※前半にネタバレはありません。
海外ドラマ『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』はアメリカのディスカバリーチャンネルで2017年に放送された犯罪ドラマ。
17年間もの間、全米を恐怖に陥れた実在の連続殺人犯ユナボマーとユナボマーを捕まえようとするFBIプロファイラーを描いたドラマです。
FBIプロファイラーを演じるのは、映画『アバター』のジェイク・サリー役で知られるサム・ワーシントン。
実在の爆弾魔ユナボマーことテッド・カジンスキーを演じるのは、 『アベンジャーズ』シリーズなどで知られるポール・ベタニー。
IMDbや批評サイト ロッテン・トマトでも高評価を獲得したミニシリーズドラマです。
ドラマのおよそ8割は実話だそう。
『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』は全8話で、完結。
シーズン2となる『マンハント:デッドリーゲーム』はSpectrumに局が移り、製作されました。 『マンハント:デッドリーゲーム』では、1996年のアトランタ五輪で起きた爆破事件を題材にしています。
『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』の登場人物・キャスト
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第1話「世紀の爆弾魔」"Unabom"のあらすじと感想
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第2話「真偽」"Pure Wudder"のあらすじと感想
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第3話「毒樹の果実」"Fruit of the Poisonous Tree"のあらすじと感想
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第4話「掲載か爆破か」"Publish or Perish"のあらすじと感想
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第5話「告発」"Abri"のあらすじと感想
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第6話「テッドという人間」"Ted"のあらすじと感想
- 『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第7話「令状」"Lincoln"のあらすじと感想
- 【最終回】『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第8話「判決」"USA vs. Theodore J. Kaczynski"のあらすじと感想
『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』の評価
- IMDbの点数 8.1(52,488人の評価)
- ロッテン・トマトの評価 96%
IMDbの点数の目安
海外大手映画データベースIMDb(インターネット・ムービー・データベース)の点数は10点満点評価。IMDbユーザーがつけた平均点が表示されます。感覚的には、評価の人数が多く、6.5点以上ならまあまあ、7点台なら楽しめる作品、8点以上は傑作になっていると思います。ロッテン・トマトの評価の見方
プロの評論家によるレビューサイト「ロッテン・トマト」では、良い評価が60%を下回ると腐った緑色のトマトのマーク、 良い評価が60%以上の作品には新鮮な真っ赤なトマトのマークがつけられます。
さらに良い評価が70%以上で、厳しい条件を満たした作品にはCertified Fresh(新鮮保証)というマークが付けられています。『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』の配信情報
Netflixで『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』は配信。※作品の配信情報は2021年4月時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については必ず各配信サービスのホームページもしくはアプリをご確認ください。
『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』の登場人物
※年齢は2021年4月現在のものです。- ジム・"フィッツ"・フィッツジェラルド
- FBIアカデミーを卒業したばかりのプロファイラー。連続爆弾犯ユナボマーをプロファイリングする。
演じているのは…
サム・ワーシントン(Sam Worthington)
1976年8月2日、イギリス生まれオーストラリア育ち。身長178㎝。年齢44歳。
映画『アバター』『ハクソーリッジ』などに出演。- テッド・カジンスキー(ユナボマー)
- 郵便で爆弾を送りつける連続爆弾魔。
演じているのは…
ポール・ベタニー(Paul Bettany)
1971年5月27日、イギリス ロンドン生まれ。身長191㎝。年齢49歳。
映画『ビューティフル・マインド』 『ダ・ヴィンチ・コード』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』などに出演。妻は女優のジェニファー・コネリー。
- ドン・アッカーマン
- FBIユナボマー捜査本部の主任捜査官。
演じているのは…
クリス・ノース (Chris Noth)
1954年11月13日、イギリス生まれ。身長187㎝。年齢66歳。
『LAW & ORDER』での刑事マイク・ローガン役、『セックス・アンド・ザ・シティ』での主人公キャリーの恋人ミスター・ビッグ役で有名。『グッドワイフ』では主人公アリシアの夫ピーター・フロリック役を演じました。
- スタン・コール
- ドン・アッカーマンの部下。
演じているのは…
1981年5月13日、アメリカ オハイオ州生まれ。年齢39歳。
『ゴッドレス -神の消えた町-』や『ロシアン・ドール: 謎のタイムループ』、『アウトサイダー』などに出演。
- タビー
- フィッツの相棒。
演じているのは…
