- 『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7【ファイナルシーズン】 第6話「奪われたDNA」
- Elementary Season7 Episode6 "Command: Delete"
※ネタバレしています。
『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第6話「奪われたDNA」のあらすじ
ベル刑事の友人デイヴィス・ウィットマークが行方不明になる。 機動隊員だったデイヴィスは撃たれて、PTSDを患い、警察を退職していた。デイヴィスの妻カーラは自殺を心配するが、ベル刑事はガレージでボルトアクションライフルの部品を発見。
デイヴィスは改造したスナイパーライフルで誰かを殺そうとしているようだった。
デイヴィスの仕事はビデオの技師で、個人でハードコアなボンデージビデオの編集もしていたことが判明。 その動画でデイヴィスは撮影だけでなく、覆面をして主演男優もしていたが、その支払いについて配信会社のジュリアナともめていた。
しかし、ジュリアナとは新サイトを共同でやる取引をして、解決済みだった。
ジュリアナへの留守電の背景音から、デイヴィスが鳩の小屋があるビルの屋上にいることが分かり、デイヴィスは確保される。 デイヴィスはビデオ出演を妻にばらすと何者かに脅され、ウォーフォードホテルの706号室の窓を撃つように指示されたが、誰かを殺すように命令はされていなかった。
デイヴィスが逮捕された騒ぎで、ウォーフォードホテルの706号室を予約していた警備会社は命を狙われている顧客のバロン・ライトを別の場所へ移動。その途中に、ボディーガードとバロン・ライトは射殺されてしまう。
ミドル級のボクサーのバロン・ライトの家には2週間前、侵入者が入り、膵臓の膵外分泌不全の持病の薬をすり替えられそうになっていた。
主治医のドクター・バージェスによると、バロン・ライトにはダニガン型リポジストロフィという疾患と似た症状があり、脂肪の生成が疎外される遺伝子変異があったという。 そのおかげでバロン・ライトはステロイド使用を疑われるほど筋肉質だった。
主治医のドクター・バージェスはバロン・ライトを研究材料にし、脂肪を燃やす薬を開発し、大儲けしようと企んでいた。 バロン・ライトの家に侵入したのも、薬を鎮静剤とすり替え、血液などのサンプルが欲しかったからだった。しかし、殺害犯ではなかった。
バロン・ライトの養母の家から、昔の医療記録とバロン・ライトの子どものころの写真が盗まれる。 バロン・ライトの両親は不法移民ですでに死亡。
バロン・ライトの父親が写る盗まれてしまった写真が撮られた場所はグアテマラのコーヒー農園だった。そこに植えられたコーヒーの木はエチオピア・ゲシャ種という高価なコーヒー豆の木で収穫すれば、年に数百万ドルになるという。
コーヒー農園の持ち主は地震で死亡し、グアテマラは相続人をさがしていたが、見つかっていなかった。 その相続人こそバロン・ライトだったと判明する。
実はおよそ1年前、主治医のドクター・バージェスのもとで働くテッサは遺伝子疾患の調査でバロン・ライトが相続人だと知り、バロンの子どもを妊娠し、数百万ドルを相続する計画を進めていた。
無事に生まれてくることが確実になり、テッサは相続に邪魔なバロン・ライトを殺すことに決め、ボディーガードとバロンをおびき出すため、デイヴィスに窓を撃つように脅していた。 デイヴィスもドクター・バージェスの病院に通っており、ビデオを見たテッサはデイヴィスのことが分かったのだった。
ボディーガードとバロンを射殺したテッサは、自分の子どもが相続人だと証明するためバロン・ライトの養母の家から写真を盗んでいた。
一方、ジョーンとシャーロックはIT企業オドカー社のオーディン・ライヘンバッハからネットサービス上で殺人予告などをしている人物を特定、その人物を殺させて、数百人の命を救っているという話を聞かされる。
ジョーンとシャーロックはこのシステムの改良を手伝ってほしいと頼まれる。 シャーロックはNSAのマクナリー捜査官にオーディンがしていることを話すが、実はマクナリー捜査官はオーディンと組み、捜査を手伝うふりをしていただけだった。
マクナリー捜査官はシャーロックがオーディンの邪魔をするなら、シャーロックの大事な人たちを痛めつけると脅してくるのだった。
『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第5話「回りくどい殺人」 前回のあらすじと感想はこちら≫『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第6話「奪われたDNA」の感想
めずらしい遺伝子変異のボクサーが殺される
