【終】『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
Case17「亡霊の収穫祭」(「不吉な収穫祭」)あらすじと感想・曲 ネタバレ注意!

※ネタバレしています。

【終】『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
Case17「亡霊の収穫祭」(「不吉な収穫祭」)"Harvest"のあらすじ

1967年9月、田舎のブラムフォード・ミアで考古学の発掘調査中、男性の白骨死体が見つかる。それは2000年も前の古代人のものだったが、モースは現場でメガネを発見。 それはちょうど5年前の1962年9月に失踪した植物学者のマシュー・ラックスマン博士のものだった。

5年前に州警察が捜査したものの捜査はずさんで、サーズデイやモースたち市警が捜査に乗り出す。

ブラムフォード・ミアの近くの村 ブラムフォード・ヴィレッジで聞き込みをするが、村人たちは非協力的。 村では秋分の日に向け、収穫祭の踊りの練習が行われていた。

村の近くには原子力発電所があり、マシュー・ラックスマン博士が失踪したと思われる場所の近くにあったが、原子力発電所は警備が厳しく、中に入ることすらできない。

モースは山小屋でタロット占いをする老女ドーサブル・チャトックスに話を聞く。 ドーサブル・チャトックスはマシュー・ラックスマン博士のことを知らないと言っていたが、実はマシュー・ラックスマン博士にタロット占いをしていたことが分かる。

モースはカカシにマシュー・ラックスマン博士のジャケットが着せられているのを発見。そのポケットにタロットカードが入っていた。 そして、ジャケットには放射線被ばく量を測るフィルムバッジ線量計がついており、マシュー・ラックスマン博士は死ぬ前に大量の放射線を浴びていたことが分かる。

そのカカシがあった牧草地は教会堂の雑用係ゼブロン・サドラーの土地で、納屋にはマシュー・ラックスマン博士の車が隠してあった。しかし、ゼブロン・サドラーはマシュー・ラックスマン博士を殺してはいなかった。

マシュー・ラックスマン博士の車には放射線を測るガイガーカウンターが。そして、村に住むドクター・バージャーの住所をメモした紙も見つかる。 ドクター・バージャーの妹セリーナに話を聞くと、セリーナと既婚者のラックスマン博士は不倫関係にあったことが分かる。 ラックスマンの車の目撃情報も、金曜ではなく土曜の午前中のことだった。

ゼブロン・サドラーが羊飼いのセス・・チャトックスからジャケットをもらったというブラムフォード・ミアの水辺のあたりでガイガーカウンターが強く反応した場所を掘ると、マシュー・ラックスマン博士の遺体が発見される。

村の収穫祭の日、原子力発電所からはサイレンが鳴り響く。 物理学者バグリー教授は、妻のアンナを放射線による白血病で亡くし、それ以来、核開発に尽力したことを後悔していた。 ラックスマン博士が失踪した日、ラックスマン博士の車に乗せてもらったヒッチハイカーのナイジェルも原発には反対だった。

ラックスマン博士はブラムフォードの土地をモニタリングし、6年前、原子炉ブラムフォードAの冷却槽から放射性物質が漏れたことに気付いていた。

バグリー教授とナイジェルは、放射能に汚染された水が冷却槽から漏れて、地下水に入ったことに気付いたラックスマン博士が口封じで殺されたと思っていた。 バグリー教授とナイジェルは、原子力発電所の職員のレヴィン博士を脅し、中に入りこむ。そして、冷却槽を壊して放射能漏れを起こして土地を汚染させ、多数の犠牲者を出すことで、世界への警告にしようとしていた。

サーズデイはバグリー教授が向ける銃の前に身を挺し、バグリー教授を説得し、止めることに成功。 しかし、さらに過激なナイジェルは手榴弾を隠し持っていた。

追い詰めたものの手榴弾を投げたナイジェル。モースはとっさに手榴弾をドラム缶へ投げ込み、蓋をして、爆発を最小限に抑え込む。

ラックスマン博士を殺したのは原子力発電所の人間ではなく、羊飼いのセス・チャトックスだった。 ラックスマン博士のメガネに残っていた噛み痕はセスが飼っている犬キップのもの。

