『主任警部モース』シーズン1 第3話「死者たちの礼拝」のあらすじと感想・曲 ネタバレ注意!

海外ドラマ『主任警部モース』
  • 『主任警部モース』シーズン1 第3話「死者たちの礼拝」
  • Inspector Morse Season1 Episode3 "Service of All the Dead"

※ネタバレしています。

『主任警部モース』シーズン1 第3話「死者たちの礼拝」のあらすじ

セント・オズワルド教会でミサの最中、教区委員のハリー・ジョーゼフスがナイフで刺されて殺される。ホームレスの男スワンポールが献金目当てに殺したと思われるが、ハリー・ジョーゼフスのポケットには200ポンドが入ったままだった。 さらに検視の結果、ハリー・ジョーゼフスは致死量のモルヒネを飲まされていたことも発覚する。

この日、教会のミサに来ていたのは、ハリー・ジョーゼフス、ハリー・ジョーゼフスの妻で看護師のブレンダ、オルガン奏者のポール・モリス、信者で病気の母親の面倒を見るルース・ローリンスンたち。牧師のライオネル・ポーレンが聖アウグスティヌスの回心の祝祭を執り行っていた。

警察はホームレスのスワンポールを容疑者として手配するが、スワンポールの本名はポーレン牧師の弟で、サイモン・ポーレンだった。 モースはポーレン牧師には少年趣味があり、オルガン奏者のポール・モリスの息子で聖歌隊のピーターへのゆがんだ愛を疑う。

オルガン奏者のポール・モリスは、ハリー・ジョーゼフスの妻ブレンダと男女の関係だった。

ポーレン牧師は自殺、オルガン奏者のポール・モリスも首を絞められた後に塔から投げ捨てられて殺害され、オルガン奏者のポール・モリスの息子ピーターも殺され、教会の地下納骨堂の石炭に埋められた状態で見つかる。 さらに、ハリー・ジョーゼフスの妻ブレンダも殺された。

事件関係者が次々と殺される中、モースは聖アウグスティヌスの回心の祝祭日などないことを知る。

モースは次にルースが狙われると思い、教会の懺悔室で掃除に来たルースを監視。犯人の男が現れ、ネクタイでルースを絞殺しようとするところを助け出す。 犯人の男は塔へ上り、高所恐怖症のモースは犯人に襲われる。ルイスが燭台で犯人の頭を殴り、ふらついた犯人は塔から落ち、転落死する。 犯人の男は殺されたと思われていたハリー・ジョーゼフスだった。

ポーレン牧師は、弟でホームレスのサイモンに少年趣味だというウソの噂を流され、困っていた。そのことを牧師は、教区委員のハリー・ジョーゼフスに相談。 サイコパス傾向のあったハリーは、サイモンを殺せばいいと提案。

ポーレン牧師には多額の遺産があり、オルガン奏者のポール・モリスとブレンダには駆け落ちの金が、ルースは母親の病気で金が、ハリーはギャンブルで借金があり、人生をやり直すために金がそれぞれ必要だった。 ポーレン牧師は架空のミサを行い、ハリーがホームレスのサイモンを殺害。オルガン奏者のポール・モリスとルースは、死体がハリーだとウソの証言をしたのだった。

サイモンにモルヒネを飲ませたのは、死ぬ前にハリーの服に着替えさせるためだった。

ポーレン牧師は自分に捜査の手が迫り、自殺。ハリーは浮気していたオルガン奏者のポール・モリスと妻のブレンダも嫉妬で殺害。 オルガン奏者のポール・モリスの息子ピーターまで、浮気の仕返しに殺していた。

モースが男の正体に気付いたのは、元海兵隊員のハリーが海兵隊コマンドのネクタイをしていたからだった。 ハリーを愛していたルースは、ハリーを自宅にかくまっていた。

モースは恋心を抱いていたルースの罪を軽くするため、自首しようとしていたと証言。 ルースには懲役1年半が言い渡されるのだった。

『主任警部モース』シーズン1 第2話「ニコラス・クインの静かな世界」前回のあらすじと感想はこちら≫

『主任警部モース』シーズン1 第3話「死者たちの礼拝」の感想

教会で殺人事件が発生

教会という神聖なはずの場所で起こった殺人。そこには、神聖さとは、ほど遠いドロドロの人間関係が…。 まさか、最初に殺されたと思われていたハリー・・ジョーゼフスが生きていたとは!

