する ことを製作側が明かしている。しかし2016年に ...
『HOMELAND/ホームランド』のファイナルシーズンであるシーズン8は全12話。
シーズン8には主人公キャリー役のクレア・デインズの夫で『ハンニバル』のウィル・グレアム役で知られるヒュー・ダンシーもゲスト出演。 夫婦共演が実現すると話題になっています。
『HOMELAND/ホームランド』シーズン8では、シーズン4の登場人物や大使館襲撃事件が絡んでくるようです。 シーズン4とシーズン7をおさらいしておくと、より楽しめるはず。
『HOMELAND/ホームランド』の配信情報
(※本作品の配信情報は2020年4月時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については各配信サービスのホームページもしくはアプリをご確認ください。)
Huluでは『HOMELAND/ホームランド』では、シーズン1~シーズン7が配信。
『HOMELAND/ホームランド』シーズン8はFOXチャンネルでの放送から20日間の期間限定で配信されています。『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン・シーズン8のエピソードリスト(全12話)
- シーズン8 第1話「ポリグラフ」"Deception Indicated"
- シーズン8 第2話「勝者なき戦い」"Catch and Release"
- シーズン8 第3話「偽りの友」"False Friends"
- シーズン8 第4話「前進」"Chalk One Up"
- シーズン8 第5話「後退」"Chalk Two Down"
- シーズン8 第6話「2分間」"Two Minutes"
- シーズン8 第7話「捜索」"F**ker Shot Me"
- シーズン8 第8話「挽歌」"Threnody(S)"
- シーズン8 第9話「フライトレコーダー」"In Full Flight"
- シーズン8 第10話「選ばれた男」"Designated Driver"
- シーズン8 第11話「英語教師」"The English Teacher"
- 【最終回】シーズン8 第12話「捕虜」"Prisoners of War"
『HOMELAND/ホームランド』シーズン8の主な登場人物・キャスト
- キャリー・マティソン(クレア・デインズ)
元CIAの諜報員でアフガニスタンのカブールCIA支局長だったことも。双極性障害を抱えながら、テロとの戦いを続ける。ロシアに約7か月間拘束され、その間の記憶があいまいに。
- ソール・ベレンソン(マンディ・パティンキン)
キャリーの元上司。国家安全保障担当補佐官となり、タリバンとの和平交渉に尽力する。
- マックス・ピョトロフスキー(モーリー・スターリング)
キャリーに協力してきたフリーランスの技術者。パキスタンの通信を傍受する盗聴装置を修理する。
- エフゲニー・グロモフ(コスタ・ローニン)
ロシア連邦軍参謀本部情報総局GRUの諜報員。シーズン7から登場し、フェイクニュースを流すなどアメリカを混乱させた。ロシアで拘束中だったキャリーと何かがあったらしいが…。
- ハッカニ(ヌーマン・アチャル)
タリバンのリーダー。シーズン4ではソールを人質にして、アメリカ大使館を襲撃し、大勢を殺害。CIA幹部ダール・アダールと取引し、暗殺リストから外してもらった過去が。
- タスニーム・クレイシ(ニムラト・カウル)
パキスタンの情報機関ISIの諜報員。タリバンとつながりがあり、シーズン4ではハッカニに情報を流していた。
- グロム(モハマド・バクリ)
アフガニスタンの副大統領。
- ジェナ・ブラッグ(アンドレア・デック)
CIAのアフガニスタンのカブール支局員。まだ新人でキャリーのサポート役を任される。
- マイク・ダン(クリフ・チェンバレン)
CIAのカブール支局長。以前はキャリーの部下だった。
- ラルフ・ワーナー大統領(ボー・ブリッジス)
アメリカの大統領。エリザベス・キーンが辞任し、副大統領から大統領に。
- デイヴィッド・ウェリントン(ライナス・ローチ)
エリザベス・キーン大統領のころからの首席補佐官。
- ベン・ヘイズ(サム・トラメル)
副大統領。
- ジャラール(エルハム・エーサス)
ハッカニの息子。
- ジョン・ゼイベル(ヒュー・ダンシー)
アフガニスタン政策の大統領顧問。
『HOMELAND/ホームランド』シーズン7のあらすじ
新たな大統領として就任したエリザベス・キーンは、自身の襲撃事件に関し、疑いがある人々の身柄を強引に拘束。その横暴さをきっかけに、国内では政権に対する不信感が強まり、政治活動家オキーフも過激さを増していく。
そんな中、反キーン政権のヒーロー的存在といえるマクレンドン将軍が無期懲役の刑に処されるが、収監手続き中に暗殺されてしまう。刑務所側は心臓発作で死んだと発表し、暗殺を隠蔽。将軍の不自然な死に、国民の不満はさらに募っていく。
キャリーは、キーン政権から国を守るべく、単独で行動を開始。本当の黒幕は大統領首席補佐官ウェリントンなのではと踏んだキャリーは、かつての同僚であるダンテと共に密かに調査を進める。しかし、真の首謀者はウェリントンの恋人シモーヌと、一緒に調査を進めていたはずのダンテだった。シモーヌはGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)の大尉で、ウェリントンを利用してキーン大統領の失脚を目論んでいたのだ…。
真相を掴んだキャリーたちは、マクレンドン将軍暗殺の真相を証言させようと画策するが、シモーヌはロシアに連れ戻され、ダンテは尋問中に死んでしまう。八方塞がりとなったソールとキャリー、アントンたちはモスクワに出向き、シモーヌ奪還作戦を実行することに。
キャリーがシモーヌに変装し欺き続けたことで作戦は成功するが、キャリー自身はロシアに捕まってしまう。一方、シモーヌは無事アメリカに到着。法廷で証言したことで真相がアメリカ国民に明かされ、キーン大統領の信頼は回復していく。
数ヵ月後、ロシアで監禁生活を送っていたキャリーが遂に解放されるが、迎えに行ったソールのことを覚えておらず、明らかに様子がおかしい。拘留期間中に必要な薬を与えてもらえず、精神錯乱状態に陥ってしまっていたのだった…。
※ここから『HOMELAND/ホームランド』シーズン8 第1話「ポリグラフ」のネタバレ注意!
