『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第7話「ロシアより毒をこめて」あらすじと感想・曲 ネタバレ注意 !

海外ドラマ『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』
  • 『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7【ファイナルシーズン】 第7話「ロシアより毒をこめて」
  • Elementary Season7 Episode7 "From Russia with Drugs"

※ネタバレしています。

『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第7話「ロシアより毒をこめて」のあらすじ

ヤクの売人から金を盗む強盗を繰り返していたディニーンは、盗んできたお札の上に寝転がり、死亡。 お札にフェンタニルが付着していたことから、ディニーンはフェンタニルを皮膚から吸収し、過剰摂取で死んだと思われる。

しかし、シャーロックはフェンタニルを皮膚から吸収してフェンタニル中毒になることはないと指摘。 猫アレルギーだったディニーンの吸入器の中にはエアロゾル化したフェンタニルが仕込まれていたことが判明し、ディニーンは殺されたことが明らかになる。

エアロゾル化したフェンタニルは2002年のモスクワ劇場占拠事件でロシア軍が使用したガスKOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)だった。 シャーロックはロシアのスパイ オルガ・ベレズナヤに話を聞くが、ディニーンの殺害にロシアは関与していないと断言。

KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)の開発者の1人パシャ・ボイノフはニューヨークに移住し、最近、KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)を作る材料を購入していた。 ロシアに対しても脅威であるボイノフの知識をアメリカに渡すわけにはいかないとロシアはボイノフを爆殺する。

ディニーンが死ぬ前に拳銃で撃ち殺した男はセシル・トロイという美術修復家だった。 セシル・トロイとオードリー・ケンジットは傷つけずに古代織物の汚れを落とせる溶剤を開発し、トロイケンジット研究所を設立していた。

最近、DEA(麻薬取引局)は麻薬捜査で押収されたお札に付着したフェンタニルが危険だと懸念し、トロイケンジット研究所がお札を洗浄する契約を取り付けていた。 しかし、毒物学者たちはフェンタニルが皮膚から取りこまれることはなく、税金の無駄遣いだと批判し、契約は打ち切りになりそうだった。

そこで、セシル・トロイとオードリー・ケンジットはセシルの幼馴染だったディニーンにフェンタニルがついた金を強盗させ、吸引器に仕込んだフェンタニルで殺し、お札についていたフェンタニルで死んだように見せかけ、DEAとの契約を続けようとしていた。

だが、ディニーンがセシルを撃ち殺したのは想定外だった。

オードリー・ケンジットはセシルがひとりでやったことだと言い逃れをしようとしたが、ディニーンの猫アレルギーの発作を起こさせるため部屋にまかれた猫の毛はオードリーの飼い猫のもので、KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)を作ったボイノフへの報酬や、ディニーンに盗ませた金庫の金はオードリーが出していた。

撃たれて入院していたグレッグソン警部は復帰するが、優秀な部下ブリー・ノバチェックが退職すると知り、ドワイヤー警部が不適切なことをしたのではと疑う。 ドワイヤー警部にはデートするように強要されたと申し立てがあり、1年の免職猶予中だった。

ノバチェックは申し立てても、男中心の市警は変わらず、自分が苦しい立場に追い込まれるだけだとグレッグソン警部に指摘。 だが、ノバチェックはグレッグソン警部に話したことで申し立てをすることを決意。

結局、ノバチェックは警察を退職することを決めるが、グレッグソン警部はずっと友人だと告げるのだった。

『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第6話「奪われたDNA」 前回のあらすじと感想はこちら≫

『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』シーズン7 第7話「ロシアより毒をこめて」の感想

お札で中毒死?

