- 『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第3話「偽りの友」
- HOMELAND Season8 Episode3 "False Friends"
※ネタバレしています。
『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第3話「偽りの友」のあらすじ
タリバンの捕虜になってしまったソールは、車列への攻撃はアメリカではなくパキスタンの諜報機関ISIの仕業だとハッカニに話す。内部に裏切り者がいると知ったハッカニは息子のジャラールを呼び出す。
ハッカニの息子ジャラールはISIのタスニーム・クレイシに操られ、後継者の座を約束するからと父親ハッカニを売っていた。
ハッカニはジャラールを試し、ISIのタスニームに電話したことで、息子のジャラールが裏切り者だと確信する。 ハッカニはジャラールを拘束して引きずり出し、銃を突きつけ、本当のことを言えと迫る。
ジャラールはハッカニのことを敵との交渉に応じる老いぼれだと非難。ハッカニは息子のジャラールに温情をかけ、処刑せずに追放する。 解放されたソールはハッカニと和平交渉をする。ソールを信用するハッカニは条件をのみ、休戦にも合意する。
マックスは任務を終え、アフガニスタンのバグラム空軍基地へ戻るはずだったが、天候不良で足止めされる。 マックスが来てからロケット弾などの攻撃を受けていないため、兵士たちはマックスのことを幸運のお守りのように感じていた。兵士たちはマックスが発つのが遅れたことを喜ぶ。
キャリーはロシアの諜報員グロモフの魂胆を探るため、CIAのカブール支局長であるマイクに作戦を持ちかける。グロモフを寝返らせ、二重スパイにできるかもしれないと提案するキャリー。
マイクはこの機会にキャリーがロシアに寝返ったことを証明しようとする。 キャリーとグロモフの密会場所に会話を盗聴するためのアンテナを設置したマイクたちだったが、祈りの声に妨害され、盗聴に失敗。
キャリーはロシアで拘束中、シーツで首をつって自殺を図り、発見したグロモフがキャリーの命を救ったという。 キャリーの回復を見守ったというグロモフは、キャリーから娘のフラニーをお風呂で溺死させようとしたことまで聞いたと話す。
サミラのことを教えたのは、モスクワの施設に置き去りにしたことの償いだというグロモフ。 キャリーは動揺し、グロモフとの会話についてマイクにウソをつく。
エリザベス・キーンが辞任し、副大統領から大統領になった民主党のワーナー大統領。副大統領には共和党のベン・ヘイズがつき、首席補佐官はデイヴィッド・ウェリントンが務めていた。
共和党の副大統領のベン・ヘイズは次の大統領を目指し、献金者を集め、足場固めをし始めたらしい。
ワーナー大統領は和平交渉の成立がテロリストへの降伏と非難されないように、アフガニスタンで兵士を激励するというキャリーの案を受け入れる。
ハッカニに追放されたジャラールはタスニームの車に拾われる。
『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第2話「勝者なき戦い」 前回のあらすじと感想はこちら≫『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第3話「偽りの友」の感想
ハッカニの息子ジャラールが裏切り者だった
タリバンの捕虜になってしまったソール。 ハッカニも車列への攻撃がアメリカの仕業ではなく、ISIの仕業だと信じてくれました。 ソールの言葉を信じてくれたよかったですね。
それにしても、ハッカニの息子ジャラールが裏切り者だったとは!
ここでもISIのタスニームが暗躍していました。 ジャラールに後継者の座を約束し、父親ハッカニの情報を聞き出していたタスニーム。
ハッカニは攻撃で死んだと思い込んでいたジャラールとタスニームはハッカニが生きていたことに驚いていましたね。
息子のジャラールを試したハッカニ。すぐにタスニームに電話するなんて、ジャラールはあまり賢くないよう…。 タスニームにいいように操られているだけなのに、アメリカとの和平交渉に応じる父親を老いぼれだと非難。
息子を説得しようと「強いから決して負けない。そして、弱いから決して勝てない」というハッカニの言葉が印象的でした。 過激なテロリストのハッカニでも、ちゃんと現実は見えていたようです。
「雲が終わる所」という意味のバドンバイでソールと話すハッカニには、ただ息子を心配する父親の顔が垣間見えましたね。 息子には「戦争や死ではない道を歩ませたかった」というハッカニ。
ジャラールは4人兄弟の末っ子で他の息子は全員死亡。きっとこの戦争で戦い、死んでいったのでしょうね。 自分のことを「ただの男だ」というハッカニに、「サウジアラビアでいうファイサル。トルコでいうケマルだ」というソール。
サウジアラビアのファイサルとは、サウジアラビア国王のファイサル2世のこと。
ファイサル (サウジアラビア王)
