- 『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン2 第16話「信じる心」
- The Good Doctor Season2 Episode16 "Believe"
※ネタバレしています。
『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン2 第16話「信じる心」のあらすじ
新しい外科部長ハンによって、患者と接することがない病理科に異動になったショーン。病理科のカーリーに仕事を教えてもらうが、ショーンは外科医になる夢をあきらめられない。
ショーンは脳を覆う髄膜にできる進行性の腫瘍の「悪性髄膜腫」と診断されたセイディの検査結果を疑問に思う。 病理では疑問点を指摘するだけで、あとは担当医の仕事。 しかし、ショーンはセイディの担当医であるリムに診断に疑問があることを話しに行く。
患者と接することをハンに禁じられたショーンは眠っているセイディのバッグをあさり、胃酸を抑える薬を見つける。
ショーンは料理評論家であるセイディが食品の衛生管理が悪い日本料理店の批評を書いたことをSNSで知り、悪性髄膜腫ではなく脳に寄生虫がいる「孤虫症」の可能性があると指摘。 胃酸で寄生虫は死ぬが、セイディは胃酸を抑える薬を飲んでいたため、寄生虫が死なず、脳に寄生虫が住み着き、寄生虫が悪性髄膜腫のようにみえていたのだった。
検査でも寄生虫だと断定され、セイディは手術をすれば完全に治ると分かる。
リムやクレアはショーンを外科のレジデントに戻すようにハンを説得しようとするがうまくいかない。 ショーンは自分で外科のレジデントに戻りたいとハンに主張。 ハンはショーンの才能は認めるが、コミュニケーションが苦手なショーンには病理医になることが最善だと言われてしまう。
一方、がんが転移しているクラレンス牧師。クラレンス牧師は脊椎の固定を行ってから、腫瘍を摘出するはずだった。 しかし、クラレンス牧師は脊椎を固定すると痛みが消えてしまうと腫瘍を摘出する手術だけをするように求める。
クラレンス牧師は教区民のマイケルが自殺したのは自分のせいだと責め、痛みは罰だと思っていた。
メレンデスやクレア、レズニックは再手術でなんとか脊椎の固定をせずに腫瘍を摘出するが、腫瘍は小さくなり、転移していたがんもすべて小さくなっていた。 検査をするが、医学的な説明はつかない。
神を信じるレズニックは「奇跡」だという。 信仰を失ったクレアだったが、自分で自分を許すようにクラレンス牧師を説得し、痛みをなくす脊椎を固定する手術を受けることに同意させる。
グラスマンは化学療法が終わり、デビーとお祝いしたいと食事に誘うが断られてしまう。 デビーは楽しいときだけ一緒にいようとするグラスマンとは真剣につき合えないと告げる。
外科のレジデントに戻れなかったショーンは、セイディのオペの様子をおもちゃのメスを握りしめながら見学するのだった。
『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン2 第15話「決断と代償」前回のあらすじと感想はこちら≫『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン2 第16話「信じる心」の感想
痛みに耐える牧師
がんのクラレンス牧師は痛みが消えてしまうことを拒否。痛みは罰だというクラレンス牧師が「人を殺した」と告白するシーンは衝撃的でしたね。
しかし、「人を殺した」のではなく、教区民が自殺してしまったことで自分を責めていたクラレンス牧師。
お酒を飲んでいて自殺したマイケルからの電話を無視したことを後悔していました。聖職者だと言っても、人間。いつでも完璧に人を助けるのは無理ですが、責任感の強いクラレンス牧師は自分を責めずにはいられなかったようです。
そのせいで、がんによる痛みが自分への罰だと耐えるクラレンス牧師。
「病気の子どもも神の罰を受けている?」というクレアの質問には、「まわりのものが慈悲の心や思いやりを持てるようにとその子は苦しみを背負わされた」と答えていましたが、そう考えたとしても病気で苦しむ子どもやその親のことを思うと、いたたまれないですね。
脊椎を固定せずにした最初の手術では、圧迫による脊髄ショックで中止に。
それでも再手術をすることに。 脊髄ショックが起こらないように腫瘍を摘出すると、8㎝あった腫瘍は4.5㎝に! 転移していたがんも小さくなっていました。
