『クワンティコ』シーズン2第7話「限界を超えて」あらすじと感想 ネタバレ注意!

  • 『クワンティコ』シーズン2第7話「限界を超えて」
  • Quantico Season2 Episode7 "LCFLUTTER"

※ネタバレしています。

あらすじと感想

CIAの訓練施設ファームに潜入して、6週間が経過。「強化尋問」の訓練が行われる。ほとんど拷問と同じことを学び、主任教官のオーウェンを「強化尋問」し、実際に使った偽名を聞き出す演習をする。訓練生たちはオーウェンの弱みである娘のリディアを水責めにして、偽名「ジム・ダウド」を吐かせることに成功する。

11か月後、リディアはハードドライブを盗んでアレックスを金庫に縛りつけ、姿を消す。アレックスは肩を外して拘束を解くが、敵に捕まる。敵はハードドライブがどこかダイアナを使ってアレックスに「強化尋問」。

アレックスはリディアがハードドライブを持っていったと白状。リディアはケータイを持っていたから、電波妨害装置を解除すれば居場所が分かると教える。

ハリーとレオンとセバスチャンが助けに。ハリーとレオンとセバスチャン、アレックスとダイアナはみんなでテロリスト戦うことを決意する。

『クワンティコ』シーズン2第6話「極限状態での決断」前回のあらすじと感想はこちら≫

「強化尋問」を学ぶ

ファームの訓練内容は「強化尋問」(enhanced interrogation)という名の拷問。 CIAは昔のような行き過ぎた拷問をしていないと言っていましたが、実態はそう変わらないよう…。 最初にライアンがオーウェンに尋問されていた時は、ついに正体がバレたのかと思いきや訓練でした。

大音量の音楽をかけて脳を混乱させたり、 感覚を遮断したり、氷漬けにしたり、 無理な体勢をとらせたりして、精神を崩壊させる「強化尋問」の手法の数々。

訓練生たちは自白剤のチオペンタールを使うことも検討。チオペンタールはアメリカでは薬物注射による死刑執行のとき、意識をなくすために使われていた麻酔薬。チオペンタールは2009年に製造中止になり、入手困難に。薬物注射による死刑執行ではチオペンタールのかわりに鎮静剤のミダゾラムを使うようになったそうです。

「クスリで真実を自白させる」ことは本当に可能なのかを検証したムービー

By Daniela Vladimirova フィクション作品では、捕まえたスパイや工作員に自白剤を使って情報を吐かせるというシーンが出てきますが、実際、自白剤を投与された人間は真実をペラペラと口にするのでしょうか。クスリの効果を、BBCでマイケル・モーズリー氏が体を張って検証しています。 BBC News - Can a drug make you tell the truth? ...

実際にCIAの尋問で大音量の音楽として使われていると報じられた曲には、アメリカのロックバンド レッド・ホット・チリ・ペッパーズの楽曲も。

レッチリ、楽曲がCIAの拷問に使われていることが明らかに...メンバーは不信感 - シネマトゥデイ

米ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの楽曲がCIAの拷問に使用されていたことが明らかになり、同バンドのドラマーのチャド・スミスが当局への不信感をあらわにした。TMZ.comが報じた。

【グアンタナモ・ジャム】CIAが拷問に使用した楽曲13選

米CIAが拷問手段の一つに「音楽」を使用していたことは、以前から広く知られている。その内容はテロ容疑者を狭い部屋に閉じ込め、長時間にわたり大音量で歌を流すというもの。昨年12月に米上院情報特別委員会が拷問の 報告書 を公表したことで、実際にどんな曲が使われていたのか明らかになった。

どれもやり続けたら、身体も精神もボロボロになって、人格が崩壊しそうです。 暴力を振るっていないから行き過ぎた拷問ではないという理屈のようですね。こんなことをされたら、逃れるためにどんなウソでも言いそう…。

アメリカ政府によると、身体を損傷しない限りは拷問ではなく強度の尋問であり、拷問を禁止するジュネーヴ条約に違反しないという見解だそうです。

拷問に詳しいダイアナ

ダイアナはジンバブエ生まれで、養子だと判明。第6話では2つの家族写真を持っていましたね。 ライアンには実の親は知らないと言っていたダイアナにも後ろ暗い過去がありそう。

ムカべ政権下で育ったダイアナ。 ムカべ大統領はジンバブエの独裁者。93歳になった今も独裁を続けています。ハイパーインフレを引き起こしたことで有名で「世界最悪の独裁国家」と評されることもあるムカべ政権。