ケイシャ・キャッスル=ヒューズ(Keisha Castle-Hughes)
1990年3月24日、オーストラリア生まれ、ニュージーランド育ち。身長157㎝。年齢31歳。
『ゲーム・オブ・スローンズ 第五章:竜との舞踏』『FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~』などに出演。
- ナタリー
- スタンフォード大学で言語学を教える教授。
演じているのは…
リン・コリンズ (Lynn Collins)
1977年6月1日、アメリカ テキサス州生まれ。身長173㎝。年齢43歳。
映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO 200』で演じたケイラ・シルバーフォックス役で有名に。刑事ドラマ『BOSCH/ボッシュ』や『ウォーキングデッド』に出演。
※ここから『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第1話のネタバレがあります。注意してください。
『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第1話「世紀の爆弾魔」のあらすじ
1995年、FBIアカデミーを最優秀の成績で卒業したフィッツ。ユナボマーからの手紙の解読を一瞬でしてみせたフィッツは連続爆弾犯ユナボマー事件のプロファイルのため、家族と離れ、カリフォルニアの捜査本部へ派遣されることになる。
ユナボマーは大学や航空会社など狙い、郵便爆弾を送り付けていたが、6年間、事件を起こしていなかった。しかし、再び爆弾が送りつけられ、死者が出てしまう。
ユナボマー捜査本部のドン・アッカーマン主任捜査官はシンシナティ出身のIQが低い航空会社の元整備士という犯人像をもとにして、プロファイルを完成させろとフィッツに命令するが、フィッツは納得できない。 上司が反対する中、フィッツは先入観を捨て、はじめからプロファイリングをやり直す。
2年後の1997年、フィッツは山小屋で隠遁生活を送っていたが、そこへFBIのドン・アッカーマンとコールが訪ねてくる。 ユナボマーことテッド・カジンスキーを自白させろと言いに来たのだった。
山小屋を出たフィッツは大学教授のナタリーに会いに行く。フィッツはナタリーからフィッツ自身が人生にテッドを求めたと言われる。
1995年、爆破されたサクラメントの現場でフィッツは、ユナボマーが狙っているのは被害者個人ではなく、シンボルとして見ていることを突き止める。そして、郵便で爆弾を送っているのは、何らかのメッセージを送っているからだとプロファイリングする。
フィッツが予想した通り、ユナボマーはニューヨークタイムズに「産業社会とその未来」というマニフェスト(声明文)を送ってくるのだった。
『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』第1話「世紀の爆弾魔」の感想
ユナボマーは実在した連続爆弾犯。1978年~1995年の17年間に16個の郵便爆弾を送り、3人の死者と23人以上のけが人を出したという事件です。
届けられた手紙や小包を無意識に開ける行為が、おそろしいものに。 普段、何も考えずに手紙や宅配便を開けてしまいますが、もしそれが爆弾だったらと考えるとゾッとしますね。
しかも、FBIの捜査で17年間も捕まらなかったというのが、驚きです。
大学や航空会社に爆弾を送ったことから「University + Airline + BOMbings=UNABOM」で「ユナボマー」とFBIに名付けられましたが、犯人のテッド・カジンスキーは自身を「FC」と呼んでいました。
「FREEDOM CLUB 自由クラブ」という一見、気軽な名前ですが、爆弾にまで「FC」とサインされているのが、不気味。 それにしても、FBIは連続殺人犯にキャッチーな名前をつけるのが得意ですね。
1995年、FBIのプロファイラーとなったフィッツ。行動分析課(BAU)はドラマ『クリミナル・マインド』でお馴染み。
優秀なフィッツはユナボマーの手紙からすぐに「DAD IT IS I 父さん 僕だ」 というメッセージを解読することに成功。
しかし、捜査本部の上層部はフィッツにIQが低い航空会社の元整備士だというプロファイルを完成させろと要求。しかも、犯人はEDだというマスコミ受けしそうな下世話な話をそれとなく入れろとまで。
こんなんじゃ犯人は捕まりそうにないと上層部にうんざりしますが、上層部にとってはユナボマーのプロファイリングは何百もあり、そのたびに振り回されてきた過去があるようです。 それでも、ユナボマーがIQが低い航空会社の元整備士だと決めつけることで、誤った方向へ捜査が向かってしまいそうに。
上層部に何を言われても、服従せずに、自分で一からプロファイリングを進めていくフィッツ。捜査にかけては一流だと思っていたFBIは結構、ずさんというか官僚主義的な捜査をしていて意外でしたが、それがリアル。
ユージン・オニールはノーベル文学賞を受賞したアメリカの劇作家で、ユナボマーはユージン・オニールの1ドル切手を小包を送るのに使ったこともあるそう。 しかし、手がかりはほぼなし。
フィッツは郵便爆弾はメッセージだと読み解きますが、ユナボマーはメッセージを送るためのシンボルとして選んだ被害者を人間としてみていないというのが、怖い…。
被害者を社会に組み込まれた機械の歯車としてしか認識せず、生きている人間とは想像しなかったようです。
「夢遊病の羊」「機械の歯車として生きるより、人間として死ぬほうがいい」などの言葉はユナボマーことテッド・カジンスキーのマニフェスト「産業社会とその未来」からのようですが、狂った爆弾魔の印象のユナボマーですが、文章の一部だけをみると頭のいい人間ではないかと思える魅力もあるのが、逆に恐ろしいですね。
こんなに知性的な文章を書くことのできる人物がなぜ、爆弾魔になってしまったのかが気になります。
1997年、フィッツは山小屋に
そして、2年後の1997年。 フィッツは山小屋でひとりさみしく隠遁生活…。
ユナボマーを捕まえ、FBIで華々しく成功しているのではなく、家族とも離れて、山にこもっているとは、一体フィッツに何が起こったのでしょうか…。
ユナボマーを追ううちに精神を病んでしまった?
フィッツがユナボマーことテッド・カジンスキーを人生に求めたというのはどういうことなのか気になりますね。