- 【最終回】『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第12話「捕虜」
- HOMELAND Season8 Episode12 "Prisoners of War"
※ネタバレしています。
【最終回】『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第12話「捕虜」のあらすじ
アメリカのヘイズ大統領は48時間以内に核兵器を引き揚げなければこちらが排除するとパキスタンの首相に通告。ソールは戦争を回避するために、ヘイズ大統領と2人だけで話そうとするが、ゼイベルに阻止される。
ソールはゼイベルにヘリの墜落は事故で、証拠であるフライトレコーダーはロシアが持っていると明かす。しかし、ゼイベルは作り話だと聞く耳を持たない。
キャリーはソールの協力者の名前を教える代わりにフライトレコーダーを渡すようにグロモフと取引していた。協力者の名前を突き止めるため、ソールを殺すように指示されたキャリーは皮膚に塗ると動けなくなるという2種類の液体の薬を渡される。
キャリーはソールの首筋の皮膚に2種類の薬を混ぜたものを塗って動けなくし、ロシアのGRUの暗殺チームをソールの家に入れる。 暗殺チームが薬物を注射してソールを殺そうとする中、キャリーはロシアにいる協力者のの名前を教えてくれるように懇願する。
しかし、ソールはそれでも協力者のの名前を教えようとしなかった。 キャリーはソール暗殺を止め、西岸地区にいるソールの妹ドリットに会いに行く。
キャリーはソールが死んだとウソをつき、ドリットからソールの死後に自分に渡してほしいと頼まれたものはないか確認する。 ドリットはキャリー宛てに残されたUSBメモリを渡す。そこにはキャリーに引き継ぐため、協力者はアンナ・ポメランセワだとソールが話す映像が。
それを見せられたグロモフも納得し、ロシアのGRUはフライトレコーダーの記録を公表。ヘリ墜落は事故だったと会見を開く。 その結果、アメリカのヘイズ大統領はパキスタンとの国境に配備した軍を引き揚げ、戦争は回避される。
一方、正体がバレたGRUの主任通訳アンナ・ポメランセワはソールの部下ライアンが逃がそうとするが、失敗。 アンナは自分の頭に銃を向けて発砲し、自殺する。
キャリーはグロモフと共に、イスラエルから逃亡。 2年後、モスクワに暮らすキャリーはグロモフとジャズコンサートへ。
キャリーは「謎多き専制国家 なぜ私が祖国を裏切ったか」という本を書いていた。 キャリーはアンナとの情報の受け渡しに使われていたラビノウ教授宛てとしてソールにその本を送っていた。
その本の背表紙の中には「モスクワから教授へ ロシアがイランに売った防衛システムは侵入可能 崩せるわ 詳細はまた今度 お楽しみに」と書かれたメモが。 ソールはキャリーがロシアに寝返ったわけではなく、自らがアンナに代わり、ロシアの機密情報を流すスパイになったと知り、微笑むのだった。
『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第11話「英語教師」 前回のあらすじと感想はこちら≫【最終回】『HOMELAND/ホームランド』ファイナルシーズン シーズン8 第12話「捕虜」の感想
最終回のエピソードのタイトル「Prisoners of War (捕虜)」は『HOMELAND/ホームランド』のもととなったイスラエルのドラマ『Prisoners of War』からとられたようです。『HOMELAND/ホームランド』はイスラエルのドラマ『Prisoners of War』のリメイク作品です。
前回、ソールを殺せという衝撃的な指示を出されたキャリー。 本当にソールを殺す気なのかとヒヤヒヤしました。
ソールを殺せと言われ、悩むキャリーは、ニコラス・ブロディが自爆テロを起こそうとする前に撮影した映像を思い出すことに。 ここでニコラス・ブロディが登場するとは!
聞く耳を持たないゼイベル
パキスタンとは核戦争直前に。ジャラールがいると思われた場所にはおらず、爆撃も成功してはいませんでした。
ゼイベルは核戦争の危機が目前に迫っているにもかかわらず強気でしたが、ヘリ墜落が事故だったと知って、さすがにゼイベルも動揺していましたね。しかし、ソールの言葉を信用せず、作り話じゃないかと疑うのでした。
大量破壊兵器はなかったにもかかわらず、イラク戦争に突入した苦い経験のあるアメリカ。 今回も再び同じ間違いを犯しそうに。それでもゼイベルはサダム・フセインを倒したのは正しかったと主張。 ソールと真実を見ようとしないゼイベルの溝はどうやっても埋まりそうにないですね。
暗殺されそうになるソール
2種類の薬を渡されたキャリー。 混ぜて皮膚に塗ると麻酔薬のケタミンのように動けなくなる作用があるという薬。ロシアはこういう薬を色々と開発していそうで怖いですね…。
2002年に起こったモスクワ劇場占拠事件で、ロシアはガスを使って、武装グループを動けなくして射殺、人質を助け出したそう。 その時に使われたガスは麻酔に使われるフェンタニルを主成分にしたものだったそうですが、詳細な成分はいまだに明らかになっていないそうです。
モスクワ劇場占拠事件
モスクワ劇場占拠事件(モスクワげきじょうせんきょじけん)は、 2002年 10月23日 - 10月26日にかけて、 ロシア連邦内で チェチェン共和国の独立派 武装勢力が起こした 人質 ・占拠事件である。
キャリーがソールの家に着いた時に、ソールが聞いていた曲はモーツァルトのレクイエム。レクイエム(死者のためのミサ曲)を聞いているなんて、不吉!