圧政がひどく、反対勢力は刑務所行きに。刑務所は悲惨で、非人道的な環境だと人権保護団体が抗議しています。

ロバート・ムガベ - Wikipedia

1924年 2月21日、 英領 南ローデシアのソールズベリー(現在の ハラレ)の北東に位置するジンバ地区クタマ伝道団で育つ。ムガベの父は マラウィ人と考えられる。

そんな環境で大人になったダイアナは拷問方法にやたら詳しかったですね。 オーウェンを氷漬けにする時には石を重りにするとか、オーウェンの娘リディアを利用するように提案。

ライアンに「最悪の私を知らない」と言っていたダイアナ。まさか拷問を手伝っていたのでしょうか…。

リディアを水責め(waterboarding ウォーターボーディング)するように指示を出すダイアナが怖かった…。

ウォーターボーディングは簡単に溺れ死ぬような恐怖を味わわせることが可能。グアンタナモでテロリストにウォーターボーディングを行なっていたことが明らかになり、物議を醸したことも。ウォーターボーディングで窒息状態にされた人は、その後も精神的トラウマに苦しむことになるそうです。

ウォーターボーディング - Wikipedia

殴るあるいは感電などの拷問は苦痛を与えることはできるが死の恐怖を実演することは難しい。一方でこの水攻めの内容を予め知らない場合は簡単に溺死する錯覚に陥り、死の恐怖で短期間に自白を強要できるとされている。さらに身体を殴るなどの拷問に比べて傷が一切残らないなどの利点が存在する。各国の軍隊の 特殊部隊においては ...

その後、ダイアナは沸騰したお湯をわざと手にかけていました。自分への罰なのでしょうか。

オーウェンの家に侵入するアレックス

オーウェンは自分が「強化尋問」演習の教材に。 眠らせずに32時間以上拘束されて、氷水にも屈しない強い精神力を見せたものの娘には弱かったオーウェン。 目の前で娘が苦しめられたら、抵抗するすべはゼロに。

簡単に口を割ったオーウェンは、諜報員としても教官としても素質に問題があると娘のリディアに言われてしまいました。 娘を愛しているからこそ、口を割ったのに批判されてしまうオーウェン。 ちょっぴりかわいそう…。

潜入中のアレックスは、オーウェンの家に増設された壁の後ろに何があるのか捜索する任務を命じられることに。 この頃、ミランダはすでにAICの仲間だったのでしょうか?

氷水に漬けるためオーウェンの服を脱がせた時に鍵をゲット。 壁にはノートパソコンとケータイが6台隠されていました。

リディアに見つかりそうになったアレックスはハリーのおかげで脱出に成功。 アレックスは2階の窓からジャンプして降り、華麗に登場。

ハリーとセバスチャンは反発

アレックスを助けてくれたハリーはルームメイトのセバスチャンと緊張関係に。 ダーツのゲームでハリーに尋問するセバスチャン。 ハリーの自殺した友人の名前はエリオットだと判明しました。

挑発されたセバスチャンはハリーを殴る事態に発展。「クローゼット」には、自分の性的指向を公にしない人や状態という意味もあるそうです。

クローゼット (性的指向) - Wikipedia

クローゼットは人生や家族、友人、仕事など様々な場面においてLGBTの人々が自身のセクシャリティや社会的アイデンティティを隠す「生活秘匿のパターン形成」であるとされる。しかし本人の望まない形でクローゼットから追い立てられる事例として「 ...

かたくなにゲイではないと否定していたセバスチャンですが、最後にはベッドのハリーに飛び乗ってキス! 我に帰って、途中で中断したセバスチャン。 ゲイの人には同じゲイの人がわかると言いますが、セバスチャンはハリーが思っていたように同性愛者だったようです。

第6話で、セバスチャンはその後 女性と結婚したと言っていましたが、ハリーとの関係はこじれたままのよう…。

選ばれたライアン

シェルビーはジェーン・フォスターという偽名を使ってレオンと密会。アレックスが結果を出せないこともあり、シェルビーはジェーンとしてレオンの潜入捜査をすることに。

お楽しみと仕事をごっちゃにしているシェルビー。スリルを楽しんでいるだけのようにも見えますが、大丈夫なのでしょうか。11ヶ月後を見ると、シェルビーの潜入捜査も上手くはいかなかったよう…。 アレックスだけ蚊帳の外のような状態に。ライアンには別の任務がありそうでしたね。

