- 『グッドドクター 名医の条件』シーズン1 第9話「心音のリズム」
- The Good Doctor Season1 Episode9 "Intangibles"
※ネタバレしています。
あらすじ
聖ボナベントゥラ病院の国際人道的な支援プログラムで、コンゴ民主共和国出身で重度の先天性心疾患の子ども ガブリエルが選ばれる。メレンデスはガブリエルは症状がひどすぎて救えないと言ったが、理事で副院長のアオキが、ガブリエルの身の上は絵になり、寄付金も集まると選んだのだった。
循環器内科部長のアヴィ・メータも加わり、ガブリエルの心臓の精密検査を行うが、結果は思った以上にひどく、手術をしても救えないことがわかる。メレンデスは薬を飲むしかなく、数年の命だと母親に伝えるが、母親は薬を飲ませず、どうしても手術をして救ってほしいと頼む。
ショーンはミスター・ポテトヘッドのおもちゃから、肥大した心臓の心室中隔を薄くし、僧帽弁の位置を変えることを思いつく。 ショーンとメレンデスはガブリエルの心臓のモデルを使ってバーチャル手術をして、何度もシミュレーション。その結果、心室中隔の厚さは14㎜が最適だと分かる。
しかし、ガブリエルの心室中隔は予期していた以上に硬く、13㎜に変更。13㎜では薄すぎて僧帽弁が支えられなくなってしまうが、ジャレッドがアンカーポイントとして使え、僧帽弁も働く場所を見つける。 長時間に及んだ手術は成功し、ガブリエルの心臓は正常に動き出す。
ポッドキャストをしているエリザベスはがんか確かめるため声帯の結節を生検することに。しかし、エリザベスの検体は行方不明に。 エリザベスはガンかどうか確かめられない中、声を失う手術をするか、がんの可能性もあるがそのまま何もしないかの選択肢を迫られる。
クレアは検体のラベルが違っている可能性に気付き、ラボをもう一度捜索。 エリザベスの検体は別のラベルの容器に入っており、ホルマリン漬けで冷蔵庫に入っていたため、まだ生検は可能な状態。生検の結果、エリザベスはがんではないことがわかり、オペは中止に。エリザベスは声を失わずに済む。
しかし、検体を失くしたことで病院は訴えられることに。エリザベスにミスを謝ったクレアは、病院のリスク管理の弁護士であるジェシカに責められてしまう。
ショーンはグラスマンに勧められ、ライフスキル・コーチの面接をするが、ショーンは自分にコーチはいらないと拒否。 クレアに教えられた気を引く三大テクニックを観察、記録し、自分で学んでいると証明する。
それでもコーチをつけようとするグラスマンにショーンは見捨てられると思い、知らない人に助けてもらいたくないと大声を出す。 リアの服がかっこ悪いと指摘したショーンだったが、ショーンはリンゴがあるとリアの部屋に誘われる。
『グッドドクター 名医の条件』シーズン1 第8話「過ちとリンゴ」前回のあらすじと感想はこちら≫感想
難しい心臓手術
国際人道的な支援プログラムで選ばれたガブリエルは重度の先天性心疾患。父親を黄熱病で亡くしたガブリエルの身の上は絵になると、勝手に候補者を選んだアオキ。
「慈善事業は気高いだけじゃなく、絵になる方が寄付金が集まる」ということで、オペで救うことは不可能だと思われるガブリエルが選ばれることに。ガブリエルが選ばれた動機には不純なものが含まれていましたが、救うのが不可能だと思われていたガブリエルのオペは成功。逆によかったのかもしれませんね。
ジャレッドはガブリエルにクマのぬいぐるみや『トイ・ストーリー』のミスター・ポテトヘッドのおもちゃをプレゼント。
村のシャーマンにもらったサカラという太鼓で、ガブリエルの心臓のリズムを合わせようと太鼓をたたくガブリエルの母親。悪霊やシャーマンなどガブリエルが暮らす村では、今もそういったもので病気を理解しようとしているようですね。
「力のある癒し手が現れる」とシャーマンに言われたガブリエルの母親。ペースメーカーとも言えるサカラをたたき、息子が助かるように懸命に祈り続ける母親を見ると胸が詰まりそうに。
手術が無理だと言われてもあきらめなかった母親。ガブリエルの症状がよくならない理由は母親が薬を飲ませなかったから。 「何もできないときは何もできないんです」と告げたメレンデスでしたが、母親に説得され、手術をすることに。
ショーンのアイデアをバーチャルリアリティーの手術でシミュレーション。 バーチャルリアリティーの手術がすごい!
