- 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン2 第3話「配達」
- The Handmaid's Tale Season2 Episode3 "Baggage"
※ネタバレしています。
あらすじ
ジューンは2か月間、新聞社ボストン・グローブのビルに身を隠していた。
カナダのリトルアメリカでジューンの夫ルーク、エリンと暮らしているモイラはギレアドから逃げてきた人々の支援をしていた。レズビアンが集まるクラブで女性と出会ったモイラだったが、トラウマでその気にはなれない。
ジューンはボストン・グローブを出て、オマールの運転で飛行場近くの協力者の家へ行く予定だったが、協力者の家はバレ、ジューンは頼み込んで「便利者」たちが住み、オマールの家族が暮らすアパートで匿われる。 オマールは実はイスラム教徒だった。
オマールたち家族は教会へ行ったきり、帰って来ず、ジューンは「便利者」のグレーの服を着て、1人で飛行場へ向かう。 ジューンの母親は女性活動家で、活動に参加しない娘に対して腹立たしく思っていた。 ジューンは娘のハンナを置いて逃げることに苦しむが、この状況になってジューンは母親を許し、娘のハンナにも許してもらいたいと願う。
逃げてきた司令官の運転手とジューンを乗せて、飛行機は離陸するが、銃撃され、飛行機は停止。パイロットは処刑され、運転手とジューンは飛行機から引きずり下ろされる。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン2第2話「不完全女性」前回のあらすじと感想はこちら≫感想
あともう少しで逃げられたジューン。今回は、ジューンと母親との関係が描かれていました。
ボストン・グローブで2か月も過ごし、「女は環境への適応力が強い」と母親ホリーならそう言うはずと考えるジューン。 2か月も、ずっと外にも出られないなんて…。
キレアドを作った「ヤコブの息子たち」について調べるジューン。SNSやネットを通じて勢力を拡大していったというのが、ありえそうで怖いですね。 「ヤコブの息子たち」というカルト教団は国を乗っ取った以前にも、活動。それなのに誰もこんな状況になるとは気付いていなかったというのが恐怖。隠されたところでギレアドが作られる芽は着々と育っていたようですね。
トラウマに苦しむモイラ
モイラはカナダのリトルアメリカで支援活動。 ルークやエリンと一緒に暮らし、平穏な生活を送っているようですが、モイラもトラウマに苦しんでいるようですね。
働かされていたナイトクラブ「イゼベルの店」で名乗っていた「ルビー」という名前を教えるモイラ。 ギレアドで負った心の傷が癒えるのには時間がかかりそう。
侍女にされ、言葉を離せなくなっていたエリンが言葉を発したときにはびっくり。 ルークと一緒に逃げてきたエリンは言葉が話せるまでに回復してよかったですね。
ジューンの母親は女性活動家だった
ジューンの母親は活動家で、紙は自分を犯した男の名前を書いて燃やすデモに。 雪みたいにたくさんの紙きれというのが、それだけ多くの女性が暴行されたという事実に打ちのめされそう…。
医者だから、ビンを投げつけられたというジューンの母親ホリー。 「いつものこと」だというのが、ぞっとしますね。
マーク・ビットマンの新しい料理本でディナーを作るため、ハンドブレンダーを借りに来たジューン。マーク・ビットマンは NYタイムズの有名な料理記者なんだそう。
母親に出版社の仕事を認めてもらえないジューン。ルークと結婚することも反対。「ままごとしてる場合じゃない」と辛辣な言葉まで。母親はジューンにも活動家になってほしかったようですね。 「犠牲を払って育てた娘が安定志向で腹が立つ」と言うホリー。子どもは母親とは違う人間だし、子どもを母親の思い通りにするのは無理が…。
ジューンもそんな母親のことを苦々しく思っていたようですが、ようやく母親を許せるように。 どんな母親も完全には子どもの理想を満たせないし、子どもも親の理想を満たせないと気付くジューン。
ずっと仲良しというわけにはいかず、親子の間には色々な感情が入り混じるのは当然なのかもしれませんね。 母親には、特に完璧で理想の母親像を押し付けられがちですが、母親も人間であることに変わりないですもんね。
娘のハンナを連れて逃げることを諦めたジューンの引き裂かれるような気持ちを想像するとつらい…。でも、そのことで母親のことを許すことができるように。 ハンナと再会できる日が来てほしいと願わずにはいられませんね。
ジューンの母親は侍女の訓練施設のスライドショーでコロニーで働かされていることが判明。
活動をつづけた母親も正しいし、危険だと止めたジューンも正しいと慰めるモイラ。徹底的に戦うのジューンの母親は今も生きているのでしょうか…。
ジューンの母親ホリー役を演じているのは、チェリー・ジョーンズ。この役で、エミー賞にノミネートされました。
ジューンはオマールに助けられる
ボストン・グローブから倉庫へ運ばれたジューン。取り外された標識がたくさん。ギレアドは標識まで外し、地名まで変えてしまったようですね。 マサチューセッツ州のセーラムと言えば、魔女狩りで有名。
ジューンを匿ってくれたオマールはコーランや祈るためのマットを隠し持つイスラム教徒。「便利者」と呼ばれる人々はグレーの服で、アパートに住んでいるようですね。 大多数の人たちは「便利者」なのでしょうか…。
妻のヘザー、息子のアダムと暮らすオマール。「みんな、聞き耳を立ててる」と子どもまで警戒しているのが、どれだけおそろしい社会かわかりますね。「便利者」の社会も相互監視され、息の詰まる生活が。正に監視社会…。
勇敢ではなく、愚かだから助けると笑って答えるオマール。教会に行ったまま、帰って来なかったオマールの家族が心配ですね。 無事なのでしょうか…。
以前なら、楽観視して行動しなかったジューンは、行動を起こし、1人で飛行場へ。「娘をフェミニストに育てるとじっと男の助けを待つ女になる」は今までの自分自身のことを言っているようでしたね。
電車にまで銃を持った警備が。 やっと飛行機でカナダに逃げ出せると思ったら、引きずり降ろされるジューン。この後、どんな罰が待っているのか考えただけでおそろしいですね。
曲
- GO! (feat. Karen O) - SANTIGOLD
- Tin - DAPHNI
- Black Powder - MOTOR
- Hollaback Girl - GWEN STEFANI