『主任警部モース』シーズン1 第2話「ニコラス・クインの静かな世界」のあらすじと感想・曲 ネタバレ注意!

海外ドラマ『主任警部モース』
  • 『主任警部モース』シーズン1 第2話「ニコラス・クインの静かな世界」
  • Inspector Morse Season1 Episode2 "The Silent World of Nicholas Quinn"

※ネタバレしています。

『主任警部モース』シーズン1 第2話「ニコラス・クインの静かな世界」のあらすじ

オックスフォードの海外学力検定委員会の委員ニコラス・クインが自宅で死んでいるのが発見される。 クインはシェリー酒に入った青酸カリで中毒死していた。モースは殺人だと断定し、海外学力検定委員会を調査する。

3か月前から海外学力検定委員会で勤務し始めたクインは、難聴で補聴器を利用していた。 パーティーのとき、クインは読唇術で事務局長のドクター・バートレットと委員のループが、中東アルジャマラのシークに試験問題を売っていることを知る。 クインはそのことを事務局長代理のオグルビーに訴えていた。

金曜の正午、非常ベルが鳴らされ、火災訓練が行われるが、難聴のクインには非常ベルは聞こえず、そのときに青酸カリを飲まされて殺されていた。

最初、モースはループがクインを殺した犯人だと推理するが、ループにはロンドンにいたというアリバイがあった。 次に、モースは事務局長のバートレットがクインを殺し、その後、ループがクインになりすまし、クインの死体を自宅まで運んだと考える。

しかし、バートレットはクインを殺していなかった。 クインに青酸カリ入りのシェリー酒を飲ませたのは、委員のドナルド・マーティンだった。 シークに試験内容を売っていたのは、ドクター・バートレット(Dr Bartlett)ではなく、ドナルド・マーティン(Donald Martin)だった。 読唇術では、BとMは読みにくく、クインは勘違いしていた。

ドナルド・マーティンは、試験問題を売っていることを疑うクインに青酸カリを飲ませて殺害。 クインの死体を、クインの車の荷台に乗せると、クインがまだ生きているように見せるため、火災訓練の名簿のクインの名前を消していた。

そして、金曜の午後、マーティンは不倫相手のモニカと映画館へ行き、映画の半券を手に入れていた。 クインが金曜の午後も生きているように見せるため、共犯者のループに映画の半券と、クインの車の鍵をバートレットのデスクの上に置き、渡していた。

クインからバートレットが試験問題を売っていると聞いたオグルビーは、疑惑を確かめるため、バートレットのオフィスに侵入。 オグルビーはそこで、映画の半券を見つけ、手帳に写していた。その後、ループが来ると、半券と鍵がなくなっていたことから、オグルビーはクイン殺害の真相に近づこうとしていた。

真相に近づきすぎたオグルビーは、マーティンに火かき棒で殴られて殺されてしまったのだった。 マーティンが犯人だと気付いたモースは、マーティンと格闘になるが、ルイスと共に何とか逮捕する。

モースはモニカたちが見た映画『ラストタンゴ・イン・パリ』を見ようとするが、映画館では『101匹わんちゃん』の上映に変わっていて、モースはがっかりする。 がっかりしたモースは映画館の隣のパブへ入っていくのだった。

『主任警部モース』の評価は? 『主任警部モース』シーズン1 第1話「ジェリコ街の女」のあらすじと感想・曲  前回のあらすじと感想はこちら≫

『主任警部モース』シーズン1 第2話「ニコラス・クインの静かな世界」の感想

犯人はマーティンとループの2人だった

最後まで犯人がわからない事件でしたね。 最初、自宅で殺されたかと思われたクインでしたが、生きていると見せかけるために、様々な仕掛けがされていました。

クインが殺されたのは、試験問題を売っていることを知ってしまったため。難聴のクインは読唇術を使って、アルジャマラのシークに試験問題を売っていることを知ってしまったのでした。 アルジャマラというのは、架空の国のようです。

クインはドクター・バートレットだと思っていましたが、唇の動きがよく似たドナルド・マーティンが犯人だったとは意外でしたね。 それでも、唇の動きだけで何を話しているのか大体分かるのがすごい。集中力が要りそうですね。

読唇術の授業は、静かで静粛な雰囲気でした。

気の弱そうなドナルド・マーティンが、クインを毒殺し、オグルビーの頭までかち割っていたというのが怖いですね。 人は見かけによらない…。

火災訓練のとき、車に積み込まれていた麻袋にはクインの死体が入っていたと思うとゾッとしますね。 火災訓練のとき、ドナルド・マーティンが出てくるのが遅かったのは、死体を積んでいたからでした。

クインを殺したのと、自宅で死んだように偽装工作したのが別人だったことが捜査を混乱させることに。

自宅で死んだように偽装工作したのはループ。 クインが着ていたアノラックを着て、クインの車を運転し、管理人のノークスにクインが生きているように見せることに成功。 アノラックというのは、防寒性に優れたコートのことを言うそうです。

