- 『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン1 第14話「彼女たち」
- The Good Doctor Season1 Episode14 "She"
※ネタバレしています。
あらすじ
セクハラ医師のコイルが異動になり、モーガン・レズニックがショーンたちに加わる。
ショーンとジャレッドはリムのチームに、クレアとモーガン・レズニックはメレンデスのチームに分けられ、チーム対抗で患者満足度調査のスコアを競うことになる。
クレアとモーガンは歴史教師でシングルファーザーのハワード・ショーを担当することに。ショーは虫垂が破裂、抗生物質を乱用していたため、効く薬のないスーパー耐性菌クロストリジウムに感染。人工肛門となり、一生、腹部にストーマをつけて便を体外に排出することになりそうだった。
しかし、クレアはいいとこ取りをして自分の得しか興味がなく、患者の気持ちは考えないモーガン・レズニックの言葉から、便移植を思いつく。 便移植は成功し、ショーは人工肛門にならずに済むが、モーガン・レズニックは患者に取り入り、患者からの感謝もかっさらう。 メレンデスはクレアに「立ち上がって、自分のやり方で戦え」とアドバイスする。
アンドリュースと妻のイザベルは不妊治療をしていた。検査の結果、アンドリュースの方に問題があると分かり、アンドリュースはショックを受ける。
ショーンとジャレッドは腹痛を訴える少女クイン・ダービーを担当。クインはトランスジェンダーで、精巣ガンになっていた。 ショーンは生物学的にはクインは男だと、「彼女」ではなく「彼」と呼ぶ。
クインは第2次性徴遮断薬のリュープロレリンを飲み、骨密度の減少も起こっていた。 クインは第2次性徴遮断薬をやめたら、喉仏や声が低くなり、ひげが生えてくることを嫌がる。 ショーンはガンに侵されたほうの睾丸だけでなく、手術で両方を取れば薬を飲まなくてもテストステロン値は女性と同じになると言ってしまう。
クインの祖母は両方を取ることに反対し、クインの両親を児童虐待で訴え、手術を阻止しようとする。 クインの祖母と両親は、院長のグラスマンや外科医のリム、アンドリュースを交えて、どうすべきか決めるミーティングを行う。 しかし、意見がまとまる前に、クインは腫瘍の重みで睾丸がねじれる睾丸捻転を起こし、すぐにオペが必要に。
祖母の意見も聞いた両親は、いつかクインが子どもを欲しくなるかも知れないとガンになったほうだけ取ることに決める。 手術中にクインの血圧は低下。ジャレッドは下調べのおかげで後腹膜出血だと見抜き、クインは助かる。
クインは片方だけ摘出されたと知ってがっかりするが、18歳になったら性別適合手術を受けに来ると宣言。子どもが欲しくなったら、養子をもらうと話す。
患者満足度調査のスコアは、クレアとモーガン・レズニックのチームが勝利。 ショーンは、最後にはクインを「彼女」と呼ぶ。
ショーンは新しい隣人のケニーにロックのかかったドアを開けてもらいプールに浮かび、クインが言っていた男のフリをせずに女の子でいることは「プールの中でゆったり浮かんでるような気分」という気持ちを理解しようとするのだった。
『グッドドクター 名医の条件』シーズン1 第13話「7つの理由」前回のあらすじと感想はこちら≫感想
新しく入ったモーガン・レズニックは嫌な奴だった
コイルのもとで研修医だったモーガン・レズニックがチームに加わることに。 モーガン・レズニックもセクハラ医師のコイルに嫌がらせを受けていたのでしょうか…。
ジャレッドが前回、嫌な女だと言っていたレズニック。その通り、本当に嫌な女でしたね…。
クレアとレズニックはショーを担当することに。 ショーはなんと虫垂が破裂していました! すぐにオペすることに。 心臓外科医を目指すレズニックは医学誌「AmSurg アムサージ」に自分が書いた論文が載ったと自慢。
クレアが仲良くしようと歩み寄っても、クレアとはライバルで友達になる気はないと拒否。 研修期間が終わったら残れるのは2人だけ。果たして誰が残れるのでしょうか…。ショーンが「グラスマンのペット」だと呼ばれるのがひどいですね。
患者に寄り添い、親身になるクレアに、人はみんな狙いがあり、クレアの親切も点数稼ぎだというレズニック。それは自分がそうだから、みんなそう見えるだけじゃ…。
嫌な仕事はクレアに押し付け、いいとこ取りばかりするレズニックにうんざり。要領がいいというか、ずる賢いというか、いちいち言うこと、やることが癪に障りますね。 「オペをしたらもう終わり、あとはもう彼の便だろうが他の人の便だろうがこっちには関係ない」と言い放つレズニック。患者としては、こんな医師には担当してほしくないですね。
しかし、その言葉で便移植を思いついたクレア。 ショーは抗生物質の乱用でスーパー耐性菌クロストリジウムに感染。抗生物質を勝手に飲んでいたのも驚きですが、オフロキサシン、アジスロマイシン プレドニゾロンなど薬の名前をちゃんと覚えていたのにもびっくり。 効く薬のないスーパー耐性菌というのがおそろしいですね。
日本でも耐性菌は問題となり、風邪に抗生物質を処方しないようにしたり、処方された抗生物質は用法・用量を守り、最後まで飲みきることが耐性菌を生み出さないために重要だそう。
人工肛門になりそうだったショーですが、クレアのおかげで便移植をし、人工肛門にせずに済みました。 レズニックもメレンデスを説得するのを手伝ってくれましたが、それは自分の得になるから…。便を扱う人が嫌がる仕事はクレアに押し付けて、手柄は自分のものにしてしまうレズニック。
「親切は人として当然」などクレアの言葉を真似して、患者の前ではいい人のフリをするレズニックが手強い…。面の皮が厚いですね。
それにしても、スーパー耐性菌でも健康な腸内細菌によって全滅するというのがすごいですね。腸内細菌、強い! 便移植は副作用が少なく、潰瘍性大腸炎やクローン病にも効果があり、日本でも実験的に行われているそう。 便を移植するというのが、驚きの方法ですね。「大便バンク」という言葉の響きもすごいインパクト!
