- 『S.W.A.T.』シーズン3 第4話「免責」
- S.W.A.T. Season3 Episode4 "IMMUNITY"
※ネタバレしています。
『S.W.A.T.』シーズン3 第4話「免責」のあらすじ
非番の日、ディーコンが家族と花市場で買い物をしていると突然、バイク3台が乱入。銃を乱射し、4人が死亡する。 ディーコンは犯人の1人 コロンビア人のイエーリー・チャラを取り押さえる。
イエーリー・チャラはテロ組織コロンビア革命軍FARCの元メンバーだった。ディーコンはコロンビア革命軍FARCのリーダーだったエミリアノ・ムリド将軍を花市場で目撃。 ムリドは花の空輸を隠れ蓑にコカインを密輸しており、警察に話そうとした従業員を始末するため花市場での銃撃を部下に命令していた。
ホンドーたちはムリドを連行するが、CIAのデブローはムリドを釈放しろと指示。ムリドはアメリカの敵国であるベネズエラの情報を流す情報源だった。免責とウイルス性疾患の治療費と引き換えにムリドはアメリカに情報を流していた。
ヒックスはロサンゼルスへのコカインの密輸を止めるため、ムリドがコカイン密輸に利用している花の倉庫をスワットに制圧させる。 ムリドはその仕返しとして、ディーコンの家を銃撃させる。ディーコンも家族もなんとか無事だったが、家族まで狙われたディーコンは怒りを覚える。
それでも、CIAはムリドを守ろうとするが、リンチはマスコミにCIAが南米の麻薬王と手を組んでることを漏らすと脅し、ムリドのコカイン密輸に手を貸す税関職員ハワード・マクレディを引き渡させる。 ムリドの積み荷が届いたところにスワットが突入。バイクに乗ったムリドの部下の銃撃犯を2人確保。現場にいたムリドも連行される。
ムリドの部下2人はムリドの命令で花市場とディーコンの家を銃撃したと認め、ムリドは国務省により入国拒否の対象となる。 ムリドはコロンビアでCIAに情報は流せるが、アメリカには入国できなくなるのだった。
タンは同棲している恋人のボニーが置きっぱなしにしていたマリファナ入りのグミをうっかり食べてしまい、監察部に報告。厳しい調査が行われ、2人の中はギクシャクしてしまう。
調査の結果、マリファナ入りのグミには微量のマリファナしか入っていなかったことが判明し、きちんと報告もしたタンは潔白という結果が。 タンとボニーはディーコンとアニーの関係のようになりたいと仲直りする。
ホンドーはダリルから父親ダニエルが血を吐いていると聞き、追及。ダニエルは管や機械につながれて死にたくないと病院へ行くのを拒む。しかし、ホンドーはほっとけと言われても助けると約束するのだった。
『S.W.A.T.』シーズン3 第3話「偽札」前回のあらすじと感想はこちら≫『S.W.A.T.』シーズン3 第4話「免責」の感想
CIAが犯人を守っていた
花市場で突然、銃撃が。ディーコンと家族が穏やかに過ごしている状況は一変。いくら仕事で悪党を相手にしているとはいえ、家族が事件に巻き込まれるのは恐ろしいですね。
家族を守り、犯人の1人を取り押さえたディーコン。子どもたちが無事で一安心。 ディーコンが捕らえた犯人の1人はコロンビア人でコロンビア革命軍FARCの一員だった男でした。
コロンビア革命軍は実際にあったテロ組織で、2016年に政府と和平合意し、内戦が終了。 コロンビアのサントス大統領はこの左翼ゲリラのコロンビア革命軍と交渉を重ね、和平合意に成功し、50年以上に及ぶコロンビア内戦は終結。サントス大統領はこの功績で、2016年にノーベル平和賞を受賞しています。
コロンビア革命軍
コロンビア革命軍(コロンビアかくめいぐん、 スペイン語: )は、 コロンビアでかつて武装闘争を展開していた反政府 左翼 ゲリラである。スペイン語の正式名称から通称は FARC。かつては 中南米最大の 反政府武装組織であり、活動地域はコロンビア国内のみならず、 ベネズエラ、 パナマ、 ペルー、 ブラジル、 エクアドルなどの周辺国へも広がっていた。 農民主体のゲリラであるにもかかわらず、幹部には インテリも含まれ、組織の ホームページを運用(現在は閉鎖中)して情報収集活動も行っていた。政府と 内戦終結で合意して武装解除し、 2017年以降はFARCという略称はそのままで合法 政党 として活動している(後述)。
ドラマではコロンビア革命軍の将軍エミリアノ・ムリドがアメリカでコカイン密輸を続けていたことが発覚。 家族を殺すと脅して、従業員に密輸を手伝わせるというあくどい方法で働かせ、警察にチクろうとする従業員を銃撃して殺すというとんでもない悪党のムリド。
