『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case13「愛のコーダ」(愛の終止符)のあらすじと感想・曲 ネタバレ注意!

※ネタバレしています。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
Case13「愛のコーダ」(愛の終止符)"Coda"のあらすじ

大物のギャング ハリー・ローズが亡くなり、警察は跡目争いが勃発することを警戒。クリソルド・ファッションズの社長が殺され、銀行で受け取った給与が奪われる強盗事件が発生。給与強盗はギャングの跡目争いの始まりかと思われるが、殺されたクリソルド社長のノートは消えていた。

そんな中、モースは大学時代の恩師フェリックス・ロリマーと再会。別居中の妻ニーナが付き合うポール・マーロックについて調べてほしいと頼まれる。 ニーナによると、昔、ニーナが出演したポルノ映画を破棄しろとロリマーはクリソルドを脅したが、逆にポルノ映画の顧客リストのノートに名前を乗せると脅されていたという。ニーナはロリマーがクリソルドを殺したのではないかとモースに告げる。 しかし、ロリマーにはアリバイが。

モースはクリソルドがノートを銀行の貸金庫に預けたと推理。モースはニーナと共に銀行にノートを受け取りにいくが、そこに銀行強盗が。 マシューズ兄弟たちがハリー・ローズの後釜を狙って計画していたのは銀行強盗。すぐに匿名で通報がされ、銀行は包囲される。 クリソルド殺しは、ギャングとは無関係だった。 モースや銀行で働くジョアンたちも人質に。 モースは危機的状況に陥りながらも、クリソルドのノートに書かれた暗号を解読する。

暴力を振るったことで、停職中のサーズデイ警部補も銀行に駆けつける。銀行員のロニーはモースが警官だとばらし、裏切りが嫌いなギャングに殺されてしまう。 ギャングの銀行強盗は二手に分かれて逃走。

コールとピーターのマシューズ兄弟はモースとジョアンを人質にとって逃げるが、サーズデイとストレンジが追い詰める。 モースは銃を向けられたジョアンを助けるため、コールの銃は弾切れだとハッタリを言い、自分を撃たせようとする。 その隙にサーズデイ警部補がコールの腕を撃つ。挑発されたサーズデイはとどめを刺そうとするが、なんとか押しとどまるのだった。

クリソルドを殺したのはポール・マーロック。ロリマー夫妻は実は愛し合っており、ロリマーがギャンブルで作った借金をクリソルドに返済することができず、殺害計画を立てたのだった。

クリソルドのノートには負債が書かれており、ポルノ映画は無関係。モースはノートを手に入れるために利用されていたのだった。 モースはジョアンへの気持ちに気付くが、ジョアンは銀行強盗にショックを受け、家を出ていってしまうのだった。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case12「禁断の森」(森の怪物)前回のあらすじと感想はこちら≫

Case13「愛のコーダ」(愛の終止符)の感想

すっかり利用されてしまったモース。女性に弱いところを突かれてしまいましたね。最後には悲しい別れが…。

今回の主な事件関係者
  • クリソルド クリソルド ファッションズの社長。給与を奪われ、殺される。
  • フォーダイス ウェセックス銀行の支店長。ロリマーに金を渡し、息子を首席で大学に入学させる。
  • コール・マシューズ ギャングで、死んだ大物ギャングハリー・ローズの後釜を狙い、銀行強盗に入る。ビンゴホールを経営。
  • ピーター・マシューズ コールの弟。銀行強盗に入る。妻シーラは手下のラリー・ネルソンと親密。ビンゴホールを経営。
  • トミー・トンプソン 銀行強盗に入る。
  • ケニー・ストーン 銀行強盗の運転手。警官を撃つ。
  • バーニー・ウォーターズ 賭け屋。サーズデイが暴力を振るい停職に。
  • フェリックス・ロリマー モースの母校ロンズデール・カレッジの教師。ギャンブルでクリソルドに多額の借金をしていた。
  • ニーナ ロリマーの妻。モースを利用し、クリソルドのノートを手に入れる。
  • ポール・マーロック クリソルド殺害の実行犯。ビンゴホールのコーラーで女ったらしのペテン師。
  • ジェローム モースの大学時代の友人で、今は大学教師。銀行強盗で人質に。
  • ロニー 銀行員でジョアンの同僚。銀行強盗に殺される。