しかも、ミサに来ていた信者は全員グル…。 牧師まで教会で人を殺すことを許可していたとは、みんな信心深そうに見えて、実は欲望に勝てなかったようです。

はりつけのキリストのナイフで刺殺に見せかけるのも、キリスト教の信者とは思えない…。

ハリーの妻ブレンダは、オルガン奏者のポール・モリスと浮気。ハリーはギャンブルにハマり、ルースは病気で支配的な母親の面倒で縛り付けられていました。 まさかルースが死んでと思われていたハリーと関係していたのも驚きましたね。謎の男はハリーでした。人間関係がドロドロすぎる…。

ポーレン牧師は、弟サイモンに迷惑をかけられ、我慢の限界に。サイモンと共に神学校へ行っていたようですが、サイモンの方は聖職者の才覚があったにもかかわらず、女と酒で身を持ち崩してホームレスに。 若い頃はサイモンの方が期待されていたのに、兄を恐喝するホームレスにまで落ちぶれたというのが、人生、分からないものですね。

クジャクの特質を持ってたというサイモン。 ポーレン牧師にかけられた少年趣味はまったくのデマで、サイモンが流したうわさでした。 それにしても、クジャクの特質というのは珍しい例えですね…。

ポーレン兄弟の校長は、モースの名前はフランスの「モーリス」から出ていると解説。 「モーリス」というイギリスの自動車メーカーがあったようですが、現在は存在していません。

モーリス (自動車)

1913年に自動車生産を開始したモーリス自動車(Morris Motor Company)を起源とし、1930年代以降はより大きな自動車会社の一部門、もしくは ブランドとなっていた。モーリスの名前を冠した自動車は、 BL社 の乗用車「モーリス・アイタル(Morris Ital)」の販売が終了した1984年がその最期となった。...

スワンポール(Swanpole)は、サイモン・ポーレン(Simon Pawlen)のつづりがえでした。

次々と犠牲者が

ピーターがポーレン牧師に性的虐待を受けていなかったのはよかったですが、なんと子どものピーターまで殺されることに。

オルガン奏者のポール・モリスに、ブレンダまで死亡。次々と死者が出てしまい、監察医のマックスには「モースを可及的速やかに捜査から外さないと新しい墓地がいる」と言われてしまうことに。確かに、真相を突き止める前に死者が出すぎですね…。

子どものピーターまで犠牲になったのが、残酷。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という理屈で、不倫の代償によって関係のない子どもが犠牲になるなんて…。

ポーレン牧師は本当に自殺でしたが、モースとルースがいたところに飛び降りたのはゾッとしますね。 自殺者はメガネを外してから飛び降りるというモース。 これまでの捜査経験からつかんだ事実かと思いきや、なんとマッチ箱の裏の物知り辞典で覚えたというのがびっくり。

殺されたブレンダの手帳には、SO(セント・オズワルド教会)へ行くスケジュールが書き込まれていましたが、ハリーが死んだ26日の水曜は空欄。 ここでモースは名探偵シャーロック・ホームズの推理を思い出すことに。 モースが思い出したシャーロック・ホームズの推理は『白銀号事件』で番犬の犬が吠えなかったことが不自然だと気付き、犯人を特定した事件。何もなかったことが、逆に犯人を突き止める証拠になったのでした。

白銀号事件

「 白銀号事件」(しろがねごうじけん、はくぎんごうじけん、 Silver Blaze)は、イギリスの小説家、 アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。 シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち13番目に発表された作品である。イギリスの「 ...