血液のがんでは自然退縮の報告はあるそうですが、転移した肉腫の例はなくメレンデスも困惑…。 血液のがんで自然によくなる場合もあるんですね。
クラレンス牧師は検査をしても医学的に説明がつかず、「奇跡」と言われることに。 それでも、クラレンス牧師は「奇跡」を簡単には受け入れられず、検査を求めるのでした。
クラレンス牧師にとっては、がんが小さくなるということは、神に許されたことを意味し、それが受け入れられず、合理的な説明を求めたようです。
自分自身を許せないクラレンス牧師。 信仰をなくしたというクレアでしたが、エフェソの信徒への手紙 4章「全ての無慈悲 怒り 騒ぎ そしり 一切の悪意を捨て去りなさい」を引用したり、昔は熱心な信者だったようですね。 「燃える柴」とは、柴が燃え、神がモーセに出エジプトをするように語りかけたという話からだそう。
信仰を失うのは愛する人を失った感じと語るクレア。それほど、前は神を信じて祈っていたようですね。 クレアは自分で自分を許すように説得し、クラレンス牧師は痛みをなくす脊椎固定の手術を受けることに。
がんが自然に小さくなったのはよかったですが、下手をすれば「奇跡」が詐欺まがいのがんの民間療法に利用されそうな話なのが心配。 たまたま自然に治っただけなのに、信仰のおかげにして「奇跡」とするのも、危うい気も。
でも、クラレンス牧師が最後は自分で自分を許すことができたのはよかったですね。
ショーンは病理に
新しい外科部長のハンに言われ、病理のレジデントに異動することになったショーン。 病理科のカーリーはショーンに親切で一安心。 最新機器がそろう病理のラボもカッコいいですね。
病理はいわば刑事で、外科医はパトロール警官だというカーリー。 病理は腫瘍が良性か悪性か調べたり、検体の検査、治療薬の効果の判定などを行い、患者と接することはないそう。
病気の原因を検査で突き止めるのは確かに刑事っぽいですが、 外科医はパトロール警官というのは元警官のアレックスも不満なよう。 外科医はもっと派手なイメージで、例えるならスワットっぽい気がしますね。
姉妹で登山中にしびれを感じたセイディ。 死ぬ予感がするセイディを安心させるために行ったMRI検査でしたが、脳に悪性腫瘍が。
悪性髄膜腫で治療法はなく緩和ケアしかないというのがショッキングでしたが、実は悪性腫瘍ではなく、寄生虫! 放射線科医も気付かなかったわずかな違いと、好酸球数に疑問を持ったショーン。誰も気付かなかった細かなことから、寄生虫の可能性を見つけ出すのショーンはやはりすごいですね。
好酸球は寄生虫と戦うのが得意な免疫機能だそう。
ショーンは食品の衛生管理が悪い日本料理店で食事をしたセイディの脳には寄生虫がいると判断。 検査の結果、セイディは孤虫症と診断されました。
生ものを食べたことで寄生虫に寄生されてしまったようです。 脳に寄生虫がいるなんて考えただけでも気持ち悪いですね。 しかも、それが悪性の腫瘍に見えていたとは…。
サーモンなど生魚にいる寄生虫アニサキスが原因の食中毒や、サナダムシなどが寄生虫として思いつきますが、気付かないまま脳にまで寄生虫が増殖していたというのがおそろしい! 生で食べるなら、食品の衛生管理がしっかりしたところでないといけませんね。特に海外のお店は危険そう。
見事に正しい診断をしたショーン。そのことはハンに褒められますが、外科のレジデントに戻るのは無理でした。 自分で立ち向かったショーンでしたが、病理の方が向いていると言われてしまうことに…。
ショーンには外科医になる夢をかなえてほしいですが、ハンの言うことにも一理あるのは確か。 ショーンが乗りこえなければならない試練であることは間違いないようです。
化学療法が終わったグラスマンでしたが、シーズン2 第6話「歩み寄ること」でデートしたデビーには振られることに。 楽しいときだけ一緒に過ごしたいグラスマンとは真剣につき合うことができないと思ったようです。
化学療法が無事に終わってよかったですが、デビーを失ったのは残念ですね。
『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン2の登場人物・キャスト
『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン2の登場人物・キャストの紹介はこちら≫
ドラマの中で流れた曲
- On The Nature of Daylight - MAX RICHTER, CELLO OCTET AMSTERDAM
- Muddy Waters - LP