セスはセリーナに一目ぼれしていたが、プロポーズを断られていた。 5年前、セスはラックスマン博士の車が落ちたところに偶然、遭遇。

セスは自分の車とロープでつなぎ、助けようとするが、ラックスマン博士はお礼も言わず、「女の口説き方を教えてやる」とセスをバカにしたのだった。カッとなったセスはラックスマン博士を殴り殺してしまい、自分の車で運んで埋めようとした。

しかし、死んだと思っていたラックスマン博士は生きていた。セスはシャベルで殴り、息の根を止め、死体を埋めていた。 埋め終わったころに、ゼブロン・サドラーがやってきて、セスはラックスマン博士のジャケットをカカシ用にと渡したのだった。

セスを連行しようとしたとき、セスの祖母ドーサブル・チャトックスが「刑務所より広い土地で死んだ方がいい」とセスをいきなり猟銃で撃ち殺す。

モースの部屋には誰かが侵入し、荒らされてしまう。 サーズデイは鑑識が指紋をとるために押収したモースの持ち物の中に、ジョアンのモンタージュ写真があるのを発見。住所のメモがあり、サーズデイは娘のジョアンに会いに行く。

サーズデイは娘が既婚者の男レイと不倫関係にあると知って激怒。 待ち伏せして、レイを叩きのめし、娘に近づくなと警告する。

ジョアンはモースに会いにくるが、目には殴られたあざがあり、レイに2週間以内に部屋を出ていくように言われていた。 行くあてのないジョアンに、モースは結婚しようとプロポーズするが、同情されるのは嫌だと断られる。

モースはオックスフォードでは出世の見込みはないと、ストレンジからロンドン警視庁のクラドック警部補のチームへ異動する話を持ち掛けられる。 ロンドンへ行けば、昇進もできる。

モースはサーズデイに何も言わず、握手をして去ろうとするが、「握手は別れの意味だぞ」とサーズデイに言われ、手を引っ込める。

そんな中、ジョアンが倒れ、病院に入院。

サーズデイ警部補とモース刑事巡査は原子力発電所の事件で国を守った功績が認められ、女王陛下から「ジョージ・メダル」を授与されるのだった。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case16「呪われた病棟」(「呪われたベッド」)前回のあらすじと感想はこちら≫

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case17「亡霊の収穫祭」(「不吉な収穫祭」)の感想

5年前の失踪事件

前回、消化性潰瘍で入院し、殺されそうになったブライト警視正は無事に復帰。元気になってよかったですね。

1962年9月に失踪したマシュー・ラックスマン博士。ラジオで流れていたニュースは核戦争の寸前までいったという「キューバ危機」のようです。

キューバ危機

キューバ危機(キューバきき、 英: Cuban Missile Crisis、 西: Crisis de los misiles en Cuba、 露: Карибский кризис)は、 1962年10月から11月にかけて、 ソビエト連邦が キューバに 核ミサイル基地を建設していることが発覚、 アメリカ合衆国がカリブ海でキューバの海上封鎖を実施し、米ソ間の緊張が高まり、 核戦争寸前まで達した一連の出来事のこと。 冷戦 の一つのピークとなった事件である。

今回は、原子力発電所など、核に関係したものが取り上げられていました。

5年後の1967年9月。 考古学の発掘で見つかった遺体は2000年も前の古代人のもの。

その古代人も殺されていたことが判明。 2000年前にも殺しがあったというのが、人間は変わっていないことの証明に思えますが、人のいけにえだった可能性も。

古代ケルトのドルイド教では、人がいけにえにされたと言われているそう。人間をいけにえにするなんて、おそろしい。

昼と夜の長さがほぼ等しくなる秋分に行われる村の収穫祭。昼と夜と光と闇が調和するという表現がスピリチュアルでしたね。

村の収穫祭の踊りやあちこちに吊るされた わら人形などが不気味で、ちょうど秋分の収穫祭に失踪したラックスマン博士はいけにえとして殺されたのかと思いましたね。村人たちが非協力的だったのも、そのせいかと思いましたが、ただよそ者を警戒しているだけだったようです。