しかも、ポーレン牧師が行った聖アウグスティヌスの回心の祝祭は存在しないことも発覚するのでした。

アウグスティヌス

アウレリウス・アウグスティヌス( ラテン語: Aurelius Augustinus、 354年 11月13日 - 430年 8月28日)あるいは アウグウティノは、古代 キリスト教の 神学者、 哲学者、 説教者。 ラテン教父とよばれる一群の神学者たちの一人。キリスト教が ローマ帝国によって公認され 国教とされた時期を中心に活躍し、正統信仰の確立に貢献した 教父であり、古代キリスト教世界のラテン語圏において多大な影響力をもつ理論家。 カトリック教会・ 聖公会・ ルーテル教会・ 正教会・ 非カルケドン派で 聖人。母 モニカも聖人である。 日本ハリストス正教会では 福アウグスティン と呼ばれる。 なお、イングランドの初代 カンタベリー大司教も同名の アウグスティヌスであるため、本項のアウグスティヌスはこれと区別して ヒッポのアウグスティヌス と呼ばれる。

犯人は殺されたはずのハリー・ジョーゼフスだった

金のために、全員が結託していたのが意外でしたね。 実は生きていたハリーが、連続殺人犯になっていました。

「上から人を見下ろすのは最高の気分だ」と言ったり、子どもまで手にかけたハリーは、元からサイコパス的だったようです。

関係を持っていたルースまで殺そうとしたハリー。 元海兵隊員で戦争に行き、心が壊れていたのでしょうか…。 高所恐怖症にもかかわらず、ハリーを追い、塔へ登ったモース。またルイスに助けられましたね。

そこにすべての答えがあるとルイスに勧めた『ゴドーを待ちながら』は ノーベル文学賞を受賞したサミュエル・ベケットが書いた戯曲だそう。

ゴドーを待ちながら

『 ゴドーを待ちながら』(En attendant Godot)とは、 劇作家 サミュエル・ベケットによる 戯曲。副題は「二幕からなる喜悲劇」。1940年代の終わりにベケットの第2言語である フランス語で書かれた。初出版は 1952年で、その翌年 パリで初演。 不条理演劇 の代表作として演劇史にその名を残し、多くの劇作家たちに強い影響を与えた。 ...

最後の謎である、モルヒネと刺殺、2度殺されていたのは、服を着替えさせるためだったと判明。 死体の服を着替えさせるのが大変だと知っていたハリーが怖い…。

捜査に個人的感情は差し挟まないようにしている」と言っていたモースですが、事件関係者のルースに恋に落ちていたモース…。ルースは母親に支配され、息苦しい生活を送っていました。 「ずっと刑務所暮らしをしてきたようなもの」というルースの言葉で、どれだけ母親に人生を邪魔されてきたか分かりますね。ルースの母親は、今で言う毒親そのもの。

やさしいモースは刑期が軽くなるように、自首しようとしていたと証言。下心からしたことでも、やっぱりやさしいですね。 刑務所行きになったルースですが、これでようやく母親からの呪縛から解き放たれたのかもしれませんね。 共犯者だと分かっても、情に厚いモースなのでした。

『主任警部モース』の登場人物・キャスト

『主任警部モース』の登場人物・キャストの紹介はこちらへ≫

ドラマで流れた曲

  • Prelude and Fugue in A Minor, BWV 543 - ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
  • Overture Euryanthe: Allegro marcato, con molto fuoco - カール・マリア・フォン・ウェーバー
  • Locus iste - アントン・ブルックナー
  • Missa Brevis – Agnus Dei - ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ
  • Toccata, Adagio and Fugue in C, BMV 564 - ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
  • Acte IV: Sola, Perduta abbandonata オペラ『マノン・レスコー』より - ジャコモ・プッチーニ

『主任警部モース』のエピソードリストと主な登場人物・キャストの一覧 はこちらへ≫

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