『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case6 「失われた光」のあらすじと感想 ネタバレ注意!

※ネタバレしています。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
Case6 「失われた光」のあらすじ

撃たれたモースは4か月後に復帰。 さっそく、ペティファーの飛び降り自殺の捜査を担当することになる。さらに、カレッジから宝物が盗まれたり、フリーダ・ヤランドの失踪・殺害事件が発生する。

モースは3つの事件がつながっていると推理するが、宝物を盗んだのはパンフレットや紹介の写真を撮った元学生でカメラマンだったトーマスとデルファージ。2人はペティファーとフリーダの殺害には関係していなかった。

バッテン大尉は戦死していたが、スパーリング兵卒は上官だったバッテン大尉になりすまし、人生をやり直していた。 フリーダはバッテン大尉になりすましたスパーリングの実の娘。偽のバッテン大尉は実の娘と関係を持ってしまい、真実が公になることを恐れたバッテン大尉はフリーダを黙らせるため、秘密結社仲間のヴァル・トッドに協力を依頼。

ヴァルは部下のトニー・フリスコに殺害を実行させる。 トニーはこん棒でフリーダを殺害。探偵のペティファーはヴァルの妻に浮気調査を頼まれ、ヴァルを尾行していて 犯行を目撃していた。

ペティファーのメモは秘密結社フリーメイソンの98018番支部、D-Day支部(ドゥームズデイ支部)という意味だった。 犯行を目撃したペティファーは殺害現場や遺体を遺棄した場所の写真を撮って、脅迫。 ヴァルは脅迫してきたペティファーをトニーに始末させていた。

フリーダ殺害現場に残されていた葉巻の吸い殻が証拠になり、バッテン大尉、トニー、ヴァルの3人は逮捕される。 事件は解決するが、事件現場から消えたペティファーの手帳は何者かの手に渡っていた。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case5 「家族の絆」前回のあらすじと感想はこちら≫

Case6 「失われた光」の感想

復帰したばかりのモースの推理は絶不調。3つの事件がつながっていると推理したモースでしたが、泥棒と殺人事件は無関係でした。

シーズン2は1966年が舞台のようですね。1066年のノルマン=コンクェストから900年の節目の年。

歴史にくわしくないので、調べてみるとフランスのノルマンディー公ウィリアムによるイングランド征服は1066年。ドラマの設定は1966年ということで、ちょうど900年後。 ボーフォート・カレッジから盗まれた宝物もノルマン=コンクェストにまつわるものでした。

宝物を盗んだ犯人

宝物を盗んだのは、写真スタジオのトーマスとデルファージ。 侯爵の息子で ボーフォート・カレッジに通っていたことのある男でした。 それにしても、本名が長い…。

泥棒は地下トンネルを流れるトリル・ミル川から侵入。 そこに遺棄されていたのが、失踪したフリーダの遺体。害虫駆除をしてトンネルの存在を知っていたトニーが遺体が見つからないように、この場所に運んでいました。

最初、モースはカレッジのバーンズを疑っていましたが、シロ。知識をひけらかして人を小馬鹿にするバーンズの間違いを指摘するモース。さすがですね。スカッとしました。

「ドゥームズデイ」

殺されたペティファーのメモから、バーンズが犯人だとにらんだモース。 数字の98018は逆さまに読んで81086、つまり8月1086年、 ドゥームズデイ・ブックが作られた時だと推測。

ドゥームズデイ・ブック(Domesday Book)とはノルマン=コンクェストを行い、イングランド王になったウィリアム1世が1086年に制作させた土地台帳のこと。

本来、ドゥームズデイ(Doomsday)はキリスト教の「最後の審判」のことを意味する言葉。土地や財産などをくわしく調査し、課税の基礎となった土地台帳は、人々の行いを明らかにし、罪を決定することから「ドゥームズデイ・ブック」と呼ばれるようになったそうです。 現在では、中世イギリスを研究するための重要な資料になっているそう。

しかし、このモースの推理は間違い。バーンズは盗みにも殺しにも無関係。ただの鼻持ちならない男というだけでした。

女性に対しても失礼な発言をするバーンズ。バーンズが個人教授だというキティが気の毒…。

襲われるモース

歯医者だと偽っていたペティファーは興信所の人間。興信所の事務所に入ったモースはバッテン大尉に殴られて気絶。

さらに、ロンドンのマロリー警部補たちにペティファーだと間違えられて、ボコボコにされてしまいました。 復帰したばかりなのに、またしてもひどい目に遭うモースがかわいそうですね。

モースを殴った人物が警察だったというのも驚き。 てっきりマフィアかと…。

金庫の暗証番号は絵画のエリザベス1世の治世期間(1558年~1603年)だと当てるモース。モースの知識と観察力が見事に発揮されました。

サーズデイ警部補はモースがボコボコにされた敵討ち。2人を相手にしながらも、マロリーたちを打ち負かしたようです。強いサーズデイ警部補。ロンドン土産はメリケンサック!