そして、今まで登場したタロットカードの占いをしていたのは、この村のドーサブル・チャトックスだと判明。

訪ねてきたモースにいきなり猟銃を突きつけてきたのにはびっくり。ドーサブルはずっとモースが来ることを予感し、占っていたようです。

Case 14では「吊るされた男」、Case 15では「恋人たち」、Case 16では「死」のタロットカードが開かれていました。

今回、直接、モースを占って出たカードは「愚者」に、逆さの「恋人たち」、「審判」「塔」に「死」。

「愚者」はウラノスの支配だと言っていましたが、ウラノスはギリシャ神話の神で、同時期に発見された天王星(ウラノス)にちなんで放射性物質の「ウラン」と名付けられたそう。

ウーラノス

ウーラノス( 古代ギリシア語: Οὐρανός、Ouranos)は、 ギリシア神話に登場する 天空神である。全宇宙を最初に統べた原初の神々の 王とされる。果てしなく巨大な体躯を持ち、無数の銀河系が鏤められた宇宙を常に身に纏っている。ウーラノスとは ギリシア語で 「天」 の意味で、天そのものの神格化である。日本語では長母音を省略して ウラノス とも表記する。 ガイアの息子であると同時に夫でもあり、ガイアとの間に クロノスら ティーターン 12神をもうける。

村の原子力発電所

5年前に失踪した植物学者のラックスマン博士は、原子力発電所の放射能漏れに気付き、調査していたことが判明。 6年前に放射能で汚染された水が地下水に入ったことを隠蔽し、今度は「ゴールデンロッド」と呼ばれる新しい原子炉の稼働もさせようとしていた原子力発電所。

「ゴールデンロッド」という名前がかっこいいですが、ゴールデンロッドは英語で植物の「セイタカアワダチソウ」のことを指すそう。

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ セイタカアワダチソウ Solidago canadensis 分類 学名 Solidago canadensis var. scabra L. シノニム Solidago altissima 和名 セイタカアワダチソウ(背高泡立草) 英名 Tall goldenrod セイタカアワダチソウ(背高泡立草、 学名: Solidago canadensis var. scabra または Solidago altissima)は、 キク科 アキノキリンソウ属の 多年草である。

冷戦の真っ只中ということで、この原子力発電所も軍拡のため、軍事的にも重要な場所となっていたよう。 それで、放射能漏れの事故も隠蔽されることになった模様。

放射能漏れに気付いたラックスマン博士がつけていた放射性被ばく量を測るフィルムバッジ線量計は真っ黒に。さらに、5年も経っているにもかかわらず、遺体からは鉛の棺に入れたほうがいいレベルの放射線が残っているというのがおそろしいですね。 ラックスマン博士は殺されなくても、放射線被ばくのせいでいずれは亡くなっていた可能性が高そう…。

原発事故といえば、1979年のスリーマイル島、1986年のチェルノブイリ、2011年の福島が有名ですが、ドラマの舞台である1962年、1967年以前にも各国で原子力事故が起きていたそう。 1957年にイギリスで起こった ウィンズケール原子炉火災事故は世界初の原子炉重大事故と言われているそうです。

ウィンズケール原子炉火災事故

ウィンズケール原子炉火災事故(ウィンズケールげんしろかさいじこ、英: Windscale fire)は、 1957年 10月10日に起きた 英国史上最悪の 原子力事故で、最大でレベル7まである 国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル5の事故と評価された。2基の 原子炉は、英国の 原爆製造計画 (en)の一部として突貫工事で建設された。ウィンズケール 原子炉 ...