薬を塗られ、暗殺される寸前まで追い詰められたソールでしたが、殺されなくて一安心しましたね。 注射針が足の指の間に刺されそうになったときには、ソールも終わりかと思いました。
しかし、キャリーは本気でソールを殺す気はなく、殺すと脅し、ソールから協力者の名前を聞き出す作戦を立てていたようです。 それでも、ソールに名前を教えるように懇願する様子は鬼気迫っていましたね。
殺されそうになっても決して協力者の名前を明かそうとしなかったソール。キャリーに言った「くたばっちまえ」という言葉がショッキング。 パキスタンとの戦争を止めたいキャリーと、協力者を守りたいソールの信念がぶつかり合うことに。
ソールとキャリーの師弟関係がガラガラと崩れ去っていくのが悲しい…。
そもそもソールがロシアの協力者のアンナを必死に守ろうとしてきたのは、アリソンに他の情報源を抹殺されたからでした。 アリソンはCIAのベルリン支局長で、実はロシアの二重スパイだったことが『HOMELAND/ホームランド』シーズン5で明らかになっていましたね。
協力者だったアンナは自殺
ソールから協力者の名前を聞き出す作戦の次も用意していたキャリー。 ソールの妹ドリットにソールが死んだとウソをつき、引き継ぎのためソールが残した映像を手に入れるのでした。 ソールの妹ドリットは『HOMELAND/ホームランド』シーズン6にも登場しています。
ソールがキャリーに残していた映像には、協力者であるアンナ・ポメランセワの名前が。キャリーを信用してソールが残した映像をこんな形で見ることになるなんて、最悪ですね。
アンナの名前はすぐにロシアのGRUの局長に伝えられることに。 正体がバレ、命を狙われるGRUの主任通訳のアンナ。 モスクワにあると思っていたフライトレコーダーが、GRUの局長の部屋にあったのには驚きましたね。
正体がバレなければ、アンナはGRUの局長からロシア大統領の通訳にも上り詰められた可能性も。ソールが守り通したかったのも分かりますね。
アメリカにとってアンナは立派な協力者でしたが、ロシアにとっては裏切り者。見る立場が違えば、同じ人物に対してでも評価はまるで別になってしまうのでした。
正体がバレたアンナは自殺。いつかこの時が来ると覚悟していたのか、潔い最期でしたね。 それにしても、国連の中でロシアのGRUに追われ、自殺まで行われたというのが衝撃的でした。
アンナの名前を手に入れたGRUは約束通り、ヘリのフライトレコーダーのことを公表。ヘリの墜落は事故だったと世間が知ることに。
パキスタンとの戦争が回避されて一安心ですが、タリバンとの和平合意は遠い過去のこととなり、ジャラールが生きていることから、タリバンとの戦いは続くことになりそう…。
ロシアはパキスタン危機を終わらせた功労者としてノーベル賞を受賞することが確実に。きっと会見をしたGRUの局長がノーベル平和賞を受賞し、ロシア大統領になる魂胆ですね。
裏で暗躍しておきながら、表では平和に尽力したとアピールするなんて狡猾すぎる…。 ロシアの巧妙な裏工作には、驚かされるばかりですね。
キャリーはロシアの機密情報をアメリカに流すスパイに
アンナの名前をロシアに教え、裏切り者となったキャリーはグロモフと共に逃亡することに。
2年後、グロモフとロシアのモスクワに暮らしていたキャリーは2人でジャズコンサートへ。
キャリーは「謎多き専制国家 なぜ私が祖国を裏切ったか」という本まで執筆。 完全にロシアに寝返ったと思われていたキャリーでしたが、実はロシアに潜り込み、ロシアの機密情報をアメリカに流すスパイになっていたのでした!
アンナとの情報受け渡し方法と同様に本の背表紙に隠したメモでソールにロシアの情報を伝えるキャリー。
本の献辞には「娘に捧ぐ 理解してくれる日が来ることを願って」と書かれていましたが、祖国を裏切ったことを理解するのではなく、自分が実はアメリカのために動いていたことをいつか娘のフラニーが知って理解する日が来ることを願ったものだったようです。
モスクワの部屋にも娘のフラニーの写真が。もう二度と会えないかもしれない娘を愛する気持ちが痛いほど伝わってきましたね。
壁には「イラクに大量破壊兵器は存在せず」「アメリカの無人機攻撃での民間人の死者700人以上」などの記事に加えて、エドワード・スノーデンの写真も。 アメリカ政府の監視システムを告発したスノーデンはロシアに滞在しています。キャリーが書いたという本の表紙もどこかスノーデンの本に似ている気がしますね。
キャリーはロシアで表向きは本を書きつつ、裏ではロシアの機密を探るスパイ活動をしているようです。 コンサートでも化粧室でバッグを交換。
アンナの代わりにスパイとなったキャリー。 スパイが天職のキャリーにとっては、アンナのように一生をかけてロシアでスパイ活動をすることは本望なのかもしれませんね。
裏切り者の汚名をかぶりながらも、アメリカに身を捧げるキャリー。 キャリーがロシアにスパイとして もぐりこんだことを知って、微笑むソール。ソールとキャリーの師弟関係は壊れたかに見えましたが、再び復活。 ソールは引退を決意していたようですが、キャリーのためにも復帰するのは間違いないですね。
計算高いグロモフもだまし、ロシアにもぐりこんで二重スパイになったキャリーの活躍はこれからもずっと続くのでしょう…。
最後はジャズのコンサートで終えた『HOMELAND/ホームランド』は今回が最終回! 胸のすくような大満足の終わり方でしたね。
ドラマで流れた曲
- Requiem in D minor, part-III. Sequentia: dies illa (choir) - モーツァルト
- Truth - KAMASI WASHINGTON
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