モースはモニカと知り合う

引っ越したモースはお向かいの部屋のモニカと知り合いに。6ペンスや缶切りを貸し借りする2人。モースはミス・イギリスの広告を見て、さっそくイワシの缶詰めを買ったようです。

ガスを使うには6ペンス硬貨が必要で、貸してほしいというモニカ。ガス料金はその都度払う必要があったようですね。

ご近所付き合いが始まり、モースが脳震とうのときも、朝食を持ってきてくれたり、励ましてくれたりする看護師のモニカ。 モースといい関係になりそうですね。

酒の量が増えるモース

私立探偵のペティファーは恐喝の常習犯。フリーダの殺害犯も脅迫し、殺されてしまったのでした。殺人犯たちを脅すなんて、殺してくれと言っているようなものなのに…。

危険を感じ、保険のため質屋にネガを預けていたペティファー。その写真からフリーダの殺害現場でヴァルが昔 働いていたリゾートのファンダーランドが判明。

モニカに借りた赤い原付でファンダーランドに向かうモース。休めと言われても聞かないモースなのでした。そこで血のシミや遺体が包まれていたのと同じ柄のカーテンを発見。

近くの川にはフリーダのバッグが捨てられていました。バッグを見つけるも銃で撃たれそうになるモース!  犯人かと思ったら、ガソリンスタンドを経営し、土地を所有しているフィッシャーでした。

また犯人に撃たれてしまうのかと、ドキドキしましたね。 復帰したモースですが、心の傷はまだ癒えていないようで、グラスが割れた音や車のバックファイアの音に敏感に反応。お酒の量も増え、家は空の酒瓶だらけ…。

サーズデイ警部補も心配し、控えるように助言。でも、ビールはOK。 モースがPTSDでアルコール依存症にならないか心配です。

復帰前にいたウィットニー署では単純作業をやらされていたようで、やつれたモースはあざけりと屈辱を食べていたと言うほど…。よほど、ひどかったようですね。

事件にはフリーメイソンが関係

犯人は秘密結社のフリーメイソンに所属。フリーメイソンと言えば、陰謀論などによく登場するおなじみの組織。

バッテン大尉の正体はスパーリングで、フリーダの実の父親。美人コンテストで審査員として参加したバッテン大尉と出会ったフリーダ。 バッテンは何も知らず、フリーダと関係。あとから、自分が実の父親だと知るのでした。 最悪の出会い…。

妻子を捨てて、死んだフリをしたのがそもそもの間違い。 バッテン大尉は第二次世界大戦時にウスターシャー連隊に。 通称ソース部隊。実際に存在する連隊で、イギリスのウスターシャー州でウスターソースが誕生したことから、ソース部隊という通称がついたようです。

バレるのを恐れたバッテン大尉はフリーメイソン仲間でモデル事務所のヴァル・トッドに相談。ヴァルは部下のトニーにフリーダとペティファーの殺害を指示していました。

ペティファーのメモの98018はフリーメイソンの98018番支部のこと。

D-Dayは98018番支部の通称ドゥームズデイ(Domesday)支部のこと。

Fridayは金曜日ではなく、「Frida Y」でフリーダ・ヤランド(Frida Yelland)のことでした。

歴史的に有名なD-デイは 1944年6月6日。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦が始まった日。 ミス・イギリスのダイアナ・デイ(Diana Day)も 6月6日が誕生日だったことから、D-Dayと略すことのできるダイアナ・デイ(Diana Day)という名前に改名していました。

犯人たちをフリーダ殺害現場におびき出すモースたち。 トッドが吸っていた「ロミオとジュリエット」の葉巻の吸い殻が証拠になり、全員逮捕。「ロミオとジュリエット」という葉巻は実在している銘柄で、キューバ産。イギリスの政治家ウィンストン・チャーチル愛用の葉巻としても有名なんだとか。

推理が外れ、ムキになって激昂したモースでしたが、最後は真相を突き止めることができました。

ムキになったモースを脳しんとうのせいだとフォローしてくれるサーズデイ警部補はまさに理想の上司。まるで、モースの父親のよう。自分の間違いをすぐに認められずに、ムキになったのもPTSDの症状なのでしょうか?

ブライト警視正にもいさめられてしまいました。しかし、復帰したばかりのモースにブライト警視正も気を遣っているようで、甘くなるのでした。

警察内にもフリーメイソンの仲間が

逮捕されたヴァルはモースを脅迫。 警察内部にも仲間がいるようです!

消えたペティファーの手帳は何者かの手に…。 フリーメイソンの握手には独特の方法があるそうで、モースも仲間だと思わせるために、ちょっと変わった握手をしていましたね。

影でうごめく闇の秘密結社。 ストレンジは誘われて秘密結社の交流会に行ったそうですが、まさか仲間になってしまったのでしょうか?

交流会のことを相談されたモースは「2人の主人には仕えられない。自分を見失うな」と忠告。 手帳を渡したのはストレンジではないと信じたいですね。

一体誰が証拠品を盗んでいったのか? その証拠品の手帳が渡った相手は誰なのか気になります。

やっかいな相手に目をつけられてしまったモースですが、サーズデイ警部補は気にするなとアドバイス。 いつもの調子に戻ったモースはサーズデイ警部補のサンドウィッチの具を当てるのでした。

サーズデイ警部補のサンドウィッチ・スケジュール

  • 月曜日 チーズとピクルス
  • 火曜日 ランチョンミート
  • 水曜日 ???
  • 木曜日 ハムとトマト
  • 金曜日 コンビーフ

ランチョンミートということはこの日は火曜日。 サンドウィッチがドラマのいい脇役になっていますね。水曜日はまだ登場していません。

原作者のコリン・デクスターは開始から28分ほど、ベンチに座ってカメオ出演しています。

英題のTroveには「宝物、貴重なコレクション」という意味があるそうです。

Case6 「失われた光」で流れた曲

  • A German Requiem, Op. 45: II For All Flesh it is as Grass - ブラームス
  • Suicidio! - アミルカレ・ポンキエッリのオペラ「ラ・ジョコンダ」より
 

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