イギリスの核開発の発展に貢献したバグリー教授でしたが、妻のアンナが亡くなり、一転して、核反対に。 イギリスが行った最初の核実験に立ち会ったため、白血病になって亡くなった妻のアンナ。

そんな危険な実験に立ち会うなんて…。 しかし、昔は核実験が観光資源だったときもあり、アメリカのネバダの核実験場では観光客がキノコ雲を見学していたそう…。考えただけでゾッとしますね。

地下水に汚染された水が入りこんだということで、ブラムフォードの村でも放射能汚染の影響が村人にないか心配に。ドーサブル・チャトックスが「頭が2つある羊が春に生まれた」と言っていたのも放射能の影響があったのでしょうか…。

ラックスマン博士は放射能漏れの隠蔽のために殺されたと思い、世界中の原発を止めるためにとんでもない行動を起こすバグリー教授とナイジェル。

アメリカ人のレヴィン博士の同僚ということで、難なく原子力発電所に入りこんだ2人。 警察のモースが入るのにも苦労したのに、バグリー教授とナイジェルはあっさり入れたなんて警備が厳しいようで、緩いですね。

モースはカメラマンのふりをしてやっと入れたのに。オックスフォードメール新聞のドロシアにカメラマンのスナッピーという偽名をつけられたモース。 「スナッピー」ってかわいいですが、何だか間抜けっぽい…。

プロメテウスの火」すなわち「原子力の父」とまで呼ばれ、尊敬されていたバグリー教授でしたが、原発事故を起こそうとまでしていました。

プロメテウスは人間に火を与えたというギリシャ神話の神。 プロメテウスが与えた火は人間に多くの恩恵を与えますが、一方で人間は与えられた火を戦争に使うように。

これは核が原子力発電だけではなく、核兵器に使われるのと似ていますね。

プロメーテウス

ギリシア語で"pro"(先に、前に)+"mētheus"(考える者)と分解でき、「先見の明を持つ者」「熟慮する者」の意である。同様に、弟のエピメーテウスは"epi"(後に)+"mētheus"に分解でき、対比的な命名をされている。 他にも、"Promē"(促進する、昇進させる)+"theus / theos"(神)と解釈すると、人類に神の火を与えた事で「神に昇進させた者」との説も有る。 ...

原子力発電所のサイレンもいつも鳴らしていたせいで、演習だと思われ、本当の非常事態に役に立たない始末…。 サイレンが鳴り響く村も不気味でしたが、本当におそろしいのは、非常事態にも気付かず、サイレンを聞いても誰も避難しないことだったのかもしれません。

核のおそろしさを世界に知らせようと原発事故を起こそうとするバグリー教授とナイジェル。 バグリー教授はなんとか思いとどまってくれましたが、過激なナイジェルは手榴弾を持参。

ヨハネの黙示録を読み、世界の終わりを警告していたナイジェル。核が世界を終わらせると強い危機感を感じていたよう。冷戦時代なら、その危機はもっと間近だったに違いないですね。

黙示録のラッパ吹き

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 黙示録のラッパ吹き(もくしろくのラッパふき)は、 『 ヨハネの黙示録』に記される、ラッパを与えられた神の御遣い(小 羊)。 小羊( 最も小さな者 )が解く七つの封印の内、最後の七つ目の封印が解かれた時に現れるという。 ...

ナイジェルがしていたバッチは 1957年に設立されたイギリスの反核運動団体「核軍縮キャンペーン」のシンボルだそう。 後に「ピースマーク」として広く使われるようになったそうです。

核軍縮キャンペーン

核軍縮キャンペーン(かくぐんしゅくキャンペーン、 英語: Campaign for Nuclear Disarmament、 CND)は、 1957年に設立された イギリスの 反核運動団体。 核廃絶運動、 核兵器撤廃運動 などとも訳される。 核軍縮キャンペーン(CND)は、イギリスの一方的な核軍縮や、 核拡散防止条約などを通じた国際的な軍縮を主張し、 核兵器や 化学兵器や 生物兵器の使用に繋がる軍事行動や、イギリスの 原子力発電所 に反対している。

核を止めるために、核で汚染を広げようとするなんて、最悪の方法。

ナイジェルの手榴弾は投げられ、どうなることかとヒヤヒヤしましたが、モースが素早く対処。 ドラム缶に入れて、爆発の影響を最小限に抑えるのに成功。間一髪で、最悪の原発事故になるのを阻止できましたね。 爆発後の耳鳴りがリアル…。

