- 『MACGYVER/マクガイバー』シーズン2第9話「CD-ROM+サンドを包んだホイル」
- MACGYVER Season2 Episode9 "CD-ROM + Hoagie Foil"
※ネタバレしています。
あらすじ
今回の任務はアメリカ軍が確保し、処分する予定だった神経ガス VXガスの確保。50缶のうち1缶を廃棄担当のイアン・カーソン博士が売ろうとしていた。
ペンシルベニア州のカーソンのラボから回収する簡単な任務のはずが、傭兵がVXガスを盗みに現れる。傭兵はインドネシアの過激派シャンドラの組織に雇われた者。マティはシャンドラの組織壊滅のため、傭兵にVXガスを盗ませることにする。 しかし、傭兵を尾行していたサマンサは拉致される。サマンサは盗んだVXガスはニセモノだと思い込ませ、本物のVXガスを渡す取引をする。
シャンドラはニューヨークのグランドセントラル駅でガスをまく予定だったが、サマンサに見抜かれたことで計画変更。水処理施設でVXガスを水に混ぜ、ニューヨークじゅうに広めようとする。 スワットも突入し、マクガイバーはVXガスの缶を確保するが、銃弾が当たり、ガスが漏れ出す。
マクガイバーはガスが広がらないように部屋に閉じこもり、下水ガスを焼却処理する装置を利用し、部屋に充満したVXガスを換気扇で押し出し、焼却処理することに成功。 傭兵を寝返らせ、シャンドラの組織も一掃される。
ジャックはライリーの父親エルウッドが戻ってきたことを知り、エルウッドを見張っていた。そこに銃を持った男が現れ、「エルウッドを殺すのはこっちが先だ」と言う。
ボーザーは尋問の訓練で、弟が子どもの頃、銃の事故で死んだことを持ち出され、動揺する。 マクガイバーは父親が最後に目撃された場所である焼け落ちた小屋から映画のフィルムを発見。修復されたフィルムを再生するとそこにはマティの姿が映っていた。
『MACGYVER/マクガイバー』シーズン2第8話「緩衝材+火」 前回のあらすじと感想はこちら≫感想
危険なVXガスの回収
今回の任務はVXガスの回収。炭酸ソーダを盗むのと同じようなもので、楽勝だと言うジャック。
VXガスといえば、2017年に北朝鮮の金正男がマレーシアでの暗殺されたときに使われた神経毒。オウム真理教のテロ事件でも使用されたガスで、サリンよりも毒性が強いそう。シリアではVXガスやサリンを使用した化学兵器が使われたと言われています。
VXガス - Wikipedia
Ethyl {[2-[di(propan- 2-yl) amino] ethylsulfanyl} methylphosphinate; S-[2- (diisopropylamino) ethyl]- O-ethyl methylphosphonothioate (non-IUPAC synonym)
こんなおそろしい神経ガスを炭酸ソーダと同じに並べるのも、危険な任務になれているジャックだからできるのかも…。炭酸をバカにしたことを謝れと言う炭酸愛が強いジャックは子どもみたいですね。
カーソンのラボのパスワードを突き止めるため、総当たりのパスワード破り機を鉛筆で作ったマクガイバー。鉛筆を使ってボタンを押しているのが、ずいぶんアナログに見えますね…。
暇な間、誰と食事したいか話すマクガイバーとジャック。 マクガイバーは 「シュレーディンガーの猫」で有名なオーストリアの理論物理学者 エルヴィン・シュレーディンガー。実は死んでないかもしれないと「シュレーディンガーの猫」ジョークを飛ばすマクガイバー!
エルヴィン・シュレーディンガー - Wikipedia
1925年から1926年にかけてシュレーディンガーは、 フランスの物理学者 ルイ・ド・ブロイが発見した 物質波の概念を基にして 波動方程式を ハミルトン-ヤコビ方程式などを用いて導出し、波動力学を展開した。この際、 力学と 光学との間の対応関係を指摘する ハミルトンのアナロジーが指針となったと言われる[要出典 ]。また、波動力学がドイツの理論物理学者 ヴェルナー・ハイゼンベルクの提唱した 行列力学と、数学的に同等であることを証明し、量子力学の確立に大いに貢献した。なお、 シュレーディンガー方程式を解くことが、 デンマークの理論物理学者 ニールス・ボーアの提唱した 量子論 の結果を完璧なものにした。
対して、ジャックは『スター・ウォーズ』に登場するキャラクター ハン・ソロ。実在しない人物を出してくるのがジャックらしい。
VXガスを盗ませることに
VXガスを盗みにきたのは、インドネシアの過激派アニサ・シャンドラに雇われた傭兵のデヴ・シン。 とっさに、作戦を変更するマティ。なんと本物のVXガスを盗ませてしまいました!
シャンドラを捕まえるためとはいえ、無謀!
サマンサが拉致されてしまうことに。それでも、マインドコントロールのプロのサマンサは盗んだガスがニセモノだと疑惑を抱かせることに成功。テロの標的まで言い当ててしまうなんて、さすがですね。
車を盗む時に爺さん呼ばわりされてしまい、キレそうになったジャック。失礼なクソガキの車を盗んだことで仕返しはできたようですね。
マクガイバーは催涙ガスを自作。本物のVXガスの缶のように見せかけ、盗まれた缶を回収するはずが、傭兵は計画を変え、水にVXガスを混ぜようとしていました。 本物もニセモノと思われるものも両方、水の中に落とそうとする傭兵のデヴ・シン。
サマンサの合言葉は「アホウドリ」。 そういえば、シーズン2第2話「マッスルカー+クリップ」でライリーがハッカー集団に潜入するときに「アホウドリ」と合言葉を決めていました。
VXガスを浴びてしまうマクガイバー
マクガイバーがVXガスを確保するも、銃弾が当たり、漏れるガス!!
