※前半にネタバレはありません。
『グッドドクター 名医の条件』はアメリカのネットワークテレビ局ABCで2017年から放送が開始された医療ドラマ。
韓国の人気医療ドラマ『グッド・ドクター』をベースにしたリメイク作品。日本でもリメイクされたことが話題になりました。
高機能自閉症でサヴァン症候群を抱える若いドクター・ショーン・マーフィーが偏見にさらされながらも、外科医を目指し、人の命を救うことに懸命に向き合う医療ヒューマン・ドラマ。
サヴァン症候群とは？
主人公ショーンは高機能自閉症でサヴァン症候群。サヴァン症候群とは、ある分野で天才的な能力を発揮すること。自閉症スペクトラムの人に特に多く、主人公ショーンは天才的な記憶力と空間認識能力を持っている。
映画『チャーリーとチョコレート工場』やドラマ『ベイツ・モーテル』のノーマン役で知られるフレディ・ハイモアが主人公を演じています。フレディ・ハイモアは、自閉症を抱えるショーンの演技が絶賛され、ゴールデン・グローブ賞男優賞にノミネートされたことも。
毒舌の天才医師を描いたドラマ『Dr. HOUSE ドクター・ハウスー』のクリエイターのデイヴィッド・ショアが手掛け、『HAWAII FIVE-0』のチン・ホー・ケリー役で知られる韓国系アメリカ人のダニエル・デイ・キムもプロデューサーとして参加しています。
『グッドドクター 名医の条件』シーズン1は全18話です。
『グッドドクター 名医の条件』シーズン2は？
アメリカでは2018年9月からシーズン2の放送が開始されています。
『グッドドクター 名医の条件』の評価
- IMDbの点数 8.3（39,193人の評価）
- ロッテン・トマトの評価 60％
IMDbでは8点以上と高い評価を獲得。ロッテン・トマトの批評家の評価も60％と良い評価。ユーザー視聴者の評価はさらに高く、87％となっています。
2017年の新作ドラマの中で高視聴率を記録したそうです。
IMDbの点数の目安
海外大手映画データベースIMDb（インターネット・ムービー・データベース）の点数は10点満点評価。IMDbユーザーがつけた平均点が表示されます。感覚的には、評価の人数が多く、6.5点以上ならまあまあ、7点台なら楽しめる作品、8点以上は傑作になっていると思います。ロッテン・トマトの評価の見方
プロの評論家によるレビューサイト「ロッテン・トマト」では、良い評価が60％を下回ると腐った緑色のトマトのマーク、 良い評価が60％以上の作品には新鮮な真っ赤なトマトのマークがつけられます。
さらに良い評価が70％以上で、厳しい条件を満たした作品にはCertified Fresh（新鮮保証）というマークが付けられています。日本での『グッドドクター 名医の条件』の放送・配信情報
※作品の配信情報は2019年1月17日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については各配信サービスのホームページもしくはアプリをご確認ください。
- Dlifeで『グッドドクター 名医の条件』シーズン1が2019年1月19日（土）から放送スタート。Dlifeの見逃し配信サービス・アプリでも放送終了後に期間限定で無料で配信されています。
- Amazonビデオではレンタルか購入することで
『グッド・ドクター 名医の条件 』(吹替版)『グッド・ドクター 名医の条件 』(字幕版)
オリジナルの韓国ドラマ『グッド･ドクター』はHuluで配信中。
日本のリメイク版の『グッド・ドクター』は
フジテレビの動画見放題サイト FODプレミアムで配信されています。
オリジナルの韓国ドラマや、日本のリメイク版、アメリカのリメイク版を見比べてみるのも面白いかもしれません。
※ここから『グッドドクター 名医の条件』第1話のネタバレがあります。注意してください。
『グッドドクター 名医の条件』第1話「雨の日の匂い」のあらすじ
- 『グッドドクター 名医の条件』第1話「雨の日の匂い」
- The Good Doctor Season1 Episode1 "Burnt Food"
高機能自閉症で天才的な能力を持つサヴァン症候群のドクター・ショーン・マーフィー。ショーンは聖ボナベントゥラ病院の外科レジデントとなるべく、カリフォルニア州サンノゼへ。
サンノゼ空港では工事中に看板が落下し、子どものアダムがガラスを全身に浴びてしまう。その事故に居合わせたショーンは的確な応急処置しようとするが、自閉症でコミュニケーションが苦手なために、空港の保安員に取り押さえられてしまう。 ショーンはアダムの外傷性気胸の兆候に気付き、カッターナイフで肋間を切り、空気が戻らないようにバーボンのボトルで作った手製のドレナージ・バッグでアダムを救う。
救急車で聖ボナベントゥラ病院に運ばれたアダム。ショーンは心電図のかすかな異常に気付き、心エコーをするように頼むが、聞き入れられない。 オペ中のアダムは血圧が低下し、心エコーをするが心嚢液貯留は見られず、ショーンの見立ては間違っていたと思われる。しかし、ショーンは心エコーを見て、右心房にわずかな変形があることを指摘。ガラスのかけらで、右心房に心嚢液貯留が起きていた。手術でアダムの命は救われる。
昔からショーンを知っている院長のグラスマンはショーンを採用しようとするが、理事会では反対されてしまう。
子どもの頃、ショーンは父親に暴力を振るわれ、弟スティーヴと家出。ショーンの理解者で、兄思いの弟スティーヴはかくれんぼの最中に、列車の屋根から落下し、亡くなっていた。 弟がプレゼントしてくれたおもちゃのメスをお守りにするショーン。