犯人はセスだった

緊迫する原子力発電所の事件で、すっかりラックスマン博士の事件のことを忘れそうでしたが、ラックスマン博士殺害は原子力発電所とは無関係でした。

ラックスマン博士は放射能漏れを調べに来ていただけではなく、ちゃっかり村に住むドクターの妹セリーナと不倫していたのでした。 不倫関係を隠すため、セリーナはウソの目撃証言まで。

ラックスマン博士を殺した犯人は、セス・チャトックス。タロットカード占いのドーサブル・チャトックスの孫でした。

セリーナに恋をしていたセス。 猛スピードで突っ込んできたトラックをよけ、柵に激突したラックスマン博士の車。 偶然、通りかかり、助けようとしたセスでしたが、ラックスマン博士にバカにされ、殴り殺してしまったのでした。

きっとセリーナのこともラックスマン博士にとっては遊びだったんでしょうね。 セスがセリーナのことを好きなことを知っていながら「女の口説き方を教えてやる」と言ったラックスマン博士。

助けられたのに、お礼も言わず、嫌なことばかり言うなんて、学者であるラックスマン博士はセスを見下していたのでしょうか…。

一発で死んだと思われたラックスマン博士でしたが、死んでいなかったことが判明。 とどめはシャベルでの一発。

セスは親切心を起こしたことがあだとなり、殺人に手を染めてしまうことに。そのまま放っておけば、何も起こらなかったと思うと、皮肉ですね。

「その女はあんたを破滅させる」というドーサブルの占いの通り、ラックスマン博士はある意味、セリーナのことで殺されたのでした。 「教皇」のタロットカードをくすねても、占い結果は変わらなかったようです。

ラックスマン博士のメガネの噛み痕は噛み癖のある犬のキップのもの。まさか殺したラックスマン博士のジャケットを堂々と他の人にあげてしまうのにはびっくり。

それがカカシに使われるとは…。 不気味なカカシも事件の手がかりになるとは意外でしたね。

そして、最後には衝撃の展開が。 犯人だった孫のセスを猟銃で撃ち殺すドーサブル! 

セスは「外でしか生きられない子」だと捕まるよりも、死んだほうがいいと殺してしまったのが衝撃的でしたね。 「死」のタロットカードは、孫のセスの死を暗示していたようです。

モースにはロンドン警視庁へ異動する話が

モースの部屋は何者かに荒らされ、そのせいでサーズデイにジョアンと会ったことが露呈することに。 ずっと娘のジョアンのことを気にかけ、墓石に書かれた4月11日もジョアンの誕生日だと思い出すサーズデイ…。

ジョアンに会いに行ったサーズデイは、浮気男のレイに鉄拳制裁。 「すぐ離婚する」なんて、浮気するやつの常套句。 「誰かのおもちゃにするために育てたんじゃないぞ」というサーズデイの言葉が印象的でした。

一方、モースにはロンドン警視庁へ異動する話が。 話を持ってきてくれたのはストレンジ。部屋が荒らされたときも、いつでもうちに来ていいと言ってくれるいい友達ですね。

ストレンジたちとクイズ大会(?)にも行くモース。 「有名な銀幕スター コンラッド・ヒルトンと結婚歴あり 去年の3月 5回目の結婚をした女優は?」のクイズの答えは「ザザ・ガボール」。

コンラッド・ヒルトンはあのヒルトンホテルの創業者。ザザ・ガボールはなんと合計9回も結婚したそうですよ! ここまでくると、あっぱれですね。

ザ・ザ・ガボール

ガボールは ウィーンの舞台でその経歴を始め、 1936年にに選ばれた。 1941年にハンガリーからアメリカに移住。「 ヨーロッパの風格と様式」を持つ女優として人気になった。彼女は「魅力と優美さを発散する」という個性を持っているとみなされた。彼女の最初の出演映画は「 Lovely to Look At」だった。

ロンドン警視庁のティンタジェル・ハウスに誘われるモース。 ブライト警視正はモースのことを思ったよりもよく観察し、才能を高く買っているようですね。

「君は自分より他人のことを優先してしまう人間だ。今回は自分の利益を優先して考えたほうがいいのかもしれない」とアドバイスしてくれました。

サーズデイにも相談するかと思いきや、何も話さずに握手だけして行こうとするモース。何も言わずに行くなんてよくないですね。

部屋を荒らされたのも誰かからの警告だった可能性も。 ジョアンに渡したお金が盗られずに残っていたらしいところを見ると、泥棒ではなかったようです。警告だったとしたら、陰湿で怖い…。