『HOMELAND/ホームランド』シーズン8 第1話「ポリグラフ」のあらすじ
ロシアで213日間、拘束されたのち、ようやく解放されたキャリー。拘束中、双極性障害の薬を与えられず、キャリーは精神的に不安定となり、記憶に空白ができていた。
ドイツ アメリカ陸軍の医療センターで治療を受けるキャリー。ポリグラフ検査に引っかかたキャリーはロシアに寝返ったのではないかと疑われ、防諜部門のジム・トゥーロに尋問される。
そんな中、カタールのドーハではアメリカとタリバンとの和平交渉が行われていた。 国家安全保障担当補佐官のソールは和平交渉に尽力するが、アフガニスタン副大統領のグロムがタリバン兵の捕虜は解放しないと声明を出してしまう。
タリバンにとっては捕虜の解放が基本的な交渉条件だったため、グロムの声明を撤回するようにタリバン側は求める。 ソールはグロムと昔馴染みのキャリーに、アフガニスタンのカブールに飛び、グロムに声明を撤回するよう説得してほしいと頼む。
防諜部門のジム・トゥーロはアフガニスタンのCIA支局長マイクにキャリーが寝返った諜報員だと警告する。 キャリーにはジェナがサポート役で付くことになるが、キャリーの携帯はマイクによって監視されていた。
キャリーはこっそりCIA支局を抜け出し、協力者のアルマンの助けで、ガズニにいる情報提供者ロシャンに会いに行く。 しかし、ロシャンはアメリカに協力していたことがバレ、タリバンに殺されていた。
ロシャンが殺された5か月前はキャリーがロシアに拘束されていた時期で、キャリーは自分がロシアにロシャンのことを漏らしたために殺されたのではないかと動揺する。 CIA支局長マイクにそれとなく聞くと、ロシアとタリバンは協力関係にあるという。
一方、マックスはタリバン領域の危険な地点にあるパキスタン国境付近の盗聴装置の修理に向かう。 その盗聴装置はパキスタンのイスラマバードのアメリカ大使館で36人を殺したタリバンのハッカニの電話を盗聴できるようにし、和平交渉でのタリバンの真意を探る重要なものだった。
キャリーはアフガニスタン副大統領のグロムに会いに行くが、グロムのオフィスから出てきた男はキャリーがロシアで尋問されたGRUのエフゲニー・グロモフだった。
『HOMELAND/ホームランド』シーズン8 第1話「ポリグラフ」の感想
キャリーはロシアに寝返ったと疑われる
タリバンとの和平交渉が描かれている第1話。 実際にもアメリカとタリバンは2020年2月29日にカタールの首都ドーハで和平合意に署名しています。
第1話がアメリカで放送されたのは2020年2月4日。現実とまさにリンクしているのが、すごいですね。
シーズン7でシモーヌに変装したことで、ロシアに捕まってしまったキャリー。213日もロシアに拘束されていたことが明らかに。 双極性障害のキャリーにとっては薬がもらえず、記憶もあいまいになっていました。
ドイツで治療を受け、なんとか元気になったようでよかったですね。 しかし、キャリーはロシアに寝返ったのではないかと疑われることに。
キャリーはアルカイダに寝返ったと疑われたニコラス・ブロディと同じ状況になってしまったようです。 まさかキャリー自身が「第2のニコラス・ブロディ」だと疑われることになるとは皮肉ですね。
普通の状態のキャリーなら寝返ったりしないはずですが、病気で現実と妄想の区別がつかず、記憶もないというのが不安材料。 自分でも覚えていないというのが、おそろしいですね。
キャリーはアフガニスタンのカブールへ
ポリグラフ検査に引っかかったキャリーでしたが、ソールは信用。 国家安全保障担当補佐官のソールはタリバン、アフガニスタン、アメリカの和平交渉に尽力していました。
しかし、アフガニスタンの副大統領グロムはタリバン兵の捕虜を解放する気はないと声明を出し、交渉は決裂しそうに。 この声明にはパキスタンの情報機関ISIのタスニーム・クレイシが関係しているようです。
シーズン4ではタリバンに協力していたタスニーム・クレイシ。 今回も暗躍しそうですね。