第7話のタイトル「ロシアより毒をこめて」は映画『007 ロシアより愛をこめて』のもじり。

盗んだお札の上に寝転がった男が死亡。お札についていたフェンタニルが皮膚から吸収され、死んだと思われましたが、実は巧妙に仕組まれた殺人でした。

金の上に寝転ぶのが好きな金の亡者のキャラクター スクルージ・マクダックみたいな男だったディニーン。 スクルージ・マクダックはディズニーのキャラクターで、チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』の主人公のスクルージをモデルにしたアヒルだそうです。

「アヒル版のシャーロックの父親」という例えが面白いですね。

アメリカの金の9割に微量なコカインが付着しているというのも驚きですが、世界で金より汚い物はまれという言葉にはゾッとしますね。 しかし、フェンタニルまみれのお札を触っても、死に至ることはないことは確実。

「触れただけでハンター・S・トンプソンにはならない」とシャーロックは断言していましたが、ジャーナリストで作家のハンター・S・トンプソンは様々な薬物をやり、映画化もされた『ラスベガスをやっつけろ』という小説を書いています。

実際には皮膚からフェンタニルが吸収されることはなくても、気分が悪くなる捜査官も。それはノセボ効果というもの。 ノセボ効果はプラセボ効果と反対で、偽薬でも有害な副作用が現れることをいうそうです。 確かにドラッグまみれのお札を触ったら、気分的に嫌な気持ちになるのは無理もないですね。

ロシアの化学兵器

ディニーンは吸入器に仕込まれていたフェンタニル誘導体KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)で殺されたことが発覚。

このKOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)は実際に2002年のモスクワ劇場占拠事件でロシアが使った化学兵器。 人質922人のうち129人が中毒で死んだと言われています。

KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)からロシアの関与が疑われますが、ロシアは殺人に無関係でした。 シャーロックが接触したロシアのスパイ オルガはシーズン4の第9話「操られた暴走車」に登場しています。

現在、オルガは生徒の親の多くが国連勤務である小学校教師として潜伏中。まさかロシアのスパイが絵本を読み聞かせしているとは、恐るべし…。

さらに恐ろしいのは、KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)の開発者の1人でニューヨークに移住していたボイノフをシャーロックの目の前で爆殺したこと!  脅威とみなすとすぐに暗殺するロシアは怖い…。

犯人はセシルとオードリーだった

ディニーンが撃ち殺した男はセシル・トロイだと判明。 セシルとオードリーは強盗のディニーンを利用し、DEAとのお札の洗浄契約を取り付けようと画策していました。

しかし、強盗のディニーンはセシルを射殺。ディニーンがセシルを殺した理由はよくわかりませんが、分け前を独り占めしたかったという動機のようです。 強盗のディニーンの殺害を計画していたのに、その前にディニーンによってセシルが殺されたというのが皮肉。

わざわざフェンタニル誘導体KOLOKOL-1(コーラカル・アヂーン)でディニーンを殺したのも、お札に付着したフェンタニルで死んだと思わせるのが目的でした。 DEAとのお札の洗浄契約を取り付けるために化学兵器まで使用するとは…。

オードリーは死んだセシルのせいにして罪を逃れようとしますが、飼い猫レディ・ゴディバの毛をディニーンの部屋にまいていたことや、金の流れで関与していたことが証明されることに。 お札の洗浄をきっかけに、化学兵器の使用、ロシアによる暗殺まで巻き起こるとは、すごい事件でしたね。

ドワイヤー警部のセクハラ

復帰したグレッグソン警部でしたが、優秀な部下のノバチェックが退職すると聞き、ドワイヤー警部に疑惑の目を。

ドワイヤー警部はセクハラの常習者らしく、ノバチェックの水着の写真を見つけ、コメント付きでメールで回すという最低なことをしていました…。

シャーロックたちとはあたらずさわらずの関係だったドワイヤー警部でしたが、裏の顔が。 しかも、男中心の市警ではセクハラは日常茶飯事のことのようです…。

申し立てをした被害者の方が、非難されるというのも最悪。 それでも、声をあげることにしたノバチェック。

セクハラで優秀な刑事が退職に追い込まれるなんて、大きな損失に。 市警が女性にとっても働きやすい環境になるといいですね。

ドラマの中で流れた曲

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