- 『クワンティコ』シーズン2第20話「戦いの果て」
- Quantico Season2 Episode20 "GLOBALREACH"
※ネタバレしています。
あらすじと感想
大統領のクレアは違法な捜査チームを組織したとして弾劾裁判に追い込まれる。 クレイとシェルビーはロアークを失脚させようと、秘書のフェリックスをハメて、ロシアに機密情報を売ったように見せかけようとするが失敗。
潜入したアレックスは、FBI本部でロアーク側に協力するよう説得。FBIに入るときアレックスのバッグに入っていた水のペットボトルには毒ガスが仕込まれていた。没収された水のペットボトルは廃棄物処理室へ。廃棄物処理室の通気口はクレアの捜査を担当するロウリー捜査官の部屋につながっていた。 アレックスはロアークたちの計画の全貌をさぐるため、毒ガスをそのままにする。
クレアはFBI捜査官のロウリー殺害計画の黒幕だと思われてしまう。クレアは辞任し、ロアークが大統領を引き継ぐことになる。
『クワンティコ』シーズン2第19話「一網打尽」前回のあらすじと感想はこちら≫弾劾裁判とは
またしても作戦は失敗。ついにロアークが大統領に!
弾劾裁判に追い込まれたクレア。 弾劾裁判はアメリカ大統領を罷免するための制度で、下院の過半数の賛成があれば、上院で弾劾裁判が行われることになるんだそう。 弾劾裁判では上院議員全員が陪審員役を務め,連邦最高裁長官が裁判長に。
アメリカ初の弾劾裁判を受けたのは1867年のジョンソン大統領。大統領権限の範囲をめぐって下院と対立して弾劾裁判になったそうですが、罷免にはなりませんでした。
1999年にはクリントン大統領が不倫スキャンダルの偽証で弾劾裁判を受けることに。クリントン大統領は無罪になり、罷免はされませんでした。
1974年ニクソン大統領もウォーターゲート事件で弾劾裁判に追いこまれそうになりますが、その前に辞任しています。
【黒幕の協力者8人】- MONEY 資金 クリスチャン・ケリー
- GOVERMENT 政府 ヘンリー・ロアーク
- LAW 法 トーマス・ロス 死亡
- LOGISTICS 物流・兵站 レベッカ・シャーマン 死亡
- TECHNOLOGY テクノロジー ピーター・テオ
- DEFENCE 防衛 アリス・ウィンター
- MEDIA メディア ウォーレン・シェパード
- IDEOLOGY イデオロギー マックスウェル・フレッチャー
ロアークの弱点を探す
ライアンとシェルビーは人目を避けるため、ファームで軟禁状態で2人で一緒に映画鑑賞。ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントが出演するラブストーリー『ノッティングヒルの恋人』と2012年アメリカ在外公館襲撃事件を題材にした戦争映画『13時間 ベンガジの秘密の兵士』を見たようです。テイストが正反対。
ロアークが大統領になるのを阻止しようと、ロアークの粗探しをするライアンたち。 下半身のスキャンダルも怪しいカネの動きもゼロ。裏であくどいことをしていそうなロアークでしたが経歴はまっさら。
ちなみにクレイが名前をあげた下半身のスキャンダルで失脚したという政治家は実在していました。 ニューヨーク州知事だったエリオット・スピッツァーは高級売春クラブの顧客だったことが判明し、辞任。
下院議員だったアンソニー・ウィーナーはツイッターにブリーフ一枚の下半身写真を投稿。 さらに女性と性的なメッセージや画像を送り合う〝セクスティング〟をしていたことも発覚し、失脚。 妻がヒラリー・クリントンの側近だったことから、クリントン落選の要因になったと言われています。そのスキャンダルを題材にしたドキュメンタリー映画『ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ』も製作されています。
上院議員だったジョン・エドワーズは選挙活動中にジャーナリストの女性と不倫していたことや隠し子がいることが発覚し、スキャンダルに。
ロアークを失脚させるため、シェルビーとクレイはレイナを操って、フェリックスをハメることに。 ロシアの情報提供者だった記者のサーシャ。そのサーシャの担当者とフェリックスを引き合わせ、機密情報をロシアに売ろうとしていたと見せかける作戦。
レイナを操ってうれしそうなシェルビーが怖い…。 ロアークと同じように汚い作戦に出たクレイとシェルビー。 それでも、レイナとフェリックスが連絡をとってしまい、作戦は失敗。協力してくれる気になっていたフェリックスを失ってしまいました。 友人や善人を裏切っても大義を果たすというシェルビーにレイナは反発。悪党を止めるためにどこまでやるのかが問われることに。
クレイもフェリックスに今はロアークと同じ悪人だと非難されてしまいました。 フェリックスはロアークからもクレイからも離れるために、辞職。ニマの居場所もわからないままに。
チームの作戦は失敗続きで、チームもバラバラに空中分解してしまいそうですね。
FBIへの攻撃に加担してしまうアレックス
アレックスとオーウェンは独自に協力者たちを捜査。 アレックスは寝返ったと思わせ、ロアーク側に潜入!