シーズン4ではタリバンの幹部ハッカニがパキスタンのアメリカ大使館を襲撃し、36人が殺される事件がありましたが、シーズン8ではシーズン4の登場人物が関連してくるようです。
盗聴装置の修理の任務を任されたマックス
パキスタンの国境付近にある盗聴装置の修理に向かうマックス。マックスはシーズン4の大使館の襲撃で友人のファラを目の前で殺されていましたね。そのかたき討ちもあり、マックスは危険な任務にも飛び込んだようです。
その盗聴装置はハッカニの通話を盗聴するものでした。あんな岩の下に盗聴の装置が隠されているなんてびっくりですね…。 危険地帯で銃撃戦になるも、誰も死なずに無事帰還できて一安心。
今はパキスタンに潜伏しているらしいハッカニ。 タリバンの和平交渉もハッカニが指示している模様。大使館襲撃事件を起こしたハッカニとは因縁が。 果たして和平交渉はうまくいくのでしょうか…。
キャリーの情報提供者は殺されていた
アフガニスタンのCIA支局に到着したキャリーは、アルマンの助けでこっそり情報提供者のロシャンに会いに。アルマンによると、アフガニスタンの遊牧民 クチ族は親タリバンで、カブール近くでも銃声が。 キャリーがいたころより治安はよくなるどころか、悪化しているようです。
しかも、政府は腐敗し、副大統領のグロムの方が大統領よりも権力を持っているという、いびつな権力構造まで。
タリバンだけでなく政府の腐敗も問題になっているようです。 「法が取り締まるのは貧乏人だけだ」というアルマンの言葉が印象的ですね。
アメリカが撤退することはすでに政策で決定済み。タリバンとの交渉材料は限られているようです。 「戦争を始めるのは簡単だが、やめるのは難しい」と言いますが、アメリカ軍が撤退した後、アフガニスタンは内戦になる可能性が。 アフガニスタンに平和が訪れる日は来るのでしょうか…。
キャリーがCIAにも内密にしていた情報提供者のロシャンはタリバンに殺されていました。車で引きずり回されたというのが、残虐…。
自分がロシャンの身元をロシアに話してしまったのではないかと動揺するキャリー。 自分で自分を疑わなければならない状況がつらいですね。
タリバンとも協力関係にあるロシア。ここでもロシアが関わってくることに。 キャリーは本当にロシャンのことをロシアに話してしまったのでしょうか…。
キャリーがグロムに会いにいくと、そこにはGRUのエフゲニー・グロモフが。GRUとはロシア軍の情報機関のこと。
ロシア連邦軍参謀本部情報総局
ロシア連邦軍参謀本部情報総局GRU Generalnogo Shtaba Glavnoje Razvedyvatel'noje UpravlenijeГлавное Разведывательное Управление 組織の概要 設立年月日 1918年 管轄 ロシア連邦政府 行政官 ロシア連邦軍参謀本部情報総局(ロシアれんぽうぐんさんぼうほんぶじょうほうそうきょく、 ロシア語: Главное разведывательное управление, ラテン文字転写:Glavnoye Razvedyvatelnoye Upravleniye、英:Main Intelligence Directorate of the General Staff)は、 ロシア連邦軍における 情報機関。略して GRU(発音は英語でグルー、 ロシア語の場合はゲーエルウー、ロシア語での略称は ГРУ)と呼ばれる。旧 ソ連 時代から存続している組織である。 組織上は、欧米列国と同様に参謀本部の一部署に過ぎないが、参謀系統を通した情報の収集のほか、 スパイ活動、 SIGINT、 偵察衛星や特殊部隊 スペツナズの運用も管轄しており、ソ連 KGB(現在の SVRなど)と並ぶ強力な情報機関である。
キャリーを尋問した男とこんなところで鉢合わせするとは。 しかも、よみがえった記憶でキャリーはエフゲニー・グロモフに「置いていかないで」と抱き着いていたことが明らかに。エフゲニー・グロモフはシーズン7で暗躍し、フェイクニュースを流すなどアメリカを混乱に陥れた男でしたね。
拘束中、キャリーには一体何があったのでしょうか…。