バーでオーウェンに会ったアレックス。敵を尊敬する昔のCIAのやり方を懐かしいと話すオーウェンは、拷問するよりも効果的な方法があると話していました。なんとなくオーウェンはAICのリーダーではなさそう…。

一方、ライアンは薬を打たれて倒れていたところに「君は選ばれた」と電話が。 ライアンがAICに選ばれたようです。

まさかライアンもAICの仲間で、人質のフリをしていたのでしょうか? 最近、サミットの人質事件には出てこないライアン。一体どうなっているのか気になりますね。

敵に捕まるアレックス

11か月後、リディアにハメられたアレックスは肩を脱臼させて、拘束を解くことに成功。自分で肩を外したり、戻すシーンの音がリアル。

アレックスは犯人と外部の人間が衛星電話でやり取りしていることに気づき、シェルビーに番号を調べてもらうことに。 しかし、電話番号を伝えている途中でバッテリー切れ。

危険を察知したミランダは恋人のポールのカバンに自分が持っていた衛星電話を隠し、ポールを身替わりにすることに成功。 恋人のポールまで陥れるミランダ。 企んでいるときの顔が怖い…。

盗まれたハードドライブのありかをアレックスに吐かせようとアレックス自身に拷問するのではなく、人質を殺すと脅してくる犯人たち。

人質は犯人の仲間で、話を聞き出す作戦だと思ったアレックスでしたが、人質は頭を撃ち抜かれて死亡。同情させる作戦だと思ったら本当に人質で、あっさり殺されてしまいびっくり。

次はアレックスの目の前でダイアナが拷問されることに。 刺されて、ハンマーで脊髄を損傷させられそうになるダイアナ。

耐えかねたアレックスはリディアが盗んだと言い、リディアが持っているケータイを追跡すれば居場所がわかると白状。 どうやら、こう言ったのは犯人たちに電波妨害をオフにさせるアレックスの作戦だったようです。

トッド大統領は修正第25条を発動し、ハース副大統領に権限を委譲。

アメリカ合衆国憲法修正第25条 - Wikipedia

その後、大統領が上院の臨時議長および下院議長に対し、不能が存在しないという文書による申し立てを送付する時には、大統領はその職務上の権限と義務を再び遂行する。ただし副大統領および行政各部の長官の過半数、または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務の遂行ができないという文書による申し立てを4日以内に送付する時は、この限りで...

テレビ画面にチラっと映ったハース副大統領。この人も怪しいにおいがプンプン。 大統領の権限を手にしたことも作戦のように思えてきますね。

みんな怪しくみえてくる『クワンティコ』。

アレックスとダイアナはハリーやレオンやセバスチャンに助け出され、部屋から脱出。 団結して犯人グループと戦うことにしますが、この中にも犯人の一味がいる可能性も。

1人でテロリストに立ち向かう映画『ダイハード』状態だったアレックスには、仲間ができて心強くなりました。 反撃開始。犯人を倒すことはできるのでしょうか。

英題の"LCFLUTTER"はポリグラフテストを示すCIAの暗号名だそうです。

登場人物・キャスト

『クワンティコ』シーズン2の登場人物・キャストの紹介はこちら≫

ドラマの中で流れた曲

  • Dreams - FLEETWOOD MAC
  • Angel on My Shoulder - CREATIVETS
  • The Seer's Tower - JAMIE CULLUM
  • Bad Man Blood - MICHAEL KISUR
  • Gold Dust Woman - FLEETWOOD MAC

気になったセリフをPick Up

「情けの無い人間(ソシオパス)であれば、拷問は簡単だ。しかし、優秀な諜報員は自分が拷問をうける側になっても水やロープやナイフで責められながらも思い出すんだ。拷問をしている側も自分と同じように罪悪感や恥や苦痛を感じていることを。」

"See, for the sociopath who has no empathy, torture is easy, but for the best operatives, when it's them under the water, under the rack, the rope, the knife... they'll remember somewhere inside that their torturer is a person who feels the same guilt, shame, and discomfort that they do."

オーウェンのセリフ

「強化尋問」に耐えるオーウェンが言ったセリフ。拷問されているほうだけでなく、拷問しているほうも精神的ダメージが大きいようですね。ダイアナが自分に熱湯をかけたのも、罪悪感や恥や苦痛を感じていたからだったよう。 ちなみに、ソシオパス(社会病質者)は後天的なもので、サイコパス(精神病質者)は先天的なものだそうです。

『クワンティコ』シーズン2のエピソードリストと登場人物・キャストの一覧はこちらへ≫

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