ベル刑事の友人の行方不明は複雑な事件への入り口にすぎませんでした。 最初はPTSDを患う元警官デイヴィスがスナイパーライフルで誰かを殺そうとしているらしいのを阻止する捜査でしたが、その裏にはテッサが仕組んだとんでもない計画が。
行方不明になったデイヴィスは今はビデオの技師として働き、個人的に映像を編集していましたが、その映像はなんとハードコアなボンデージビデオ! 撮影だけではなく、主演男優もこなしていたのにびっくりですね。
その映像で脅され、ホテルの窓を撃とうとしていたデイヴィス。 撃とうとしていたのは人ではなく、窓だけでしたが、その騒ぎの結果、ボディーガードと顧客のボクサー バロンが殺されることに。
デイヴィスはバロンを殺すため、犯人のテッサに利用されたのでした。それにしても、患者だったデイヴィスが出演するSMプレイのビデオをテッサがたまたま見たなんて、おそろしい偶然ですね…。
まず疑われたのは、バロンの主治医ドクター・バージェス。 バロンはダニガン型リポジストロフィという疾患と似た症状で、脂肪の生成が疎外される遺伝子変異を持っていました。
バロンの家族も同じような遺伝子だったようですね。ステロイド使用を疑われるほど、筋肉質だったのも、その遺伝子のせいでした。 脂肪ができないのはうらやましいですが、膵臓の病気になるなど、やはりデメリットも。
ドクター・バージェスはバロンの遺伝子変異に目をつけ、そのメカニズムを利用し、脂肪を燃やす薬を開発し、大儲けしようと画策。 脂肪を燃やす薬ができたら、莫大な利益がでそうですが、患者に内緒で研究を進め、患者をまるで実験材料のように扱うのは医者として失格ですね。
家に侵入し、治験薬を鎮静剤とすり替えてまで、サンプルを手に入れようとしていたドクター・バージェス。 ドクター・バージェスもテッサも、患者のことは無視して、金にしか興味がないのでした。
バロンのめずらしい遺伝子変異が殺人の動機かと思われましたが、動機はもっとありきたりでバロンが相続するはずだった遺産でした。 バロンが相続するはずだった遺産はコーヒー農園。まさかコーヒー豆で年に数百万ドルにもなるとは!
ジョーンが飲んでいたイタチが吐いたコーヒー豆にもびっくりですが、ジャコウネコのフンから採られるコーヒー豆も希少で、高額で取引されているそうです。
遺産をもらうのに必要なバロンの子どもを妊娠したテッサ。 遺産を手に入れるためだけに生まれてくる子どもがかわいそう…。
生まれてくる子どもには罪はないので、幸せになってほしいですね。
オーディンはNSAの捜査官も仲間にしていた
オーディンはネット上の情報を使い、殺人を犯しそうな人間を処刑させていたことを認め、シャーロックとジョーンにもそのシステムの改良を手伝ってほしいと言い出しました。
いままでに数百人の命を救ったというオーディン。確かに大勢の命を救ったのかもしれませんが、一方で、ミアーズのように犯罪者を処刑するように仕向けられ、人殺しにさせられた人も。 その人たちが暴走して、自警団のように犯罪者を処刑し始めたら、どうするつもりなのでしょう…。
それを防ぐためにも、シャーロックとジョーンにそのシステムの改良を手伝ってほしいということらしいですが、そもそもネットに書きこんだことをすべての人が100%実行するとは言い切れないまま、オーディンの独断で勝手に処刑していくというのが、おそろしい。
集められた個人情報がマーケティングに利用されるデジタル監視社会が過激になると、こんな風に犯罪予測にまで個人情報が利用され、自由が制限されることになってしまいそうなのが不気味。
オーディンは正義のためだと信じているようですが、こんな処刑を認めたら、世界全体が全体主義のようになっていきそう…。 「ウェブ上に毒グモのように糸をはりめぐらせている男」という例えはまさにオーディンにぴったりの表現ですね。
シャーロックはマスコミも信用せず、「報道陣は新メディアの征服王たちに忠誠を誓ったようだ」と辛辣。 馴染みのNSA(アメリカ国家安全保障局)のマクナリー捜査官を頼ったシャーロックでしたが、なんとマクナリー捜査官もオーディンの仲間でした。
マスコミもNSAまでもあてにならないなんて、最悪。 さらに、マクナリー捜査官はオーディンを邪魔するなと、シャーロックの大事な人を殺すと脅しまで!
それにしても、コオロギの虫ペーストは本当に美味しいのでしょうか…。 コオロギなどの昆虫食はスーパーフードとして注目されており、食用コオロギにはタンパク質が豊富に含まれているそう。
かなり食べるのに勇気がいりそうですが、食糧難を救うと期待されているそうです。将来的にはコオロギを食べるのも普通のことになっているのでしょうか…。 日本ではコオロギせんべいなるものも売られています。
ホームズくらい操れると余裕のオーディン。 シャーロックも舐められたものですね。大事な人たちを人質にされたシャーロックですが、このまま引き下がることはしないはず。 手ごわい敵ですが、なんとか倒してほしいですね。
ドラマの中で流れた曲
- 特になし