モースは巡査部長に

巡査部長への昇任試験を受けるモース。早々に問題を解き終わり、新聞のクロスワードパズルを始めたのにはびっくり。余裕ですね。 見事、合格し、巡査部長になったものの、カウリー署には2人も巡査部長はいらないという話が…。まさか、異動になってしまうのでしょうか。

ブライト警視正は「テムズ・バレーの新警察」に化石はいらないとサーズデイ警部補に言っていましたが、新しく編成されれば、モースも異動にならずに済む!?

今回、葬儀が行われていたハリー・ローズはCase10「光と影の奇想曲」(表と裏のバラッド)でビクスビーのパトロンとしても登場。 かなりの大物ギャングだったんですね。

ハリー・ローズが死んだことで後釜を狙うギャングの兄弟コールとピーター・マシューズ。 サーズデイ警部補とは因縁の仲の模様。

情報を聞き出すために、暴力も振るうサーズデイ警部補。苦情処理部まで登場し、停職処分にまでなってしまいました。モースは不利な証言をしてしまったようですね。真面目過ぎるモース…。

ギャング相手には手荒な真似も必要だというサーズデイ警部補とストレンジ。頭脳派のモースにはどうしても受け入れられないということで、溝ができてしまいました。 サーズデイ警部補がストレンジと組むようになって、どんどんモースから離れていくのが、さみしいですね。

サーズデイ警部補が暴力的になってしまったのも、撃たれた肺のせいで余命3週間と宣告されていたからのよう。 ひどいせきこみで銃弾の破片が出てきたということは、もう大丈夫ということ!?

それにしても、サーズデイ警部補に「暴力を振るったのは八つ当たりじゃないですか」と直接、指摘するモースは率直すぎるというか、モースらしいというか。

美女にだまされるモース

ギャング抗争の始まりかと思われたクリソルドの給与強盗は、ギャングとは関係なし。 借金を踏み倒すため殺されたクリソルド。 犯人はロリマー夫妻で、実行したのはビンゴホールのポールという胡散臭い男でした。

イギリスのビンゴは日本でよく知られているアメリカ式のビンゴとはちょっと違うようですね。数字を呼ぶときも聞き間違えないように、特殊なコールがあるようです。

ハウジー - Wikipedia

ハウジーでは、5×5の25マス(中央はフリーゾーン)のカードにあらかじめ数字が書かれているアメリカ式ビンゴと異なり縦3マス×横9マスの合計27マスのカードを使用する。各列は5マスに数字が書かれており、4マスは空欄となっている。縦のマスは左から1〜9、10〜19、20〜29......80〜90の数字が書かれており、縦のマスには最低1つ数字を埋めなければならないことになっている。

女ったらしでペテン師のポールは銀行の情報を聞き出すため、ジョアンにも近づいていました。

美女に弱いモースは「歩く天使」ことロリマーの妻ニーナにまんまとだまされることに。 ブルー・フィルム(ポルノ映画)の話でモースを計画に引きずり込んだニーナ。ポルノ映画をブルー・フィルムと呼ぶのが意外。わいせつなシーンにブルーのラインを入れていたことからブルー・フィルムと言われるようになったそう。そこから、blueには「みだらな」という意味も加わるようになったそうです。

ニーナのアリバイは確認していなかったモース。弱点を見事に突かれてしまいましたね。 ノートも奪われますが、モースが破り取っていたおかげで無事に逮捕。 暗号で記されていたノートを銀行強盗中に解読してしまうのがすごいですね。

クリソルドが持っていた閉店した中華のメニューの26番目Chicken Meats and Sweetcorn soupから暗号を解く手がかりを見つけたモース。アルファベットの26番目はZということで、26=Z=C。このルールで行くと1=D、2=E。 解読するとノートには馬の名前が書かれていたのでした。 銀行強盗中にもかかわらず、事件の手がかりを見つけ、クリソルド殺しを解決していくモース!

