『主任警部モース』「森を抜ける道」あらすじと感想・曲 ネタバレ注意!

海外ドラマ『主任警部モース』
  • 『主任警部モース』シーズン8 第1話「森を抜ける道」
  • Inspector Morse Season8 Episode1 "The Way Through the Woods"

※ネタバレしています。

『主任警部モース』シーズン8 第1話「森を抜ける道」のあらすじ

5人を殺したと自白していたスティーブン・パーネルが拘置所のケンカで殺される。パーネルは死ぬ間際、牧師に「5人目の女性を殺したのは俺じゃない」と言い残していた。 パーネルの手口はカップルの男女を襲うものだったが、5人目のカレン・アンダーソンは1人で、死体も出ていなかった。

ルイスを従え、パーネル事件の担当だったジョンソン警部は、パーネルの死で事件は終わったことにしようとする。 しかし、モースはカレン・アンダーソンを殺したのはパーネルではないと確信していた。

モースはカレン・アンダーソンのバッグをブレニムで拾ったジョージ・デイリーに話を聞きに行く。 その後、ジョージ・デイリーは撃ち殺され、ブレニムの庭園で死体が見つかる。

モースはジョージ・デイリーがカレンのバッグだけでなく、カメラも拾っていたことを突き止める。 カレンが撮った写真から、パークタウンに住む整骨院のマクブライドが浮上。写真に写っていた男は、南アフリカから留学に来ていたジェイムス・マイトンだった。

整骨院のマクブライドの患者だったロンズデール・カレッジの経理部長アラン・ハーディング、ジェイムス・マイトン、そしてマクブライドは女性のヌード写真を撮る趣味を持っていた。 カレン・アンダーソンは新聞のモデル募集広告を見て、マクブライドの家に来ていたという。

モースは経理部長アラン・ハーディングの義理の妹クレアと親しくなる。しかし、娘をひき逃げ事件で亡くして心を病んでしまった姉の夫であるアラン・ハーディングと寝ていたことが判明する。

カレンが持っていた絵葉書には「またここで会いたいね M」と書かれていた。絵葉書の絵はラファエル前派の画家ミレイが描いた「ウッドマンの娘」だった。 「ウッドマンの娘」の背景はワイタムの森。 モースはワイタムの森にカレンの死体があると推理する。

ワイタムの森の森林管理人のデイヴ・マイクルズに案内してもらいながら、ワイタムの森を捜索。その結果、骨が発見されるが、それはカレンではなく、ジェイムス・マイトンの骨だった。 南アフリカに帰国したと思われていたマイトンは顔をひどく殴られて死亡していた。

ルイスは下働きばかりさせるモースへの不満を爆発させるが、容疑者のジョージ・デイリーの息子に暴行するジョンソン警部に不信感を感じ、ルイスは独自に調べ直すことにする。

モースはジョージ・デイリーの行きつけのガソリンスタンドを納屋のカレンダーから特定。 ガソリンスタンドのネブルハント・モータースの防犯カメラの映像には、ジョージ・デイリーの他にワイタムの森の森林管理人のデイヴ・マイクルズの妻キャシーが映っているのを発見する。

殺されたと思われたカレン・アンダーソンの正体は、15歳で父親を銃で撃ち、少年院に送致後、サナトリウムに7年間入っていたケイト・バーンズだった。 カレンはマイトンにレイプされそうになり、正当防衛で殺害。そこに森林管理人のデイヴ・マイクルズが来て、カレンを小屋に連れ帰り、キャシーとなり、結婚。

7月に死んだマイトンが生きているように見せるため、8月からの家賃を小切手で払っていた。

カレンはバッグとカメラをブレニムに捨てていたが、ジョージ・デイリーが捨てるカレンを目撃。 ガソリンスタンドのネブルハント・モータースで偶然出会ったことで、キャシーの正体がカレンだと気付いたのだった。 カレン(キャシー/ケイト)は小屋に脅しに来たジョージ・デイリーをライフルで撃ち殺し、死体をブレニムの庭園に移動していた。

真実がバレたカレン(キャシー/ケイト)は興奮して夫のデイヴ・マイクルズを撃ち殺し、ルイスまで殺そうとする。

カレン(キャシー/ケイト)は10歳から父親に性的虐待を受けていた。 モースに向けてライフルを撃とうとしたため、モースはシャベルで銃口の向きを変える。その結果、カレン(キャシー/ケイト)は死亡。

モースはカレン(キャシー/ケイト)を殺してしまったことにショックを受けるが、ルイスは檻に戻りたくないと言っていたカレン(キャシー/ケイト)にとってはよかったのかもしれないと言い、「勝利と挫折を味わう者はこれら詐欺師を平等に扱え」という全英テニス協会の言葉を引用するのだった。

『主任警部モース』シーズン2 第4話(通算7話)「ウッドストック行き最終バス」前回のあらすじと感想はこちら≫

『主任警部モース』シーズン8 第1話「森を抜ける道」の感想

クレアとデートするモース

名コンビだったモースとルイスの関係はギクシャク…。 ジョンソン警部がルイスのことをボブと呼ぶのが、変な感じでしたね。

5人が殺害されたパーネル事件が発生したとき、モースは休暇で、バイロイト音楽三昧の旅へ。

ドイツのバイロイトでは、7月~8月にかけてバイロイト音楽祭が開催されているようです。バイロイト音楽祭はリヒャルト・ワーグナー音楽祭とも呼ばれ、ワーグナー好きなモースは楽しんだようですね。

バイロイト音楽祭

バイロイト音楽祭(バイロイトおんがくさい、 独: Bayreuther Festspiele)は、 ドイツ連邦 バイエルン州北部 フランケン地方にある小都市 バイロイトの バイロイト祝祭劇場で毎年7月から8月にかけて行われる、 ワーグナーの オペラ・ 楽劇を演目とする 音楽祭である。別名 リヒャルト・ワーグナー音楽祭 ...