便微生物移植 - Wikipedia
便微生物移植(べんびせいぶついしょく 英語Fecal microbiota transplant; FMT)は、健康な人の 腸内細菌を対象患者の消化管に移植することにより、治療効果を得る目的で研究されている 移植術。腸内細菌療法や ふん便微生物移植、あるいは ふん便薬(poop pill)ともと呼ばれる。確実なエビデンスが確立しているのは、 クロストリジウム・ディフィシル腸炎だけであるが、消化管疾患( 潰瘍性大腸炎、 クローン病など)のほか神経難病や 冠動脈疾患に対しても研究が進められている。 欧米 を中心に研究されてきた。2017年現在日本では保険治療としては認められていない。
患者に寄り添っていたクレアでしたが、レズニックは点数稼ぎのため親切心を偽装。 患者に名前も覚えられていなかったクレア。 臆面もなく、おいしいところだけをかっさらっていくレズニックに、クレアはたじたじ…。
しかし、メレンデスは惑わされず、ちゃんとクレアの功績を見ていてくれました。 「受け身にならず、自分のやり方で戦え」とアドバイス。 手強いレズニック相手に、クレアはどう戦っていくのでしょうか…。
アンドリュースとイザベルは不妊治療に
不妊治療を受けていた外科部長のアンドリュースと妻のイザベル。検査の結果、アンドリュースの方に問題があることが明らかに。
キャリアを優先してきたイザベルのせいだと思っていたアンドリュースは自分の方に問題があると知って、愕然…。 女性が子どもを育てながら、キャリアを積むのは、アメリカでも難しいようですね。 もっと出産・子育てがしやすい社会や労働環境になれば、男性も女性も助かるはず。
トランスジェンダーのクインの「子どもが欲しくなったら、養子をもらう」という言葉を聞いたアンドリュース。 養子をもらうことも選択肢の1つになりそうですね。
トランスジェンダーの少女クイン
ショーンとジャレッドは、少女クインを担当。 クインは実はトランスジェンダーで、精巣ガンだと判明。 ただでさえ苦労しているのに その上ガンだなんて…。
トランスジェンダーとは?「広義」「狭義」ってなに?【性同一性障害との違いとは】 | LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーをはじめとするセクシュアルマイノリティの総称)のTにあたる、 トランスジェンダー 。最近では、テレビや映画などではトランスジェンダーの芸能人の半生を描いたドキュメンタリーも見ることがありますね。 ☆あわせて読んでおきたい! LGBTを公表している有名人まとめ 日本&海外 また、トランスジェンダーという言葉と同じくらい、 ...