手術道具や人工心肺も再現し、条件を変えて何度もシミュレーションできてしまう機能に驚き。 実際にも、医療現場ではバーチャルリアリティー手術のトレーニングシステムが開発されているそう。 技術の進歩はすごいですね。
しかし、シミュレーション通りにはいかないのが現実。ガブリエルの心室中隔は予期してた以上に硬く、シミュレーションよりも薄い13㎜にするしかない状態。もうダメかと思ったら、ジャレッドが弁を支えられる場所を発見。このまま死んでしまうかと思ったら、ガブリエルの手術は成功。心臓が動き出して、ほっとしましたね。
7時間以上にわたる大手術は無事に成功。7時間以上も集中を保たなければいけないなんて、大変…。 ガブリエルの母親は安心したのか、ガブリエルの隣でぐっすり眠っていましたね。
メレンデスの過去や家族も少し明らかに。メレンデスは貧しい暮らしで、障害を抱えた妹が。そんな過去があったとは…。
検体が行方不明に
患者のエリザベスの検体が行方不明に。その検体は結節ががんかどうか調べ、声を失う手術をするか決める大事なもの。 クレアはラボや検体が運ばれた経路などを探し回るも見つからず。 さらに、クレアは検体を失くしたのはミスだったと謝ったことで病院の弁護士ジェシカに責められることに。
クレアはラベルが間違っている可能性に気付き、もう一度ラボの検体をチェック。 病院ではちょっとしたミスでも、患者の人生を左右することに。
検体が見つかり、がんではなく、声を失わずに済んだエリザベス。ポッドキャストも娘さんに絵本を読み聞かせることも続けられてよかった。
検体をなくしたことを非を認めるような言い方をして謝れば、訴訟沙汰になるという弁護士ジェシカ。謝ることすらできないなんて、訴訟大国アメリカらしい。謝った言葉に値段が付くというのも、またおそろしいですね。
それでも、ミスを認めて謝ったクレア。まずは謝ることでたいていの人の気持ちはおさまりそうですが、結局、病院は訴えられることに。
でも、エリザベスが訴えたのはお金目当てではなく、病院側のミスが二度と起こってほしくないから。確かに、あともう少しで声を失うことになっていたことを思うと訴えるのも当然かもしれませんね。謝っても謝らなくても、訴えられることに変わりはなかったように思えます。
外科部長アンドリュースの妻イザベルも医師で、アンドリュースとイザベルは仲のいい夫婦。 今は出世欲のかたまりのアンドリュースですが、結婚したころは出世より患者優先だったというのが意外。
イザベルのことは素直に聞き入れ、検体の捜索に加わるアンドリュース。アンドリュースにも意外な一面がありました。
気を引く3大テクニック
ライフスキル・コーチをつけるようにグラスマンに勧められたショーン。面接に来た人は服装が悪趣味だと却下。リアの服もかっこ悪いと指摘。ショーンはファッションにもうるさいんですね。
「作った笑い方 クネクネする 髪をいじる」という気を引く3大テクニックをクレアに教えてもらったショーン。 クレアの再現が秀逸!
ショーンから返ってきた答えは、「毛をこするのは人だけじゃなく動物もやる」という意外なもの。ショーンはいつも予想外のことを返してきますね。 「毛をこするのは、フェロモンを周囲に放出するためで、皮膚病の場合もある」というショーン。「皮膚病の場合」というオチまで…。
ショーンはクレアがメレンデスに気を引くしぐさをしていたことも観察し、記録。 その観察記録を「ロマンスの集計表」と表現するグラスマンがロマンティックですね。
自身が気付いていなかった気を引くしぐさを指摘されたクレア。 そんなことを言われたら、さらに意識してしまいそう。
ライフスキル・コーチはいらないというショーンと、ショーンが心配なグラスマン。 ショーンは自分で少しずつやっていきたいようです。
ショーンはお隣のリアの部屋に入ることになり、うれしそう。リアとショーンは付き合うことになるのでしょうか。
循環器内科部長のドクター・アヴィ・メータ役を演じるのは、『BONES ボーンズ -骨は語る-』で実習生アラスト・バジリ役を演じたペジ・ヴァーダト(Pej Vahdat)。
アンドリュースの妻 イザベル役を演じるのは、『ホワイトカラー』でレズビアンのFBI捜査官ダイアナ・バリガン役を演じたマーシャ・トマソン(Marsha Thomason)。
『グッドドクター 名医の条件』シーズン1の登場人物・キャスト
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ドラマの中で流れた曲
- Ancient Light - ALLMAN BROWN
- Sons and Daughters (feat. Liz Lawrence) - ALLMAN BROWN
気になったセリフをPick Up
「私たちに必要なのは食べ物、平和、薬。でも、何よりも必要なのは希望よ」"We want for everything food, Peace, Medicine. But our greatest want is hope."
息子を助けてほしいとメレンデスにお願いするガブリエルの母親のセリフ。
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