しかも、悪党のムリドはCIAに守られていることが判明。アメリカにコカインを密輸し、人殺しまでするムリドを野放しにしているとは…。いくらアメリカの敵国であるベネズエラの情報を流す情報源とはいえ、ムリドのやりたい放題を見逃すとは、あきれるばかりですね。
免責とウイルス性疾患の治療費までムリドに保証していたCIA。 それでも、スワットはコカインの密輸が行われている花の倉庫へ突入。スワットの装甲車で突入したシーンは迫力がありましたね。
大量のコカインが押収され、その仕返しにムリドはディーコンの家を銃撃。 家族も狙う卑怯なムリド。子どもたちが無事でよかったですが、2度も銃撃に巻き込まれるなんて…。 そんな危機的なことが起こった時、スワットのメンバーが家族のように集まるのがすてきですね。
税関職員に捜査に協力させ、ついにムリドのコカイン密輸を阻止。 ムリドを逮捕することはできませんでしたが、アメリカ入国はできなくなり、コカインの密輸ルートも壊滅させることができたようです。
CIAもコロンビアに強制送還されるムリドからこれまで通りベネズエラの情報を聞き出せそうで、損はなし。 上手く収まりましたね。
リンチはこうなることをすべて推測していたようです。ケースバイケースで敵にも味方にもなるというリンチ。 味方になれば心強いですが、敵になれば手強そう。
ちなみに、リンチが言っていたイラン・コントラ事件とは1986年にレーガン政権下で発覚した国際的スキャンダルのこと。 アメリカは武器輸出を禁止したイランに武器を密売。CIAはその利益をニカラグアの反政府ゲリラ組織コントラに資金提供していたという事件です。
イラン・コントラ事件
イラン・コントラ事件(イラン・コントラじけん、 Iran-Contra Affair)は、 アメリカ合衆国の ロナルド・レーガン 政権が、レバノンでシーア派テロリスト集団に捕らえられているアメリカ人の解放を目的として イランと裏取引をした上に、アメリカ国家安全保障会議から同国へ 武器を売却し、さらにその代金を ニカラグアの 反共右派 ゲリラ「 コントラ」の援助に流用していた事件。 1986年 に発覚するや、アメリカ国内のみならず世界を巻き込む政治的スキャンダルに発展した。
トム・クルーズ主演の映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』ではイラン・コントラ事件が背景になっているそう。
タンと恋人のボニー
タンはうっかりマリファナ入りのグミを食べてしまい、恋人のボニーとの関係がギクシャク。 マリファナ入りのグミが合法的に売られているのは、さすがアメリカ…。でも、お菓子に入っていると子どももうっかり食べてしまいそうで心配になりますね。
監察部に厳しく追及されることになり、タンとボニーは別れてしまうのかと心配に。しかし、アニーやディーコンの助言もあり、タンとボニーは今までより絆が深まったようでよかったですね。
本人だけではなく、家族や恋人にも影響するスワットの仕事はやはり大変。
マリファナ入りのグミは粗悪品で結局、マリファナの成分は微量しか入っていなかったことが判明。今回は粗悪品であったことが、かえってよかったですね。
ベーグルのケシの実もアヘンの反応が出るからと、ディーコンが食べないようにしているというアニー。 まさか、ケシの実でアヘンの反応がでてしまうとは!
ケシの実はポピーシードとも呼ばれ、日本ではよくアンパンの上にのせられていますね。
食用のケシの実はアヘン成分が含まれていないか、ごく微量な品種で、加熱処理されており、完全に熟した実からはアヘンが出ることはないそうですが、熟すのが足りないとアヘンを含んでしまうことがまれにあるそう。
ニュージーランドやアメリカでは実際にポピーシード入りのパンを朝食に食べた男性の尿検査で陽性反応が出てしまった件もあるそうです。 まさか食用のケシの実を食べて、薬物検査で陽性になってしまうこともあるなんて、驚きですね。
ケシ
日本語のケシは 英語の poppyと同義とされる[要検証 ]が、英語では単に poppy といえば イギリス各地に自生しており、園芸種としても盛んに栽培されている Corn poppy を指す。一方日本語で単にケシといった場合、それが種指定をも包含している場合はもっぱら本種を指す。英語では本種を Opium poppy と呼び poppy とは明確に区別している。
血を吐くダニエル
ホンドーはついにダニエルが血を吐いていることを知ることに。ダニエルは本当に頑固ですね。 病院へ行くことすら拒絶していましたが、ホンドーはダニエルの頑固さに負けず、助けると約束。
咳き込みがひどく、血まで吐いているダニエル。 手遅れになっていないといいですね。