1969年にファイサル国王は イスラム協力機構を結成して事実上の イスラム世界の盟主となり、 1973年の 第四次中東戦争では アラブ石油輸出国機構や 石油輸出国機構を主導して価格を4倍にして、世界市場からサウジアラビアの石油を引っ込めた。この結果、世界的な 石油危機が発生した。同年12月10日、 日本から中東特使としてサウジアラビアに派遣された 三木武夫を迎え入れてファハド第二副首相とともに会談し、日本を友好国扱いにして対日石油供給制限を解除した。また、 1974年にはサウジアラビアを訪問した アメリカ合衆国大統領の リチャード・ニクソンや ヘンリー・キッシンジャー 国務長官と会談してサウジアラビアが ドル建て決済で原油を安定的に供給することと引き換えに アメリカ合衆国が安全保障を提供する協定(ワシントン・リヤド密約)を結んで オイルダラー を確立した。
トルコのムスタファ・ケマルは、トルコ共和国の初代大統領。
ムスタファ・ケマル・アタテュルク
ムスタファ・ケマル・アタテュルク( Mustafa Kemal Atatürk、 1881年5月19日 - 1938年 11月10日)は、 オスマン帝国の将軍、 トルコ共和国の元帥、初代 大統領(在任 1923年 10月29日 - 1938年11月10日)。 スルタン制を廃止、 共和国を樹立。トルコの近代化を推進し、議会からアタテュルク(「父なるトルコ人」)の称号を贈られた。 トルコ独立戦争と
2人とも軍を指揮し、その後、近代化の改革を行ったことで有名だそう。
ソールは祖国のアフガニスタンを愛するハッカニもテロリストではなく、国の指導者になれると信用していたようです。
父親として息子を案じながらも、裏切り者のジャラールを処刑することも考えるハッカニ。 ジャラールは処刑されず、追放処分に。
シーズン4では甥のアーヤンを冷酷に撃ち殺したので、今回も裏切り者の息子を処刑するかと思いましたが、追放だけで済みました。 しかし、その後、ハッカニが「首を切り落とし、見せしめにすべきだった」とつぶやくのにはゾッとしましたね。
追放されたジャラールはタスニームに拾われることに。 ジャラールの処遇を誤った気がするというハッカニの予感は的中してしまったようです。処刑は残酷だったかもしれませんが、そうするべきだったのかも…。
タスニームはジャラールを使って、また和平交渉の邪魔をしてきそう…。 タスニームがジャラールを拾ったシーンでは虹がかかっていましたが、嫌な予感しかしませんね。
やっと成立した和平交渉も白紙に戻ってしまいそうです…。
アメリカのワーナー大統領
ホワイトハウスでは、副大統領だったワーナーが大統領に。デイヴィッド・ウェリントンはそのまま首席補佐官を務めているようです。 そして、副大統領はベン・ヘイズに。
民主党のワーナー大統領は結束を固めるため、党を超えて副大統領を選び、共和党のベン・ヘイズを副大統領に選んだようです。
ベン・ヘイズ副大統領は捕虜になったソールをクビにすればいいと進言。 救出より先にそんなことを言いだすなんて、副大統領としての資質はなさそう。 それにもかかわらず、ベン・ヘイズ副大統領は次期大統領の座を目指しているようです。
タリバンだけでなく、アメリカでも指導者の後継者争いが勃発しそうな気配が。
ハッカニに信用されているソールは和平交渉に成功。タリバンとアメリカの交渉でしたが、最後は交渉人が信用できるかどうかで決まるというのが、外交的ですね。
ワーナー大統領はテロリストに降伏したという印象を避けるため、アフガニスタンで和平が合意に達したことを電撃発表するというキャリーの案を採用。 いい案に聞こえますが、今、大統領がアフガニスタンに来るのは心配ですね。
大使館襲撃の悪夢を思い出してしまう…。 またISIが何かを企んできそうです。
幸運のお守り状態のマックス
すっかり幸運のお守りのような役目になったマックス。 兵士たちが幸運のためマックスのお腹を触ろうと、いきなり襲ってきたときには敵の襲撃かと思って、びっくりしました。
マックスが来てから、攻撃を食らっていないと兵士たちにブッダ扱いされるマックス。 嵐の前の静けさのようで、逆に怖いですね。
しかも、悪天候でマックスが戻るのは数日後に。 その間にとんでもないことが起こりそうで心配ですね。
キャリーはグロモフに秘密を打ち明けていた
キャリーはロシアの諜報員グロモフの真意を探ろうとCIA支局長のマイクの許可を得て、接触。 キャリーがロシアに寝返ったという疑いは消えておらず、グロモフとの会話を盗聴し、キャリーが寝返った証拠を押さえようとしてしていたマイクたち。
盗聴を予期して、祈りの言葉で盗聴を妨害するグロモフはさすが諜報員ですね。
変装してグロモフと接触するキャリー。 ロシアで拘束中、自殺を図ったキャリーを助けたのがグロモフだと判明。さらに、キャリーはシーズン4で娘のフラニーを溺死させようとしたことも、グロモフに話していたようです。
そんなことまでグロモフに打ち明けていたとは…。フラニーを溺死させようとしたことはキャリーしか知らないはず。 そんな秘密を打ち明けたことを覚えてもいないなんて…。
他にどんなことをグロモフに話してしまったのか、不安にもなりますね。 何を話したのか記憶がないというのがおそろしい。知らず知らずのうちにロシアに重大な情報を漏らしてしまった可能性も。
モスクワでキャリーを施設に置き去りにした償いにサミラのことを教えたというグロモフ。
二重スパイになりたいのか、キャリーがロシアに寝返ったと思わせ、混乱させたいのか、グロモフの魂胆はまだ謎ですね…。