第2次性徴遮断薬はガンの原因ではありませんでしたが、骨減少に。第2次性徴遮断薬というものがあるんですね。 第2次性徴遮断薬をやめれば、喉仏に低い声、体毛も。 「女の子も体中に毛がある」とズレた指摘をするショーンが面白いですね。
クインの祖母はガンになったほうだけでなく、両方の睾丸を取るのに反対し、両親を児童虐待で訴えるのでした。 さすがに、児童虐待で訴えるのはやりすぎ…。 両親はトランスジェンダーのクインのことを受け入れているのが救いですね。
男の子の格好をさせたときには、落ち込み、自殺まで図ったクイン。クインにとっては、男の子の格好は男のフリでしかなく、女の子のほうが本来の自分の姿。 グラスマンの言う通り、自分の体の性と心の性が違っているなんて想像もつきませんね。
なかなか女の子だと受け入れられないクインのおばあちゃんも、クインを愛しているからこそ葛藤していたようです。 両親は将来、生殖能力を残すためにも、健康な方は残すことを決断。子どものトランスジェンダーの手術をするかどうかは難しい決断ですね。
それでも、クインの中ではすでに成人年齢の18歳になったら性別適合手術を受けることを決意していました。 家族やセラピスト、医師ともよく話し合い、体の性と心の性が一致し、自分らしく生きていけるといいですね。
賭けに勝ったのにはメレンデス
手術中にクインの血圧が低下したのは、後腹膜出血のため。ジャレッドが気付いた「グレイ・ターナー徴候」はわき腹にでる皮膚の着色斑のことだそう。 後腹膜出血に気付いたのは、協同意思決定のための書類SDA(Shared Decision Aid)の準備をきちんとしていたから。 人種問題を利用して復職したことで、疎まれているジャレッドもこれで少しは、元に戻れそうですね。
ちなみにジャレッドが最初のクインの診断のときに言っていたマックバーネーとは、指などで圧迫したときに強く痛みが出る圧痛点のことだそうで、虫垂炎のときなどに痛むそうです。
結局、患者満足度調査のスコアで勝ったのは、メレンデス率いるクレアとレズニックのチーム。 リムと賭けたのはたった1ドル!? 賭けに勝ったメレンデスは1ドル札を額に入れて飾るとまで。 はじめは、競争に乗り気じゃなかったメレンデスも勝利に酔いしれていましたね。
新しい隣人のケニー
新しい隣人のケニーはなんとベランダから登場。 ショーンはスペイン語のドラマを見るなど、スペイン語も話せるようですね。やっぱりテレビを見るのが近すぎるショーン。
ケニーのおかげでケーブルテレビも見られるようになり、さらに多チャンネルになった高画質のテレビを楽しんでいるようです。
ケニーはショーンの部屋の家具が「セレーナとジャスティン」のようにマッチしていないと指摘。 「セレーナとジャスティン」は恋人同士でくっついたり離れたりを繰り返していたセレーナ・ゴメスと ジャスティン・ビーバーのことのようです。
ジャスティン・ビーバー、結婚後もセレーナ・ゴメスと連絡を取り合っている? - フロントロウ
昨年、モデルのヘイリー・ビーバー(旧姓ヘイリー・ボールドウィン)と結婚したシンガーのジャスティン・ビーバーは、結婚後も元恋人でシンガーのセレーナ・ゴメスと連絡を取り合っている?取り合っていない?2人の気になる現在の関係について新証言が。(フロントロウ編集部)
ジャスティン・ビーバーは2018年にモデルのヘイリー・ボールドウィンと結婚しています。
ショーンの部屋の家具は、前に住んでいた町キャスパーの人たちがくれたもの。キャスパーの人たちは、ショーンを支えてくれるいい人が多かったようですね。ちゃんとくれた人の名前を記憶しているショーンも、えらい。 しかし、ベッドをくれたグラスマンとショーンの仲はぎくしゃく。
グラスマンに友達になれないと言われたことが、ショーンの心に突き刺さっているようです。 早く関係が修復できるといいですね。
ショーンはお隣のケニーにプールのドアを開けてもらうことに。ロックを簡単に開けられるなんて、ケニーは何者!?
クインがレオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』のパズルをしていたときに話していた、男の子のフリではなく、女の子でいられるのは「リラックスできて、プールの中でゆったり浮かんでるような気分」というのを理解するため、ショーンもプールで浮かんでみることに。
トランスジェンダーのクインの気持ちを理解しようと実践するショーンが素直ですね。
最初はクインを「彼」と呼んでいたショーンも「彼女」と呼ぶように。ショーンがクインにどんな質問をするのかヒヤヒヤしましたが、ショーンは思った疑問を率直に尋ねたかっただけでしたね。
クイン役を演じるSophie Giannamoreは、実際に男性から女性へ移行しているトランスジェンダーで、2019年4月現在15歳。ユーチューバーとしても活動し、トランスジェンダーが主人公のドラマ『トランスペアレント』にも主人公モーラの子ども時代を演じ、ゲスト出演しています。
Sophie Giannamore | LezWatch.TV
Sophie Giannamore is a queer actor who has played 2 characters on television.
『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン1の登場人物・キャスト
『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン1の登場人物・キャストの紹介はこちら≫
ドラマの中で流れた曲
- Rivers and Roads - THE HEAD AND THE HEART
気になったセリフをPick Up
「疑問を持つのはいいことだ。それが認識や理解につながって受け入れられるようになったりもする」
"Questions are good. Leads to awareness and understanding. And, who knows, maybe even acceptance."ショーンとトランスジェンダーのクインについて話すグラスマンのセリフ。最初はクインは生物学的に男性だとかたくなだったショーンも、疑問を持つことでクインを女性だと理解できたようですね。
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