緑色だったのにもびっくり。 VXは室温では無臭の琥珀色の液体で油状、水には溶けにくい性質だそう。噴霧されて使われるのでVXガスと言われるのだそうです。皮膚からも吸収され、1週間も残留するというおそろしいVX!
部屋の中に閉じこもり、ガスを外に出さないようにするマクガイバー。ハサミで自分を刺した時にはびっくり!!
アドレナリンを分泌させ、ガスの効果を遅らせるためでしたが、あんなに大量のVXガスを浴びていたのに生きているのがすごいですね。 しかも、CD-ROMをファンにして、VXガスを導いて焼却処理!
解毒剤にはアドレナリンやアトロピンなどを使うそうです。本当によく助かりましたね…。死んでいてもおかしくないはず!!
ボーザーには死んだ弟がいた
ボーザーは秘密活動訓練校で尋問の訓練。24時間、眠ることも食べることも許されない過酷な訓練!
剥がれ落ちないとフライパンのテレビショッピングみたいになるボーザーでしたが、ボーザーの悲しい過去が明らかに。ボーザーにはジョシュという弟が。 父親の銃で遊んでいた時に、転んでしまい亡くなったのでした。
尋問の訓練とはいえ、過去の傷をえぐるようなこともされるなんて、本物の尋問さながら…。通報した音声まで聞かせられることに。 尋問する側のリアーナもつらそうでしたね。それでも、合言葉を漏らさなかったボーザー!
24時間、 眠ることも食べることも許されないだけで、つらいのに、無事に耐えきったのはさすがですね。 それでも、去ろうとするボーザーを「私のために残って」と引き止めるリアーナ。 この先も、過酷な訓練が待ち受けているのでしょうか…。いつも陽気なボーザーにも意外な一面がありました。
エルウッドは命を狙われている!?
ライリーに実の父親が戻ってきたことを告げられたジャックは、首を突っ込むなと釘を刺されたのに、さっそくエルウッドのもとへ。 早い…。「ジャック・ダルトンモード イコール キレる」ことになっているのも納得。
ジャックの大好きなゲームセンターは シーズン2第2話「マッスルカー+クリップ」でも登場しましたね。
エルウッドと対面したジャックは意外にも、昔、ボコられたことで目が覚めたと感謝されることに。 ライリーにアルバムを渡したり、夕食を楽しんだりと更生したように見えるエルウッド。しかし、命を狙われている模様!
何かやらかして、悪い仲間に命を狙われて、逃げているのでしょうか? しかも、銃を向けてきた相手はジャックの名前を知っていました。 何者!?
「跳ねるロバは死んでも跳ねる」というジャック。「跳ね馬は死ぬまで跳ねる」とは、悪い癖は治らないという意味があるそう。エルウッドが更生したと信じるのはまだ早そうですね。
英語には「leopards don't change their spots」(ヒョウは体の斑点を変えることはできない)や「tigers don't change their stripes」(トラは縞模様を変えることはできない)ということわざがあるそうで、ジャックはわざとごっちゃにして「leopards don't change their stripes」(ヒョウは縞模様を変えることはできない)と言っています。
「ヒョウは体の斑点を変えることはできない」や「トラは縞模様を変えることはできない」ということわざは「本質は変わらない」という意味で、日本語では「三つ子の魂百まで」と訳されることが多いそう。 本質が変わらないことを、トラやヒョウの模様が変えられないことにたとえるなんておもしろいですね。
隠されていたフィルムにはマティの姿が
燃えた小屋の床下に隠された映画フィルムを発見したマクガイバー。一歩一歩、父親に近づいているようですね。
フィルムを再生する映写機まで手作り! 電動ドリルを使っているのが斬新ですね。
フィルムには子どもの頃のマクガイバーと父親がロケットを作る姿が。 そこに映りこんでいたのはなんとマティ! マティがこのフィルムを撮影したことが判明。
小屋を焼き払ったのは、フィルムに消したい秘密があるからだと推理していたマクガイバーとジャック。 まさか、小屋を焼いたのはマティなのでしょうか? しかし、証拠のフィルムは熱で溶けてしまいました…。
意外な人物がマクガイバーの父親に関わっているようですね。 父親にたどり着ける日も近い!?
登場人物・キャスト
『MACGYVER/マクガイバー』シーズン2 登場人物・キャストの紹介はこちら≫
ドラマの中で流れた曲
- Father, Son - PETER GABRIEL
気になったセリフをPick Up
「俺も人生というテーマパークで場数を踏んできた。まあ未知のアトラクションもあるが、この展開はまさかだった。お前がこの店に呼び出すとはな」
"I've seen a lot of things in my lifetime Except for Dollyworld, I still want to see that But never thought I'd actually see the day when you invited me to Pizza Paradise."ライリーにゲームセンターに呼び出されたジャックのセリフ。実の父親エルウッドのことを打ち明けるライリー。エルウッドには厄介事がありそうですね。
今回のマクガイバーの主なDIY
- 鉛筆で押す総当たりのパスワード破り機を作る。
- 近づいて、ケータイでキーの情報を抜き取り、車を盗む。
- ニトロセルロースや塩化カリウム、木炭を混ぜて催涙ガスに。
- ハサミで自分を刺し、アドレナリンを分泌させることでVXガスの影響を遅らせる。
- CD-ROMに切れ込みを入れてファンにし換気扇に、アルミホイルですき間を埋め、VXガスを下水ガス管へ。VXガスを焼却処理する。
- 段ボール箱や懐中電灯、鉛筆、洗濯ばさみ、電動ドリルなどで映写機を作る。
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