入試委員会の議長になったロリマーが金をもらって、銀行の支店長の息子を首席で入れたことも突き止めるのでした。

ロリマー先生に再会し、研究室を訪れたモースが口にした「実力がバレるようで怖い」というモースが意外。有能なモースでもそんな感情を持つんですね。 「ナーバスでシャイ」なままのモースは、学業に戻る気は全くないと「人類に対する希望と同じレベルでないですね」ときっぱり否定。 強烈なセリフ…。

逮捕されても、熱烈なキスを交わすロリマー夫妻。 「愛だよ、モース。究極の愛だ」というロリマーにはドン引き…。あっけにとられてしまいました。

銀行強盗で人質に

ハリー・ローズの後釜を狙うマシューズ兄弟のデカい計画は銀行強盗。 逃走用の車を運転していたケニーが警官を撃ったことと匿名の通報で銀行強盗の計画は失敗…。

一緒にパトロールしていた警官が撃たれ、ショックを受けるトルーラブ。落ち着かせるためにタバコを吸わせるというのが時代を感じますね。タバコの隠し方まで教えてあげるサーズデイ警部補。立ち直ったトルーラブは、その後、見事にバスで逃げようとする銀行強盗犯トミーを確保!

銀行員のロニーは取引をして、みんなを助けようとしたことが裏目に出て、犯人に撃ち殺されることに。モースが警官だと知っていた強盗犯たち。裏切りを嫌うギャングに、ロニーのようなビジネスライクな考えは通用しなかったのでした…。

とっさにジョアン・ストレンジだとごまかしたもののジョアンがサーズデイ警部補の娘だとバレ、殺されそうになるモース。緊張が走るシーンにドキドキ…。 なんとかサーズデイ警部補の電話で助かりましたが、「雑巾みてえな野郎」と言われてしまうモース…。

モースとジョアンを人質に、マシューズ兄弟は壁に開けた穴から、逃亡。ついにサーズデイ警部補とギャング コール・マシューズとの対決が。挑発され、コールにとどめを刺そうとしていたサーズデイ警部補も一線を越えることなく、無事で一安心。

停職中のサーズデイ警部補にあのブレナム・ベイル事件の銃を渡すブライト警視正。 あの銃はサーズデイ警部補を撃った銃なのでしょうか…。

ジョアンを助けようと弾切れだとハッタリを言ったモース。溝ができていたサーズデイ警部補とも、娘を助けたことで元に戻れたようでよかったですね。

銀行強盗を通報したのは、パシリだと思われていたラリー・ネルソン。ピーター・マシューズの妻シーラと親密なラリーは、ピーターを逮捕させ、シーラと一緒になろうと計画していたのでした。 ギャングも男女関係でドロドロしてる…。

ジョアンへの気持ちに気付くモース

残高以上の小切手を振り出した過振りが発生したと銀行に呼び出され、お説教されてしまうモース。 どうやら、継母への仕送りや亡くなった父親の賭博の借金の返済に追われているようですね。それを浪費していると思われ、怒られてしまうモースが気の毒…。

同僚が殺されたことで落ち込むジョアンは家を出ていくことに。 息子のサムも軍に入隊し、すっかり寂しくなったサーズデイ家。

ジョアンへの気持ちに気付いたモースでしたが、時すでに遅し…。 大事な存在だと気づいた途端に行ってしまう、せつない終わり方でしたね。 モテるモースですが、女性との真剣な付き合いには恵まれないようです…。

今回のシーズン3は、前と違って続きが気になる終わり方ではなくて一安心。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』は、イギリスでは2017年にシーズン4が放送され、2018年にはシーズン5が放送。 シーズン6の製作も決定しています。

巡査部長となった次なるモースの活躍も楽しみですね。

Case13「愛のコーダ」(愛の終止符)で流れた曲

  • Morceaux de fantaisie, Op. 3: Prelude in C sharp minor - ラフマニノフの有名なピアノ曲
  • Silence Is Golden - THE TREMELOES
  • String Quartet in G Minor - ドビュッシー

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』の登場人物・キャストについてはこちらへ>>

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