ショーンはアダムの命を救い、理事会で外科医になりたい理由を率直に語り、採用される。 しかし、自閉症のショーンの採用に反対の者も多く、外科部長のアンドリュースは特に反対。 指導医のメレンデス医師もショーンにオペで吸引しかさせないと言い、ショーンはメレンデス医師に率直な質問をぶつけるのだった。
『グッドドクター 名医の条件』第1話「雨の日の匂い」の感想
サヴァン症候群のショーン
まっすぐでピュアなショーンを応援したくなるドラマですね。
ショーンは高機能自閉症でサヴァン症候群。高機能自閉症はアスペルガー症候群と同じ意味だそう。
サヴァン症候群とは、ある分野で天才的な能力を発揮すること。自閉症スペクトラムの人に特に多いそうで、モーツアルトやエジソンなどもサヴァン症候群だったのではないかと言われているそうです。
音に過敏なのは自閉症によくある症状。 ただの雑音も自閉症の人にとっては耳をつんざくような音に聞こえているのがよく分かりますね。
少年の命を救う
空港でケガを負った少年アダムの命を救うショーン。最初に応急手当していたお医者さんもショーンの並外れた医療の知識と処置にびっくり。
「ものの見方や分析の仕方が我々の理解が及ばぬレベルに達している」とショーンを評する院長のグラスマン。血管や臓器などが3Dで浮かび上がるシーンがすごいですね。 医学書も完璧に暗記しているようです。
それにしても、医学用語は難しい…。 ショーンは気胸を治療するため、ナイフが必要に。説明がうまく伝わらず、空港の職員に取り押さえられるハメに…。さらに、病院でも変な人扱いされ、警備員に立ち入りを阻止されるショーン。
警備員にことごとく立ち入りを阻止されるシーンは面白いですが、気持ちがうまく伝わらないのはもどかしいですね。
空港ではバーボンのボトルとチューブで空気が逆流しないようにドレナージ・バッグを自作。あり合わせのもので治療用の道具を作ってしまうのも驚きですね。
ショーンの弟は子どもの頃に転落事故で亡くなっていた
聖ボナベントゥラ病院の院長グラスマンはショーンと子どもの頃からの知り合い。ボナベントゥラという珍しい名前の病院は、どうやらカトリック教会の聖人ボナベントゥラからつけられたようです。
ショーンのかわいがっていたウサギが父親によって壁に叩きつけられて死んでしまったときに、ウサギを治してもらうとした医者がグラスマン。 暴力をふるう父親が見ているだけでつらいですね。
弟のスティーヴと家出したショーン。どうやら弟とずっと放置されたスクールバスで暮らしていたようですね。ショーンにとっての理解者で、いつも守ってくれていた弟はかくれんぼ中に落下して亡くなっていました。もうこれだけで泣いてしまいそう…。
ショーンがお守りとして大事に持っているおもちゃのメスは弟がプレゼントしてくれたもの。 「なんだってできる。自慢のお兄ちゃんだから」という弟の言葉がショーンをずっと支えてきたようです。
弟に髪をくしゃくしゃとなでられたことを思い出し、再現するショーンがかわいい。
鋭い質問を投げかけるショーン
理事会はショーンの採用に反対する中、院長のグラスマンは理事たちを説得しようと必死に。昔、黒人や女性の医師が採用を拒まれたように、自閉症の医師も採用を拒まれていると語るグラスマン院長。「我々にない問題を抱えるものを受け入れることが大事だ」というのは、今の時代に叫ばれている多様性の大切さが語られていますね。
一方で、外科部長のアンドリュースは患者の命がかかっているとショーンの採用に反対。 グラスマン院長の言い分も、アンドリュースの言い分も理解できる…。 ショーンの天才的な能力を見れば、みんな考えが変わっていくのかも。
理事会でウサギや弟が天国に行ったことを話すショーン。「アイスクリームのにおいの雨の日」や「古い倉庫の銅のパイプが焦げた食べ物のにおいだった日」というのが詩的ですね。 外科医になりたい感動的な動機を語るショーンでしたが、次には「お金を稼いでテレビを買いたいんです」と子どもっぽい願いを話すのが面白い！
ショーンはクレアにもこんな質問を。「なぜ最初にあったときは失礼で、その次は感じよくなって、今は友達になろうとしてるの？ そのうちのどれが本当の君？」
鋭く、グサッと刺さるような言葉ですね。 人や能力によって態度を変えてしまうことが度々ある私たちには、ショーンのまっすぐさがまぶしいですね。
指導医のメレンデスにも「あなたはとても傲慢だ。そのほうがいい医者になれますか？ 人としては損ですか？ 価値のある事ですか？」と矢継ぎ早に質問。 率直な質問で切り返すショーン。裏表がなくピュアで、めげずに頑張るショーンを応援したくなりますね。
院長のグラスマンはショーンが期待に応えられず解雇されたら、自分も辞任すると宣言。院長のグラスマンがショーンに肩入れするのは、ショーンが優秀な以外にも何か訳があるのでしょうか…。
『グッドドクター 名医の条件』シーズン1の登場人物・キャスト
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第1話「雨の日の匂い」の中で流れた曲
- I Fear the Nite - DAN ROMER & SAUL SIMON MACWILLIAMS
気になったセリフをPick Up
「ショーンを採用することで彼らに希望を与えられる。たとえ問題があっても制限されることなく道は開けると！」"We hire Shaun, and we give hope to those people with limitations that those limitations are not what they think they are, that they do have a shot!"
理事会でショーンの採用を認めてほしいと説得するグラスマン院長のセリフ。
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