不安な様子のアレックスにお守りとしてコインを渡すオーウェン。 同じようにコインを渡したというヘレン・シャープはオーウェンが守れず死なせてしまったドイツの情報提供者。 第11話「敵陣からの脱出」でその話が登場していましたね。
第15話「流された偽情報」でも登場した民間軍事会社のグレープール本社に集まった協力者たち。アレックスは政権移行の準備のために、CIAなどの諜報機関の説得を頼まれることに。 ロアークが作る「新しいアメリカ」のメッセージを伝えてほしいと頼まれるアレックス。
大統領になることが目的ではないと言っていたロアークですが、大統領の地位についてから何か大きな計画を推し進めるつもりなのでしょうか? ロアークの言う「新しいアメリカ」とは…。おそろしい最終計画が待ち受けていそうです。
アレックスはまずアリス・ウィンターとCIA本部へ。潜入捜査とはいえ、キーズを脅して作戦本部長を辞任するように迫るアレックス。精神的にキツイ仕事ですね。
つぎはFBI本部へ。いつの間にかアレックスのバッグに入っていた水のペットボトルは毒ガス入りの化学兵器! オウム真理教が東京で起こした地下鉄サリン事件が例にあげられていました。
地下鉄サリン事件 - Wikipedia
地下鉄サリン事件(ちかてつサリンじけん)とは、1995年(平成7年)3月20日に、東京都で発生した同時多発テロ事件である。警察庁による正式名称は地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件
FBIの攻撃に利用されてしまったアレックス。 なんとか阻止しようとしますが、オーウェンは潜入がバレてしまうと反対。 ケータイを追跡してアレックスを見つけたライアンも阻止しようとしますがアレックスに殴られて気絶。
アレックスはロアークたちの計画を知るためにFBIへの攻撃をそのまま放置。通気口を壊して、被害が最小限になるようにしたみたいですね。
死亡者はゼロ。毒ガスを吸った人は全員回復するということで一安心。それでも、化学兵器によるFBIの攻撃を放置するのはあまりにも危険。 潜入捜査を成功させるために、どこまでロアークたちの悪行に目をつぶるのか難しい選択を迫られることに。今回、アレックスはFBIの攻撃を黙認。ライアンはそのことに激怒!
シェルビーとクレイ、アレックスとオーウェンはそれぞれ、大義のためにどこまでやるのかを問われることになったようですね。
結局、クレアは大統領を辞任。 クレイもチームを去ることに。 ロアークのクーデターは着々と進行しているようです。
残りはあと2話。アレックスは潜入捜査でロアークたちの計画を探り出し、阻止することができるのでしょうか?
英題の"GLOBALREACH"はデータ分析ツールを指すCIAの暗号名だそう。
登場人物・キャスト
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ドラマの中で流れた曲
- Green Light - LORDE
- The Fire - BISHOP BRIGGS
- Liability - LORDE
気になったセリフをPick Up
「15年、信じてきた。意見は違ってたが、君の人となりや、その心根はよく知っていたし。ロアークが悪人だと言うなら今の君も同じだ。だから、辞職した。どちらにも会わずに済む。」"15 years I trusted you. Even when we didn't agree, I knew it was never personal because I knew who you were inside. If Roarke is the man you say he is, then you are now no better than him, which is why I resigned. So I never have to see either of you again."
クレイにハメられそうになったフェリックスのセリフ。作戦はまた大失敗。クレイは友達をなくすことに…。
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