- 『S.W.A.T.』シーズン2 第16話「プライド」
- S.W.A.T. Season2 Episode16 "PRIDE"
※ネタバレしています。
『S.W.A.T.』シーズン2 第16話「プライド」のあらすじ
LGBTQのパレード「ラブ・オール・LAフェスティバル」の前夜、性的マイノリティに差別的な男がゲイの男性2人をひき逃げ。 ひき逃げ犯は差別をあおるラジオ・ホスト マーク・ストームの熱烈なリスナー「ストーム・チェイサー」の1人だった。
このひき逃げ事件に怒ったマイカはストームのラジオ局を襲撃。ストームたち6人を人質にして立てこもる。マイカはラブ・オール・LAフェスティバルで差別的な行動があれば、人質を1人ずつ殺すと脅迫。マイカは銃を持つ権利の支持団体「LGBTQストレートシューター」の一員だった。
マイカはスワットに制圧され、逮捕されるが、狙撃されて殺されてしまう。 マイカを狙撃したのはひき逃げ犯と同一人物だと判明。
犯人はストームのラジオの常連でデニス・ディープ・ステイト・ダイブと名乗り、仲間と共にラブ・オール・LAフェスティバルの襲撃を計画していた。 ダンプカー3台でラブ・オール・LAフェスティバルに突っ込もうとしていた3人の男たちは、スワットが止める。
ゲイで薬物依存症だった息子J.Pと疎遠だったヒックスは、フェスティバルのボランティアをしている息子と再会。 ぎくしゃくしていた親子は心の内を話し、和解する。
ディーコンはダンプを止めるために車ごとぶつかったせいで、脊椎が圧迫され、手術が必要になってしまう。
生まれたばかりのディーコンの娘ビクトリアは心臓に空いている穴が閉じない動脈管開存症に。手術には1万1000ドルが必要になる。 ディーコンは以前、逮捕したことのある質屋のミッキーから金を借りてしまう。
無事、娘の手術も、自分の脊椎の手術も成功したディーコンだったが、リハビリが必要ですぐにスワットに復帰できないことが判明。 お金のことでディーコンは追い詰められてしまう。
『S.W.A.T.』シーズン2 第15話「腐敗」前回のあらすじと感想はこちら≫『S.W.A.T.』シーズン2 第16話「プライド」の感想
LGBTQが標的に
偏見をあおるラジオのせいで、暴力が次々と連鎖していくのが、おそろしいですね。
「プライド・マンス」とはゲイやレズビアンなどの性的少数者のパレードが数多く行われる6月のことだそう。 1969年6月にアメリカで起こった「ストーンウォールの反乱」を記念して6月になったそう。
ストーンウォールの反乱
ストーンウォールの反乱（ストーンウォールのはんらん）は、 1969年 6月28日、 ニューヨークの ゲイバー「ストーンウォール・イン (Stonewall Inn)」が警察による 踏み込み捜査を受けた際、居合わせた「 同性愛者らが初めて 警官に真っ向から立ち向かって 暴動となった事件」と、これに端を発する一連の「権力による同性愛者らの迫害に立ち向かう 抵抗運動」を指す。
「プライド」は性的少数者のパレードを示す言葉としても使われているそうです。
LGBTQとは、「レズビアン（Lesbian）」「ゲイ（Gay）」「バイセクシュアル（Bisexual）」「トランスジェンダー（Transgender）」 「クエスチョニング（Questioning）」と「クィア（Queer）」の頭文字を取った言葉。 「クエスチョニング（Questioning）」は性自認や性的指向を定めない人を差し、「クィア（Queer）」は性的少数者を指す言葉だそう。
差別をあおるラジオ
偏見をあおるラジオ・ホスト ストームは、「ラブ・オール・LAフェスティバル」を批判。 その結果、熱烈なリスナーがゲイの男性2人をひき殺すことに。
ひき逃げした犯人もひどいですが、ひどい差別的発言をして、リスナーをあおっておきながら、自分は何もしていないと言い切るストームが怖い。 「真の愛国者」と自称し、真実を語り、偽善を糾弾すると主張するストームでしたが、ラジオで語る内容は真実とは程遠いフェイクニュース。
ひき逃げ事件のこともゲイの男性の方が口論をふっかけたとウソばかり…。 良心の呵責を少しも感じずにしゃべっているようなのが、ゾッとしますね。人質になっても減らず口をたたくストームにはうんざり。
ストームの言葉を鵜呑みにするリスナーたち。 ストームの熱心なリスナーは「ストーム・チェイサー」と呼ばれているようです。 どうやらリスナーは誰でもいいから憎しみをぶつける相手を探しているだけ。 自分たちの鬱屈した不満を気に入らないターゲットにぶつけて、怒りを発散させたいだけのようです。