そして、ループはクインになりすまして、スーパーで買い物まで…。車に死体を積んだままで、買い物をするなんて大胆ですね。 しかし、クインが決して買わない有塩バターを買ったことで、偽装工作は破綻。 椅子の位置をかえたことにも、モースは最初に気付いていましたね。 観察力が鋭い。

お酒好きのモース

観察眼の鋭いモースでしたが、直感が弱点だと自分で自覚。「結論に飛びつくことがあるが、いつも間違ってる」と言っていた通り、ループの最初の逮捕は失敗…。

その次も、間違ってバートレットをループの共犯者だと思い、誤認逮捕してしまうのでした…。 それでも、最後は真相にたどり着いたモース。

捜査の最中も、頭にいいもの(ビール)を飲みに行こうとパブへ繰り出したり、容疑者の1人モニカとビールを飲んだりと、ことあるごとにお酒を飲んでいますね。 ビールのことを「麦に炭酸ガスを加えただけの代物」と言った時には、笑ってしまいました。

想像力が増すとランチにはいつも酒を飲むというモース…。さすがに飲みすぎ。

犯人のマーティンに襲われ、ケガをしたときには、監察医のマックスにも飲みすぎで鈍ってると言われてしまう始末…。 健康に気をつけろと言われているようですが、お酒はやめられそうにないですね。

クロスワードパズル製作者「ディーダラス」も殺される

殺されてしまったオグルビーは、クロスワードパズル好きのモースも手こずるクロスワード製作者「ディーダラス」でした。 独身同士のモースとは気が合いそうだったのに、殺されてしまったのが残念ですね。

家で事務仕事を片付けると言いながら、難問のクロスワードパズルに挑むモース。 「ディーダラス」はギリシャ神話で迷宮を作った人物。「ディーダラス」は「ダイダロス」とも呼ばれています。まさに迷宮のような難しいクロスワードパズル製作者にふさわしい名前ですね。

ダイダロス

ダイダロス(古希: Δαίδαλος, Daidalos, ラテン語: Daedalus,「聡明な働き手」の意)は、ギリシア神話に登場する有名な大工、工匠、職人、発明家である。名前は「巧みな工人」を意味する。斧、錘、水準器、神像などを発明したとされる。 ...

オグルビーが毒物の本『グイレスター&リントゥール』の青酸カリのページにマークをつけていたのも、クインの死を調査していたからのようです。 それにしても、毒殺犯のバイブルと呼ばれている『グイレスター&リントゥール』の本が怖い…。

人間の行動はいかなることでも必ず他の出来事とつながって発生する。説明のつかない行動はありえない」というプラハ大学の犯罪学教授ハンス・グロスの言葉。 ハンス・グロスは実在した犯罪学者だそう。

オグルビーは脳腫瘍で余命1年。死ぬ前に正義を果たそうとした結果、マーティンに頭をかち割られて殺されてしまったのでした。 難解なクロスワードパズルを作るのが得意な天才だったオグルビーが脳腫瘍だったのも驚きましたね。

モニカと浮気していたマーティン。不倫だけでも最低ですが、殺人にまで手を染めていたとは…。 モニカもなぜマーティンなんかと浮気したんでしょうね…。

がっかりするモース

モニカとマーティンが見た映画 『ラストタンゴ・イン・パリ』は1972年のイタリア映画で、大胆な性描写が物議を醸した作品だそう。

バートレットが見ようとしたことに罪悪感を感じているようだったのも、そのせいだったようですね。 バートレットは息子のリチャードが精神を病み、精神的な負担を紛らわせたかったようです。

息子のリチャードがファンだというワーグナー。指揮の真似をしていた曲は『ニュルンベルクのマイスタージンガー』というオペラからのものだそう。

モースの法則「死体の第一発見者が殺人犯である確率は50パーセントだ」は、今回の事件では当たっていましたね。 しかし、モースの法則は「ビールをもう一杯と思うといつも時間がない」に変更。

事件が解決し、映画『ラストタンゴ・イン・パリ』を見に出かけるも、映画は『101匹わんちゃん』に。 家族のいるルイスは大喜びでしたが、モースはがっかり…。モースも官能映画を見たかったようです。

今回のヒロイン モニカともうまくいかず、モースは自由気ままな独身生活を謳歌しそう。 がっかりしたモースが、映画館の隣のパブへ直行するのが、お酒好きなモースらしいですね。

『主任警部モース』の登場人物・キャスト

『主任警部モース』の登場人物・キャストの紹介はこちらへ≫

ドラマで流れた曲

  • Der Freischutz (the Marksman) - Carl Maria von Weberand & Friedrich Kind
  • Symphony in D minor - Cesar Franck
  • ニュルンベルクのマイスタージンガー - リヒャルト・ワーグナー
  • Largo from Concerto No. 2 in B-flat major HWV 313 - ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル

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