浮気男のレイに殴られたジョアン。女性を殴るなんて、やっぱりとんでもない男でしたね。 サーズデイの鉄拳制裁に懲りたと思ったら、ジョアンを殴るなんて。

行くあてのないジョアンに「結婚しよう」といきなりプロポーズするモース!  ジョアンには同情だと思われ、すぐに断られてしまいました。

タイミングが違えば、2人はお似合いの夫婦にもなれそうでしたが、ドーサブルのタロットカードで逆さの「恋人たち」の占いの通り、モースの恋が実るのは難しそう。

しかも、ジョアンは倒れて、病院に入院!  一体何があったのでしょうか…。もしかして、殴られたことが原因!?

でも、医師は健康だとも言っていましたね。まさか、妊娠していて流産したのでしょうか…。

勲章を授与されるモースとサーズデイ

サーズデイとモースは原子力発電所の活躍で女王陛下からメダルを授与されることに。 サーズデイのフルネームはフレデリック・アルバート・サーズデイだと明らかに。

ジョアンのことで亀裂が入っていたサーズデイとウィンでしたが、ジョアンから電話があったことでウィンは元気を取り戻したようでよかったですね。

サーズデイはエリザベス女王から直接、ジョージ・メダルを授与された模様。 ジョージ・メダルとは、第二次世界大戦中にイギリスの国王ジョージ6世によって考案され、一般市民の勇敢な行為を表彰するために制定された勲章だそう。

サーズデイもモースも女王陛下から勲章をもらうなんてすごいですね。

果たしてモースはロンドン警視庁へ行くことを決断するのでしょうか…。 でも、ジョアンやサーズデイのためにも、オックスフォードを去ることはモースには難しそうですね。

タロット占いをするドーサブル役のシーラ・ハンコックは『主任警部モース』で主人公のモース役を演じた故ジョン・ソウの2番目の妻。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』で新聞社ドロシア役を演じるアビゲイル・ソウはジョン・ソウの娘さんで、シーラ・ハンコックは継母にあたるそうです。

今回の主な事件関係者
  • マシュー・ラックスマン博士 植物学者。5年前の1962年に行方不明に。妻はアリソン。セリーナと不倫関係に。
  • ドナルド・バグリー教授  イギリスの核開発に貢献した物理学者。妻が白血病で亡くなってからは、核に反対。ラックスマン博士の友人。
  • ナイジェル・ウォレン ラックスマン博士の車に乗せてもらったヒッチハイカー。核に反対で「ヨハネの黙示録」を読み上げる。
  • セス・チャトックス 羊飼い。犬のキップを飼う。ラックスマン博士を殺した犯人。
  • ドーサブル・チャトックス タロットカード占い師。セスは孫。
  • ジョン・レヴィン アメリカ人で、原子力発電所の職員。妻のロスと村に住む。
  • ゼブロン・サドラー 教会堂の雑用係。ラックスマン博士のジャケットをカカシに着せ、車を納屋に隠していた。
  • ドクター・バージャー 村に住む医師。
  • セリーナ・バージャー 村に住む医師の妹。ラックスマン博士と不倫関係にあった。
  • エリオット・ブレーク 原子力発電所の運転管理部長。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case17のその後は?

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』はシーズン5となるCase18~Case23(全6話)がイギリスで2018年に放送。シーズン6(全4話)、シーズン7(全3話)もイギリスでは放送済み。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』はシーズン8の製作も決まっています。

Case17「亡霊の収穫祭」(「不吉な収穫祭」)で流れた曲

  • Requiem Mass in D Minor, K. 626: III. Sequentia: Dies irae - ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
  • Nun komm, der Heiden Heiland, BWV 659 - ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
  • Paint It Black - ローリング・ストーンズ

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』の登場人物・キャストについてはこちらへ>>

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