- 『マンハント:デッドリーゲーム』第2話「ユナバーバ」
- Manhunt:Deadly Games Episode2 "Unabubba"
※ネタバレしています。
『マンハント:デッドリーゲーム』第2話「ユナバーバ」のあらすじ
ヒーロー願望型という爆破犯のプロファイルがリチャードに合致し、犯人を早く捕まえたいと焦り、リチャードを犯人をにしたい市長に対して、FBI長官はマスコミへのリークを黙認。
AJC紙(アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション紙)の記者キャシー・スクラッグスはリチャード・ジュエルがFBIの容疑者だと知り、取材を開始。 キャシーは裏取りをしようとするが、編集長はスクープだとすぐに号外を出す。
FBIのブレナンとノックスは、研修ビデオの撮影だとリチャードを違法に聴取。 だまして、ミランダ警告の権利放棄書にサインさせ、供述を裁判でも使えるように画策する。
リチャードはキャシーの記事によって英雄から一転して容疑者として扱われ、マスコミに取り囲まれる。
FBIはリチャードの家を家宅捜索し、声紋の採取だとだまして「オリンピック公園に爆弾を仕掛けた」という自白をリチャードに言わせようとする。 そこにリチャードの知り合いの弁護士のワトソン・ブライアントがやってきて、FBIのブレナンとノックスの違法行為をやめさせる。
リチャードの部屋から押収されたのはユーモアグッズの爆発しない手榴弾だったが、FBIのブレナンは爆発物を発見したと発表。 太った南部の田舎者のリチャードは「ユナバーバ」とあだ名され、犯人だと決めつけられていく。
そんな中、ATFのベテラン捜査官エンブリーと相棒のハリウェルは、爆弾の再現をし、真実を突き止めようと捜査していた。
自作自演の英雄は小さい爆弾を使うはずだが、オリンピック公園の爆弾は巨大な指向性爆弾で、リチャードが立っていた位置は爆弾に近すぎ、危険だったことが判明する。 エンブリーはFBIにそのことを知らせようとするが、FBIは話を聞こうともしなかった。
5か月後、オフィスビルが爆発、さらにその近くでも爆発が起こるのだった。
『マンハント:デッドリーゲーム』の評価は? 登場人物やキャスト・第1話のあらすじと感想はこちら≫『マンハント:デッドリーゲーム』第2話「ユナバーバ」の感想
リチャードをだますFBI
オリンピック公園を爆破したのはヒーロー願望型だという行動分析課(BAU)のプロファイルはリチャードに一致。 でも、このプロファイルもリチャードが犯人だと決めつけたいFBIの先入観が入っていたのではないかと疑いたくなりますね。
リチャードは不幸なことに、ATFの講習を受け、爆発物の作り方も知っていたため、疑いは深まることに…。 1984年のロスオリンピックのとき、警官が爆弾を仕掛けて解除し、自作自演で英雄になろうとした事件もあり、今回も同じようにヒーロー願望型の爆破犯だと断定。
その予断と、犯人を早く逮捕したいという焦りで、FBIは違法捜査に手を出し、無実のリチャードを犯人に仕立て上げていくのが、おそろしいですね。
FBIのブレナンはFBI長官の期待に応えようと、リチャードをだまし、違法な聴取を開始。 リチャードは法執行官にあこがれをもち、期待に応えようとするといっていましたが、ブレナンもFBI長官の期待に応えようと、断ることができないのでした。
ブレナンの父親は元警官。批判的な父親で、何をやっても褒めてもらえないにもかかわらず、父親の期待に応えようとしてきたようです。 ノックスには「いい子症候群」だと言われていたブレナン。
ブレナンとノックスはリチャードをだまし、ミランダ警告の権利放棄書にサインまでさせるという横暴な手段まで。
ミランダ警告とは、逮捕するときなどに読み上げる権利の告知のこと。アメリカのドラマではよく容疑者が逮捕されるときに、「あなたには黙秘権があり、供述は不利な証拠として用いられることがあり、弁護士をつける権利がある」と言っていますが、これがミランダ警告。
ミランダ警告を読んでいないと、自白しても証拠として用いることができないそうです。
ミランダ警告(ミランダけいこく、英語: Miranda Admonition)とは、アメリカ合衆国において、アメリカ合衆国憲法修正第5条の自己負罪拒否特権に基づいて米国連邦最高裁が確立した法手続きの一つで、後述する4項目の告知が被疑者に対してされていない状態での供述は、公判で証拠として用いる事が出来ないとする原則である。
FBIのやり方があくどすぎて、ヤバいですね。
家宅捜索で部屋の中をめちゃくちゃにされ、リチャードの母親は意気消沈。 母親までリチャードのことを疑い始めるようになってしまいました。
確かに何もしていないのに、マスコミに囲まれ、FBIに家宅捜索されるとは思いもよらないはず。ニュースや新聞を見た人なら、誰だってリチャードが犯人だと思ってしまいますね。
弁護士が来なかったら、自白まで強要される危ういところまで追い込まれていたリチャード。
FBIのブレナンとノックスをスーツを着たいじめっ子だと弁護士は非難していましたが、あきれるほど横暴で、権力を振りかざして、人の話をろくに聞きもしないのが最悪…。
おもちゃの手榴弾をさも爆発物を発見したかのように発表するFBI。こんなことをされたら、たとえ無実の人でもいくらでも犯人にできてしまう。
記者のキャシーはリチャードが犯人だとスクープし、有名に。そのキャシーもリチャードが冤罪だと判明したら、リチャードのように一転して非難されることになるかと思うとおそろしいですね…。
次の爆発が発生
一方、ATFのベテラン捜査官エンブリーは真実を追い、相棒のジョー・ハリウェルと独自に捜査を。 FBIは爆弾の専門家に捜査を任せるべきだったのに、管轄やらでATFを締め出し、冤罪事件を生む結果に…。
リチャードが英雄から一転して、爆破犯だと糾弾されることになったのには、南部の田舎者(バーバ)だと見下す偏見も重なったようです。 リチャードがバカにされていたのも、南部の田舎者(バーバ)だったから。こんなところにも差別意識が隠れていたとは、アメリカの闇ですね。
エンブリーは爆弾の再現で、リチャードが犯人ではないと確信。 しかし、筋書きにあうものしか見えなくなっているFBIは、ATFの情報には耳を貸さないのでした。
埋まっていた金属板にはクレイモア地雷のように爆風とくぎを観客の方へに集中させる役目が。 クレイモア地雷は指向性の対人地雷。
M18 クレイモア地雷(M18 Claymore)は、アメリカ軍の使用する指向性対人地雷の1つである。
観客の方に爆発が集中するようにしたなんて、極悪…。
5か月後、オリンピック公園を爆破したのと同じ犯人が中絶専門クリニックが入るオフィスビルを爆破したようです。 エンブリーが駆けつけたところ、次の爆発が発生。
真犯人が野放しのせいで、次なる爆発が発生してしまいました。 最初の爆発でけが人がいないのはさいわいでしたが、オリンピック公園に仕掛けられていた爆弾は大勢の人を殺そうと計画されていたもの。 爆破でまた大勢を殺そうとしていたのでしょうか?
爆発に巻き込まれてしまったエンブリーが心配ですね。
ドラマの中で流れた曲
- One More Night - DWIGHT YOAKAM
- Kick It Up - JOHN MICHAEL MONTGOMERY
- Sleepy Jim - JAMES HOMES, ROBERT HOMES