ストームが批判すれば、LGBTQだけでなく移民や黒人にも矛先が向きそう。 憎悪が増幅し、誰かを殺してやりたいほど憎むようになっていくのが恐怖…。
アメリカは同性婚が合法化されているし、LGBTQへの理解が進んでいるイメージでしたが、差別はなくなっていないんですね。
立てこもり事件が発生
ひき逃げ事件に激怒したマイカ・シャーロックはラジオ局に立てこもり。 名探偵シャーロック・ホームズの名前で知られる「シャーロック」は名字にも使われているんですね。
「これ以上蔑まれるのはもう我慢できない」と立てこもり事件を起こしたマイカ。 怒りは理解できますが、暴力を暴力で返そうとするのは間違い…。 差別を受け続けたせいで、LGBTQの人たちの中には銃で自衛しようと考える人も出てきてしまった模様。
マイカは射撃クラブ「LGBTQストレートシューター」の一員。 物騒な団体までできていたなんて、一歩間違えれば、血で血を洗う抗争になりそうでしたね。
差別が苛烈になるほど、差別された方も過激で暴力的手段を取ろうとし、暴力が連鎖し、どんどん泥沼にはまっていきそうなのがおそろしい…。
立てこもったマイカや人質の様子を偵察するため、ドローンが中へ。 手のひらサイズのドローンがかわいい。
スワットが突入し、マイカを逮捕。しかし、そのマイカは狙撃され、殺されてしまうことに。 しかも、マイカを殺したのは、ひき逃げをした犯人と同一人物！
ストームは犯人の声に聞き覚えがあるにもかかわらず、黙っていたことも判明。 自分は一線を越えずに、リスナーをけしかける汚い手を使っていたストームも捜査妨害で逮捕されればいいのに…。
デニス・ディープ・ステイト・ダイブという名前でラジオにもよく登場していた犯人。リスナー名が長い…。
ナチスのシンボルである かぎ十字のケーキを作るのを拒むベーカリーを批判し、言論の自由を脅かす行為だと言っていた犯人。 ナチスまで崇拝していたとは最悪。犯人は白人至上主義者でもあったようです。
ケーキを作るのを拒んだベーカリーの話は、同性婚のウエディングケーキを拒否して裁判になったケースを想起させますね。 裁判では差別禁止と信教の自由がぶつかり、ケーキ店が勝訴したそう。
同性婚のウェディングケーキ、拒否したケーキ店が勝訴。米最高裁の判断とは
差別禁止と信教の自由、どちらが優先されるべきか。注目されていた裁判に結論が下された。 アメリカの連邦最高裁判所は6月4日、宗教を理由に、同性愛カップルにウェディングケーキを作るのを拒否した男性を擁護する 判決を下した 。 裁判を起こしていたのは、コロラド州デンバーにケーキ店を構えるジャック・フィリプス氏。 ...
犯人は仲間たちとフェスティバルを襲う計画も準備。ダンプカー3台でフェスティバルに突っ込む計画はスワットが阻止。ケガを心配してくれた女性を人質にする犯人は、どうかしてる…。
事件がきっかけで、ヒックスは疎遠だった息子と再会。 ヒックスには娘だけじゃなく、息子もいたんですね。
亡くなった母親が家族をつなぎとめていたよう。 最初はぎくしゃくしていたヒックスと息子でしたが、最後は分かり合えたようでよかった。
フェスティバルの襲撃をなんとか阻止できたスワット。 しかし、偏見の伝染は止めることができないという根深い問題は残るのでした。 偏見が差別を生み、憎悪から暴力に走るのを止めるのは、そう簡単にいかないようです。
金銭的に追い詰められるディーコン
ディーコンの生まれたばかりの娘ビクトリアには手術が必要に。 どんどん追い詰められていくディーコンが気の毒。
「自分の家族は自分で養わないと男じゃない」とまわりに助けを求めるのを拒否してしまうディーコン。 一家の大黒柱であるディーコンはプレッシャーを1人で抱え込んでしまったのが心配ですね。
以前、逮捕したミッキーから手術代の1万1000ドルを借りてしまったディーコン。 ミッキーも泥沼にはまると警告してくれたのに…。カトリックでは、「高慢 プライド」も七つの大罪に入っています。
見栄を張らずに、ルカや他の仲間に事情を話せば、きっと助けてくれたはず。
ミッキーから借りたお金は利子がすごそう…。 追い打ちをかけるようにディーコンには手術が必要になり、リハビリで2～3か月はスワットに復帰できず、あてにしていた残業代は無理。 ディーコンが無事だったのは何よりですが、お金の返済ができなくなればピンチに陥ってしまいそう。
「返済できなきゃ、どんな報いもうける」とミッキーに啖呵を切っていたディーコン。 ミッキーが忠告していたように、泥沼にはまってしまったようです…。
追い詰められたディーコンに救いの手があるといいですね。
『S.W.A.T.』の登場人物
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