コンサートでも心惹かれる女性クレアと出会ったモースでしたが、今回も恋は実らず…。

デートでは、時代遅れになっていく自分を「私は恐竜のように滅ぶしかないだろう。 自分の力が警察で役に立たないと分かったところで消えゆくのみかな」と切ないことを語っていたモース。 それでも、モースの推理はまだまだ衰えてはいませんでしたね。

「ホームズとモリアーティ教授が滝に飛び込むことは今ではありえない」というのは、『最後の事件』でシャーロック・ホームズが宿敵のモリアーティ教授と共にライヘンバッハの滝に落ちたという話から。 「君を確実に破滅させることが出来るならば、公共の利益の為に僕は喜んで死を受け入れよう」というシャーロック・ホームズの言葉が有名ですね。

最後の事件

「 最後の事件」(さいごのじけん、 The Final Problem)は、イギリスの小説家、 アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。 シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち24番目に発表された作品である。イギリスの『 ストランド・マガジン』1893年12月号、アメリカの『マクルーア・マガジン』1893年12月号に発表。同年発行の第2短編集『 ...

結局、クレアは心を病んだ姉の夫アラン・ハーディングと関係していたことが判明。 姉がそれに気づいていたというのも、つらいものでしたね。

絵葉書の絵が手がかりに

今回は、監察医のマックスは登場せず、代わりにドクター・ホブソンが登場。さっそくマウスと間違われるモース…。

カレンが持っていた絵葉書の絵からワイタムの森を突き止めるのはさすがですね。 ワイタムの森は実際にオックスフォードの近くにある森だそう。

絵葉書に描かれていたのはイギリスの画家ミレイの『ウッドマンの娘(木こりの娘)』。

木こりの娘 | ジョン・エヴァレット・ミレイ

《木こりの娘》は、画家のによって制作された作品。制作年は1851年から1851年で、ギルドホール美術館に所蔵されている。 《木こりの娘》が1851年にロイヤルアカデミーで最初に展示されたとき、コヴェントリー・パットモアの悲劇的な恋の詩「木こりの娘」の行の次の引用が添付されていた。 モードは手伝いに行っただけだった そして一方でジェラルドは木をのこぎりで切った ...

『ウッドマンの娘(木こりの娘)』の背景に描かれていたのがワイタムの森でした。 「またここで会いたいね M」の「ここ」は「ワイタムの森」のこと。Mはマイトンのことだったようです。

しかし、マイトンはカレンをレイプしようと襲いかかり、正当防衛でカレンに殺されることに。 まさかカレンのものだと思われた骨がマイトンだったとは驚きでしたね。

カレンが正当防衛でマイトンを殺した時に、偶然出会ったのが、森林管理人のデイヴ・マイクルズ。 カレンが生きていて、しかも森林管理人の妻キャシーになっていたとは! 

ずっと正体を隠していたキャシーでしたが、偶然にもガソリンスタンドでジョージ・デイリーに気づかれてしまったのでした。 ゆすってきたジョージ・デイリーをワイタムの森の小屋で撃ち殺していたカレン(キャシー)。 ブレニムの庭園が殺害現場とばかり思っていましたが、実は別の場所というのが意外なトリックでしたね。

キャシーの正体は…

心から愛してくれた夫のデイヴ・マイクルズまで撃ち殺したキャシー。 キャシーの正体が、カレンで、本名はケイト・バーンズだと、二重に隠されていたのが複雑でした。

ケイト・バーンズは父親から性的虐待を受け、心が壊れてしまったようです。父親もマイトンも最低…。 檻に戻りたくないとモースやルイスも撃とうとするカレン(キャシー/ケイト)。結局、死んでしまう結末が切ない。

父親に虐待を受けなければ、カレン(キャシー/ケイト)も幸せになれたのかと思うと、やりきれないですね。

今回はずっと対立していたモースとルイスでしたが、最後はいつものような名コンビに戻ったようで一安心。 それにしても、ジョンソン警部は嫌な奴でしたね。 ルイスを広域犯罪課の警部に引き抜こうとしていましたが、それはどうなってしまうのでしょうか…。

ルイスには出世もしてほしいですが、断ってモースのもとにいて欲しいですね。 「夢には代償も伴うぞ。 何かを得るということは、何かを捨てることだ」というモースの言葉が印象的でした。

カレン(キャシー/ケイト)を殺したことにショックを受けるモースは、この方が檻に戻りたくないと言っていた彼女にはよかったとルイスに慰められることに。

「君は強いなルイス。私よりもずっと」と言うモースに、「勝利と挫折を味わう者はこれら詐欺師を平等に扱え」と全英テニス協会の言葉を引用したルイス。 まさかの選手入場口に書かれている言葉を引用したルイス。 事件は悲惨な結末でしたが、ルイスの言葉で少しは救われましたね。

『主任警部モース』の登場人物・キャスト

『主任警部モース』の登場人物・キャストの紹介はこちらへ≫

ドラマで流れた曲

  • tring Quartet in g minor - クロード・ドビュッシー

『主任警部モース』のエピソードリストと主な登場人物・キャストの一覧 はこちらへ≫

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